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知事に「ボール蹴ることが何よりも重要」と言われても… 長谷部誠ら輩出 藤枝東は地元の誇り

Shizuoka

多数のプロサッカー選手を輩出している藤枝東サッカー部(高校のInstagramより)

■藤枝市出身の長谷部誠選手 今季限りの現役引退表明

藤枝東高校出身でサッカー元日本代表の長谷部誠選手が今シーズン限りでの現役引退を発表した。藤枝東高校と言えば、静岡県の川勝平太知事が「ボールを蹴ることが何よりも重要」などと発言して注目されたが、長谷部選手はサッカーを極め、人間性も高く評価されている。藤枝市民からは「地元の誇り」といった声が上がっている。

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ドイツ1部リーグのフランクフルトでプレーする長谷部選手は17日、今シーズン限りで現役を退くと明言した。自身のInstagramも更新し、「今シーズンを最後に引退することを決めました。キャリアを振り返るのは終わったあとに出来るので、いまは今シーズン最後まで楽しみ、しっかりとやり抜きたいと思います」とつづった。同様のメッセージをドイツ語と英語でも投稿している。

藤枝市出身の長谷部選手はサッカーの名門・藤枝東高校から浦和レッズに入団した。プロ2年目の2003年にレギュラーに定着。2007年からはプレーの場をドイツへと移した。現在所属するフランクフルトでは10シーズン目となる。

長谷部選手が卒業した藤枝東高校は先月、大きく報道された。辞職を表明した川勝知事が磐田市を拠点とする女子サッカーチーム「静岡SSUボニータ」の選手らと面談した際に藤枝東について触れ、次のように発言したためだった。

「藤枝東はサッカーをやるためにやってきている。ボールを蹴るのが一番重要なこと。勉強よりも何よりも」

藤枝東高校の新校舎(高校のHPより)

■県内有数の進学校 人間性も優れたサッカー選手輩出

藤枝東はサッカーの強豪でありながら、静岡県内有数の進学校としても知られている。サッカーと勉強を両立し、日本のサッカー史に名を刻む存在となった長谷部選手は藤枝東の象徴であり、地元の誇りと言える。

長谷部選手の他にも、川勝知事が表現した「ボールを蹴ること」を極めた選手は数多い。現在アスルクラロ沼津を指揮する中山雅史監督、長谷部選手と同じ時期に浦和レッズでプレーして日本代表の経験もある山田暢久さん。現役では、ジュビロ磐田の山田大記選手、清水エスパルスでプロのキャリアをスタートして今シーズンからはカターレ富山に所属する河井陽介選手らがいる。サッカーの技術だけではなく、チームの精神的支柱となったり、人間力の高さも評価されたりする選手が多い。

長谷部選手の現役引退を受け、地元・藤枝市からは感謝やねぎらいの言葉が送られた。ユニホーム姿が見られなく寂しさはあるものの、「長年、日本のサッカー界を引っ張ってくれた存在。同じ藤枝市民として長谷部選手をはじめとする藤枝東の選手たちは誇りです」、「県外の人に自分の出身地を伝える時、長谷部選手の名前を地元の有名人として挙げています。人間としても尊敬しています」といった声が上がった。

22年間の現役生活にピリオドを打つ決断をした長谷部選手。今シーズン残り5試合が雄姿を見る最後のチャンスとなる。

(SHIZUOKA Life編集部)

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