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魚類最大のグループ「スズキ目」から『スズキ』が脱退? 分類調査の科学技術進歩が理由

TSURINEWS

スズキ(提供:PhotoAC)

魚界のみならず、生物界でも屈指の巨大グループだった「スズキ目」。しかしそれもいまや過去の話となりました。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

魚類最大のグループだったスズキ目

魚好き、生き物好きで分類に興味がある人なら必ず知っているのが「スズキ目」。身近な海に棲息し、重要な食用魚であるスズキを代表格とする分類学上の一群です。

スズキ目だった魚たち(提供:PhotoAC)

比較的上位の区分である「目」の中でもスズキ目は特に大きく、一説によると10,000種以上、魚類全体の過半数を占めるほどの存在でした。生物全体を見てもここまで巨大な目は数えるほどです。

いわゆる「魚らしい」形をした魚はほとんど全てがスズキ目であるほか、ハゼやタチウオ、ベラ、シロギスなどの独特なシェイプをしたものもこのグループに含まれていました。

スズキはスズキ目ではなかった……

しかしそんなスズキ目に近年、激震が走りました。なんとスズキ目の頭領であるはずのスズキが、スズキ目の他の魚と「分類的に異なる」可能性が高まったのです。

きっかけは、近年発達した「分子系統解析」によって魚類の再分類が行われたこと。遺伝子を調べることで生物同士の関係性をみるこの手法により「見た目の共通点はあっても、進化の上では関係性が遠い」というものが多くあることがわかったのです。

ホタルジャコ(提供:茸本朗)

その結果としてスズキは「ホタルジャコ目」というグループに属するのが適格であろう、という説が有力になりました。ホタルジャコは大きくても数cm程度の小魚で、1mを超えることもあるスズキとは全然異なりますが、このグループに含まれる科は互いに形態上の共通点が乏しいのだそうです。

スズキ目はどうなる?

というわけで、まさかの「スズキ目からスズキが脱退」という現象が発生してしまったわけですが、スズキ目はどうなってしまうのでしょうか。

そもそも、スズキ目はこれまである意味「分類のゴミ箱」とも言えるような状態でした。形態上の強い特徴がない魚をとりあえず放り込んでおく、といった役回りもあったのです。

スズキ(提供:PhotoAC)

それが前記の通り分子系統解析技術が発達し、より詳細に再分類が行えるようになった結果、スズキ目は「解体」と呼べる状況になっています。代表的なものにはメジナやイシダイなどが含まれるサンフィッシュ目、ハタやカサゴなどが含まれるペルカ目があり、他にもベラ目、ハゼ目、アジ目、サバ目など多種多様なグループが生まれたのです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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