旧醤油蔵を再生した炭火焙煎カフェが北区にオープン!萩原珈琲の絶景ロースタリー&里山拠点 神戸市
今年の5月、のどかな里山の風景が広がる神戸市北区八多町(はたちょう)に『炭火焙煎カフェ 旧醤油蔵』がオープンしました。
明治29年から昭和47年まで醤油醸造が行われていた歴史ある蔵を、創業97年の老舗・灘区の『萩原珈琲』が、里づくり拠点と焙煎所を兼ねたカフェとしてリノベーション。
一歩足を踏み入れると、木のぬくもりと歴史を感じ、思わず深呼吸したくなります。
店内は奥まで視線が抜ける開放的なつくり。田んぼを目の前に感じることができるカウンター席では、季節ごとに表情を変える里山の風景を眺めながら、気がつけば時間を忘れてしまうほどの心地良さがあります。
一角には大きな炭火焙煎機が据えられ、ロースタリーの雰囲気を感じながら味わうコーヒーも魅力的。
炭火焙煎のパイオニアとして4代にわたり培ってきた技術を守りながら、新しく里山時間を紡いでいきます。
店内では、主に兵庫県産木炭を使って丁寧に焙煎された香り豊かなコーヒーをはじめ、地産地消を意識したメニューをいただけます。
この場所でしか味わえない「八多町ブレンドコーヒー」はぜひ試したい一杯。
縦に長い八多町を3つのエリアに分け、それぞれの住民と一緒に町ごとの風景や歴史、空気感をイメージして作り上げたブレンドです。
記者が選んだのは、中八多地区をイメージした「あいづち」ブレンド。苦味や酸味のバランスがよく、豆の香りが広がる飲みくちで、冷めてもおいしく飲むことができるのは炭火焙煎ならでは。やさしい余韻を風景と共に味わうことができました。
コーヒーのお供に、旬素材を使ったケーキやスイーツも充実。
せっかくなので、カウンター席で一息つくことにしました。レモンのスライスが浮かぶ自家製ジンジャエールは、ミントの香りがシャキッと効いていて、爽やか。飲みやすく幅広い世代に好まれそうです。
「季節のオープンサンド」は2種類から選べて、今回はピザトーストを注文。
店内のマルシェ「どまどま」の地場野菜を採り入れていて、素材の味が濃いのが印象に残ります。パンは地域のパン工房ログさんのものを。特に野菜は新鮮でおいしい!と評判で、フードロスにも積極的に取り組んでいます。
建物内にはカフェだけでなく、展覧会やマルシェなどを開催できる交流スペース【ぽたぽた】や、今後オープン予定のレンタルスペース【のらくら】も整備されています。
館内を歩いていると、醤油樽の箍(タガ・樽の周りを締め付けている輪)跡や、テーブルに生まれ変わった樽や桶板など、醤油蔵時代の名残を見つけることができました。
建物のリノベーションでは、阿曽芙実建築設計事務所(灘区)とともに「できる限り壊さず、生かすことに徹底的にこだわりました」と話す代表の萩原さん。
その結果、気が遠くなるような手間と費用がかかったそうですが、「それだけの価値があるんです」と思いを込めて話されていました。
炭火焙煎の技術も、長い年月を重ねた醤油蔵も、一度失ってしまえば簡単には取り戻せないもの。
同社はこれまでも、元町サントス・みなとじま喫茶室・まるもの”あし跡”など、コーヒーをきっかけとした様々な場所づくりに挑戦してきました。
コーヒーが美味しいのはもちろん、人が集い、地域が賑わう場所へ。穏やかな風景の中で過ごす時間には、この土地や建物、つながりを大切にしながら育まれていく思いが、さりげなく息づいていました。
場所
炭火焙煎カフェ旧醤油蔵
(神戸市北区八多町屏風61)
営業時間
10:00〜17:00(L.O.16:30)
モーニング 10:00〜11:30
フード 10:00〜17:00( L.O.16:30)
スイーツ 10:00〜17:00( L.O.16:30)
定休日
水曜日、木曜日
駐車場
あり(無料)
・第1駐車場9台(建物そば)
・第1が満車の場合は地域公民館の駐車場13台へ。カフェから徒歩すぐです