【松戸市】松戸ブラザーズの挑戦!「二十世紀梨里帰りプロジェクト」
「世紀の大発見」といわれながら、いつの間にか松戸から姿を消した、松戸生まれの二十世紀梨。
その復活に向けて、運命に導かれた兄弟の熱い挑戦が進行中です!
ごみ捨て場で偶然発見された新品種
二十世紀梨は、1888(明治21)年に松戸覚之助さんが旧八柱村(現松戸市)のごみ捨て場で、梨の幼木を偶然見つけて育てたことが始まりとされています。
苦労を重ね、初めて実がなったのは10年後の1898年。
来たる新世紀を代表する品種にという期待を込めて「二十世紀梨」と命名され、人々に愛されました。
しかし、栽培方法が難しく黒斑病に弱い欠点もあり、いつしか松戸ではほとんど見かけない品種に。
一方、鳥取県の北脇永治さんが覚之助さんから苗木を購入していたことから、鳥取では広く栽培されるようになりました。
もう一度、生まれ故郷の松戸の地へ
「松戸生まれの梨が地元で忘れられているのは残念。なんとか里帰りさせたい」と立ち上がったのは、覚之助さんの血縁に当たる松戸克浩さん。
2018年、弟の義仁さんと共に、自らが代表を務める(株)新松戸造園内で「二十世紀梨里帰りプロジェクト」を立ち上げました。
二人の熱い働きかけにより、2022年1月にJA全農とっとりから親木の枝40本を譲り受ける形で、110年以上の歳月を経て「里帰り」が実現。
同年11月には関係者が鳥取県を訪問し、栽培の経過報告や意見交換を行うなど連携を強めています。
白い花咲く梨の並木道を夢見て
「春にはとても愛らしい白い花を咲かせるんですよ。松戸市内に二十世紀梨の並木道をつくり、『松戸のお花見といえば梨の白い花』と言われるようになるのが夢です」と克浩さん。
近いうちに、育てた梨の木を市内に植栽する予定もあるとのこと。
果実の収穫を目指す農家には「喜んで苗木を譲りたい」と、地域全体で盛り上がることを歓迎しています。
「自然を愛し大切に育む精神を松戸覚之助から受け継ぎ、市民の記憶に二十世紀梨が残るように、根気強く大切に育てていきます」との言葉通り、松戸ブラザーズの挑戦はこれからも続きます。(取材・執筆/be)
※問い合わせ 電話番号/047-391-2828 新松戸造園 住所/千葉県松戸市大橋809 ホームページ/https://shinmatsudo-zouen.com/