「ランチは絶対1000円以内」元サラリーマン店主こだわりの価格と満足感【ごはん処 寿春】 自家製タレ香る「焼き鳥重」やボリューム満点「ミックス定食」
「価格は、なんとか1000円以内。それでおなかいっぱいになってもらえるランチを目標に頑張ってます」
こう話すのは、2025年10月にオープンした「ごはん処 寿春(ことはる)」の店主、河西倫裕さん。
物価高が続く中、主要な食料品の価格はこの2年で2、3割近くも上昇し、毎日のランチ代が悩ましい昨今。仕入れ値や光熱費が上がり、飲食店にとっても厳しい状況が続きますが、そんな中で元サラリーマンだった河西さんの金銭感覚を頑なに守り、税込み1000円以内で満腹になれるランチを提供する、庶民の心強い味方です。
富山市南郊の住宅街にオープン「ごはん処 寿春」
富山市の南部エリア。
市の中心部から国道41号を大沢野方面へと南下し、下熊野北交差点を東へ折れると閑静な住宅街が広がります。
熊野小学校からもほど近い若竹町。1970年代、日本が高度経済成長から安定成長へと移り市街地が拡大する中で住宅地の造成が進んだエリアです。
昭和レトロを感じる商店長屋「若竹町商栄会」
その住宅街の真ん中にドラッグストアやクリーニング店が軒を連ねるのが、昔ながらの商店長屋「若竹町商栄会」。その一角に「ごはん処 寿春」は店を構えます。
「春はさまざまなものが芽吹く季節。めでたいという意味も込めて『寿春』にしました」(河西さん)
サラリーマン退職後に店主が選んだセカンドライフの飲食店
サラリーマン生活に終止符を打ち、河西さんが第2の人生に選んだのは、やきとりとおでんが看板商品のお食事処。
店頭でゆらゆら揺れる赤ちょうちんに惹かれ、ふらっと立ち寄りたくなる店構え。商栄会の雰囲気ともぴったりで、古き良き昭和の趣きを感じられます。
山吹色の暖簾をくぐって店内に入るとーー
テーブルとカウンター席が並び、すっきりとした印象。
ビタミンカラーのオレンジの椅子や照明にレトロな風合いを残しつつ、あたたかみや清潔感があります。どこかほっとする空間でランチを食べれば、午前中のバタバタや仕事の疲れもスッと消えていくような店内です。
ランチメニューはオール980円
ランチメニューはオール980円。税込みで1000円を切る価格です。
「最初は900円だったんですが、材料費が上がり続けていて、苦渋の決断で980円にさせてもらいました」と、河西さん。
値上げは苦渋の決断と言う店主ですが、それでも元サラリーマンとして譲ることができない、ギリギリのこだわりがあります。
「私もサラリーマン生活でけっこう外食してましたので、ランチは1000円以内でおなかいっぱい食べたい!っていう気持ちが痛いほどわかるんです。物価高ですけど、できる限りの努力はしたいなと思いまして」(河西さん)
ちなみにこのメニュー、夜にも提供していますが値段は1280円(税込)となります。
つまり、ランチタイムは300円もオトク。この「300円の差」に、河西さんの心意気がひしひしと伝わってきます。
もも・ねぎま・かわ・つくね4種盛り「焼き鳥重」
なかでも、河西さんのオススメは「焼き鳥重」。
運ばれてきたのは、雅なお重。それを主役に、湯気を揺らすお味噌汁、彩りを添える小鉢と香の物が並びます。
お重は蓋を開ける瞬間の高揚感もあり、日常のランチが特別なひとときに。
お重を開けると、その瞬間に甘辛いタレの香りがふわっと広がり、食欲が一気に加速します。
焼き鳥は4本で、もも・ねぎま・かわ・つくねの4種盛り。
ねぎま尽くしのオーダーも可能ですが、初来店なら、バラエティ豊かなナインナップを楽しみたいところです。
毎日、手間暇かけて串刺ししているという焼き鳥は、身が大ぶりで、自家製のタレもよくからみ、食べ応えがあります。
ところが…
「実は、お客さんから身が大きすぎるって言われて、少し小さくしました。お客さんの声を耳を傾けながらの営業ですね」
と、苦笑いを浮かべる河西さん。
青じそがたっぷりとかかったもも肉は、ジューシーな脂とさっぱりとしたしその風味でおかわりしたくなるおいしさです。
表面がパリッと香ばしいかわは、やわらかく、ほどよい弾力。噛めば噛むほど、脂の甘みがじゅわ〜っと溢れ出します。
焼き鳥の旨みと秘伝のタレが染み込んだごはんは、もはやそれだけでご馳走。
焼き鳥と一緒にほおばりながら、味わい深い味噌汁を流し込む。至福のひとときです。
チキンカツ、からあげ、カニクリームコロッケ「ミックス定食」
ガッツリ食べたい日のオススメは、「ミックス定食」。
皿の上には、こんもりキャベツの上にアツアツの揚げ物が。存在感を放つのは細長いチキンカツ2本、それに大ぶりの唐揚げが2個とカニクリームコロッケが並びます。
「自分の胃袋を基準に作ったらこうなりました。正直、儲けはほとんどないですよ」(河西さん)
チキンカツは1本100円、からあげは1個150円というリーズナブルな価格でどの定食にも追加注文することができます。大食漢の人も満足できる価格とボリュームです。
食べごたえはありつつヘルシー⁉ 「おでん定食」
軽めのランチで済ませたいという人に人気なのは、「おでん定食」。
盛り合わせは大根、焼き豆腐、ちくわ、こんにゃく、つくねの5点盛りで、滋味深くやさしい味わい。ふわっと立ち上るだしの香りと湯気にも包まれ、体も心もじんわりとほどけていくようです。
夜メニューは焼き鳥1本150円~、おでん120円~
夜は焼き鳥や一品料理を肴にビールやハイボールを楽しめる居酒屋に。
気取らないメニューばかりで、こちらも古き良き雰囲気が漂います。
香ばしい焼き鳥は1本150円から、味が染みたおでんは120円から。大根やちくわなどは、月曜限定で100円の特別価格になります。
「焼き鳥やおでんをつまみながら軽く1杯楽しんでもらえたらうれしいですし、週末はお子さん連れのご家族でにぎわうことも多いんですよ」と河西さん。
店を訪れる子供たちによろこんでもらいたいと、「くじびき」コーナーも設けられています。 子供はタダ、大人は100円で楽しむことができ、河西さんのサービス精神と遊び心がキラリと光ります。
「私も小さいころ、くじびきとか好きだったんですよね。わくわくしますもんね。くじびきは子供対象で始めたんですが、大人も楽しんでやっていかれますよ」(河西さん)
子供の頃やサラリーマン時代の経験をもとに、“お客さんファースト”の想いが伝わってくる「寿春」。おなかも心も満たされて店を後にするとき、ふと胸に春風のようなあたたかい安心感が宿る食事処です。
【ごはん処 寿春】
住所 富山県富山市若竹町2丁目128
営業時間 11:00〜14:00
16:00〜21:00(L.O. 20:30)
定休日 火曜