トンボジギング釣行で想定外の51kgキハダマグロ堂々キャッチ
ビッグファイトにチャレンジできると人気のトンジギ。手軽に出来るのですが、とんでもない奴もヒットします。そんな釣行をレポートします。
トロ丸でトンジギ釣行
他の釣りもやりたいので、4月2日が今期トンジギのファイナル。有終の美を飾るべく志摩に向かいました。未明の港に集まったのは9人のマグロフリーク、漢たちの熱気でムンムンしています。
5時半過ぎに河岸払いして南下するトロ丸は、長く走って7時前にポイント到着。紀伊長島の沖合いだそうです。鳥山があって雰囲気ムンムン。シケ前はタネトンが出ており、コトンの数釣りもあったので、期待感一杯のスタートでした。
風が強い予報だったので、6ozロッドにPEライン3号を巻いたリールをセットしました。少しでも風と潮の影響を弱めてタナ取りができるように、重いジグでもしっかりとシャクるためのセッティングです。ジグは420gを選択、フックはトンボ狙いなのでチェイス9/0を前後にセット。
後から思えば、時期的にキハダが交じる可能性があるので、リアフックだけで始めてもよかったですね。ヤツの雰囲気がありましたからね……。
ライン角度で水深を計算
船長からは、100~150mを狙うように指示がありました。ジグを落とす間にもラインはどんどんと払い出されて、角度が付きます。150mを出してイトふけを取ると45度はあります。計算するとジグがある水深は100mちょいか……。
20mをジャーク&フォールで探って、再びフォール。200mまでラインを出してイトふけを取ると60度はある。やはり払い出されるのが速い。船長からは、風が強くラインが払い出され、タナ取りをしながら続けるとどうしてもタナボケするので、1回1回入れ直すようにとアドバイス。素直に従って入れ直すことに。
次投は、500gにアップすることも考えましたが、朝から500gをシャクると体力的に1日持たないので、420gのまま継続。ファーストフォールを200m出してシャクるといい感じに潮を噛みます。ジグの抵抗とその後のフォールもいい感じ。僚船からのヒット情報もあるので、モーニングサービスの1発がありそうです。
200mからロングフォールを入れながら50mを探って回収して再びフォール。重労働ですが、これから逃げるとマグロは釣れません。隣は電動リール楽そうですけどね……。
反応に合わせてヒット
ちょっと深い所も探ってやろうと230mフォールさせてジャーク。ジグのある水深は160mぐらい。10mをジャークしてロングフォールを繰り返していると「90mに反応入った」とアナウンス。ラインを見ると180m出ていて角度45度以上あるので、ジグは120mぐらいにあるはず。タナまで巻き上げていると右のアングラーにヒット。ロッドがブチ曲がりドラグ音が響きます。おおっ強そう、タネトンか?
30mを巻き上げてジャーク&フォールで連鎖ヒットを狙うと、ロングフォールをビタ止めするバイト。ラインを巻いて渾身のフッキング。ドンッと重みが乗ったので、ラインを更に巻き込んで2度、3度をフッキングするとドラグが悲鳴を上げます。火を噴くようにラインがでる。その重み、スピードからタネトン確実と喜んだのですが…。
右のアングラーは防戦一方でラインは遥か彼方まで出ているようです。私の魚は、まったく止まる気配なく100m以上走りました。こりゃ、キハダのダブルヒットじゃないか?船長の見立てもそうで、やばいヤバイと嬉しそうな困ったような顔。そりゃそうです。1匹でも獲るのが困難なキハダが、ダブルヒットではダブルブレイクの可能性が高い。船長指示で他のアングラーは回収し、ファイトを見守ることに。私がミヨシに移動し、もう一人はトモでファイトします。
ライン
PEは3号とキハダを取るには心もとないですが、こんなこともあろうかとリーダーは80lbと強めとしています。昨年11月には同じラインシステムで52kgを獲っているので、落ち着いてファイトできました。
魚はヒットした水深90mより深く潜ることはないが、頑張って50mまで浮かすと嫌がって走ります。底には行かず沖に走ったので、そのままにしていたらどこまでも走る。ラインは400m巻いてあるが、スプールがやせ細り残りが気になります。このような場合、船で追ってラインを稼ぐのですが、トモでもファイトをしているので、それは叶わず……。
やっと止まったので、次のランに備えてラインを回収。魚も疲れたのかどんどん巻けるので、このまま浮かしてやろうと50mラインより上げると、再度嫌がって強烈に走った。トモ方向に走ってヤバイと思ったが、上手く交わすことができて釣り座交代でファイト継続。ミヨシの魚は、上がってきているらしい。
まずはミヨシで38kgキハダ
船長から私の魚の方がデカそうなので、先に向こうを上げるからそれまで待っていてと指示……。分かりましたとキハダが気持ちよく泳いでくれる90mでお散歩状態をキープします。
ミヨシのアングラーを見ているとそれほど素直に仕留められるサイズではないようで、姿が見えてからも何度も走られています。初めてのキハダファイトだったようで、途中で船長がファイトをかわっていたが、無事にモリが決まった。帰港後の計量で38kgのキハダ。おめでとうございます。
スレ状態で異常な重さ
では、こっちも浮かそうとリフトに出たのだが、びくともしません。異常に重くなっています。嫌な事が思い出される。トンボ狙いのダブルフックです。フォールにバイトしたので、リアフックにフッキングしている可能性が高いのですが、ファイト中にフロントがエラや背ビレに掛かると、スレ状態になって引き抵抗が何倍にもなるのです。頑張ってリフトしてもキハダの頭が上を向かないので、浮かすことが非常に困難になります。さっきまではそんな手応えではなかったんだが……。
このサイズのキハダを相手にフックを背負わせた状態でファイトするのは、つらい。朝、トンボだからとダブルフックにした自分を罵りつつ渾身のファイト。それでも全く主導権を取ることができずに振り回されます。
50mラインの攻防では、底に向かうキハダに対してスプールを鷲掴みにして止めます。キハダは下に向けないので横に走るが、こちらも船上を走って応戦。船を何周もしてその度に同船者が避けてくれたり、時には支えてくれたり……。船長も操船でサポートしてくれる。キハダは、チームファイトだ。
51kgキハダ浮上
姿が見えてからの攻防が地獄で……。リアフックが閂に決まり、フロントがあろうことか背ビレにフッキングしています。まったく横にならず、全力でリフトしても平然と泳ぐキハダ。加えて、回る円がでかいので、船の下に入る度に上半身を乗り出してロッドを海中に突っ込んで耐えます。ロッドが船底に擦れて塗料で赤く染まったが、それでもラインが擦れることは防げました。
もうダメだと思ったが、船長のモリが決まって勝負あり。先のキハダが上がるまでに40~50分掛かり、そこから30~40分掛かってしまったが、ダブルヒットをダブルキャッチ!ロッドを上げて協力してくださった同船者の皆さん、ありがとうございました。
当日の釣果と今後の展望
その後ですか?筋力、体力の限界でノンビリ過ごしておりました。すっかり満足していましたが、何もすることがないので時にはジグを落としたり。そんな私に当然のようにヒットは無く…(笑)コトンが2本上がってストップフィッシング、船中4ヒット4キャッチでした。
私のキハダは51kg。振り返れば、11月5日にキハダ52kgで始まった今シーズン、トンボはコトン1本に終わりましたが、有終の美は「これ以上嬉しいことはない」でした。GWまでは行けるかな、その後は本気のキハダ狙いです。
<田中耕二/TSURINEWSライター>
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