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脳や眼がないのになぜ?植物が光を感じてクローン再生までできる柔軟な生き方

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脳や眼がないのになぜ?植物が光を感じてクローン再生までできる柔軟な生き方

植物は何かを感じている?動物のように眼/ 耳/鼻など無い植物の環境の変化を知る術とは

たとえば眼がなくても光を感じることができる

植物はどこかに一度根を下ろすと、移動できませんから、刻々と変わる環境の変化に対応していかなければ生きていけません。植物は動物のような神経組織も脳も持っていませんから、動物のように眼、耳、鼻などはありません。ではどのように環境の変化をとらえているのでしょう。植物を観察すれば気づくように、光や温度の変化を感じていることは確かです。また、香りを介してほかの植物や害虫とコミュニケーションを取ることさえします。たとえば眼がなくても光を感じることができるのは、葉の一つひとつの細胞に光を感じる「光受容体」があるからで、まわりが明るいか暗いかの変化に応じて細胞内が適切に変化して対応します。さらに植物細胞には「分化全能性」(個体を形成するあらゆる種類の細胞に分化できること)という性質がありますから、ひとつの細胞を培養すれば、個体を再生させることが可能です。ですから植物は、まるで細胞という小さな生物がたくさん集まってできているような生物です。

これに対し動物の場合は、ひとつの体細胞から個体を再生する荒技は不可能で、分化全能性を示すのは、基本的に受精卵だけです。動物は、たとえば眼を失えば視覚が損なわれますが、植物の細胞には光受容体がありますから、どこかが傷ついてもそこを捨てれば、生きていくことができます。動物は雌雄の生殖によって子孫を増やしますが、植物は有性生殖のほか、ひとつの細胞から1個体が生まれるなど、性によらずに子孫を増やすことも可能です。このように植物と動物の生き方はまったく違い、植物は、ある意味動物よりも柔軟な生き方をしているといえます。

執筆者プロフィール
植物学者・静岡大学教授。1993年、岡山大学大学院農学研究科(当時)修了。農学博士。専攻は雑草生態学。1993年農林水産省入省。1995年静岡県入庁、農林技術研究所などを経て、2013年より静岡大学大学院教授。研究分野は農業生態学、雑草科学。

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