原宿発シルバーブランド「FIRST-ARROW’s」伊藤一也さんの、一生手放せないヴィンテージ。
世の中が「ヴィンテージ」という言葉に熱を上げる以前から、このカルチャーに魅せられ、膨大なコレクションを築いてきた人々。彼らの蒐集品は今、“スーパーヴィンテージ”と呼ばれる存在になった。単なるコレクションを超え、文化遺産としての価値を帯び始めている。そうした遺産を継承しようとする人々にスポットを当てたい。今回紹介するのは国内外で開かれるヴィンテージモーターサイクルのレースやショーで数多くの受賞経験を持つFIRST-ARROW’sの伊藤氏。モーターサイクルのジャンルはもちろん、デニムや時計、雑貨など幅広いジャンルで彼が愛するヴィンテージを紹介する。
趣味だからこそ飽きずに集めてられる。
東京・原宿を拠点にハンドメイドのシルバージュエリーを手掛けるFIRST-ARROW’s。そのクオリティの高さから国内はもちろん、海外からの知名度も高く、人気を博しているブランドだ。その代表兼現役のシルバー職人である伊藤一也氏。特にヴィンテージモーターサイクルへの造詣が深く、ショーやレースなどでも活躍しているCLUTCHMANだ。彼がコレクションするヴィンテージはライフスタイルの一部となっているモーターサイクル関係はもちろんウエアや小物、雑貨まで多岐にわたる。
「いわゆるコレクターのようにコレクションして眺めてって感じの集め方はしないのですが、モーターサイクル関連にしてもリアルにレースに必要なモノだったりするのでそれに使うパーツだったりを探していると必然と集まってしまうものが多いですね。少なくとも使ってナンボだと思っているので、もちろんサイズの変化によって着られなくなったヴィンテージとかはありますけどね。基本的には道具として使えるかどうかは手に入れる判断基準になっています」
ヴィンテージモーターサイクルに始まりヴィンテージがライフスタイルの一部として溶け込んでいる伊藤氏。すべて趣味の延長線上にあり、ナチュラルなモノの見方ができるのは実に彼らしい。
「自分のライフスタイルを構成するほんの一部」
1929 Ford model Aをベースに2021年の国内最大級のホットロッドカスタムショーでローンチ。架空のラグジュアリーコンセプトモーターメーカーとして制作したARROWは圧倒的な存在感だ。
1941s Harley-Davidson EL KNUCKLEHEAD。シートやサドルバッグをはじめ、シフトノブなどの外装の細かなカスタムパーツをオリジナルで手掛けることも伊藤氏の愉しみのひとつ。
通称2ndの愛称で親しまれ人気を誇るLEVI’S 507XXとブランケット付きの517XXは20年ほど前にミントコンディションで購入。大きなダメージはなく大切に着てきたことが窺える。
1920’s Harley-Davidsonのレインスーツ。素材はゴム引きで収納ケースも付属する。オールインワン型でスナップボタンによる開閉仕様が特徴的なデザインとなっている。デッドストックは超希少。
1930sのHarley-Davidsonのフラッグ。おそらく当時のショップなどで販促物の一環として使われていたもの。経年による褪色や生地の風合いも美しく、ロゴにインパクトがあるため、額装してアートとして飾っている。
1960年代に作られたスヌーピーのソープディッシュ。ヴィンテージらしいブサかわいい顔に魅せられて、国内外で見つけるたびにコツコツと集めてきたもの。壁面いっぱいに並べられると迫力がある。
1957年製のROLEX SUBMARINER Ref.5508/SSとミラートロピカルダイヤルが希少な1967年製のROLEX EXPLORER Ref.1016/SS。いずれもスポーツモデルの中で人気の高い逸品。