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アイコンタクトがよくできる犬は、飼い主さんのストーカーになりやすい!?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.105

いぬのきもちWEB

犬から離れ犬の周りを一周。飼い主は視界から外れても必ず現れほめてくれることが伝えられる

「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
このコラムでは、アイコンタクトの重要性をお伝えしていますが、アイコンタクトだけを強化すると、飼い主さんについて回る「ストーカー犬」になる恐れが! アイコンタクトがしっかりでき、一方で飼い主さんの姿が見えなくても大丈夫な犬に育てるには、どうすればよいのでしょうか(編集部)。オスワリの状態で飼い主を見上げている犬はマテができる。
すなわちマテはアイコンタクトの持続と教えていく。
飼い主を見上げながら歩く犬は引っ張らない、拾い食いもしない。ゆえに、飼い主を見上げて歩くようにトレーニングする。
飼い主に対して自発的なアイコンタクトをよく取る犬、そうした犬と接する飼い主、双方に幸せホルモンが増える。
まぁ、とかくさまざまな状況でアイコンタクトが持続できるように育てるのが、家庭犬(=コンパニオン・ドッグ)としては好ましいわけです。

どう教えるかは、飼い主を見上げているといいことが起きる、ということをさまざまな状況で体験させていく(そのためには社会化も不可欠ですが……)。
このアイコンタクトの頻度を高めていくという育て方。犬としては、飼い主と視線を合わせようとがんばる。
結果、飼い主について回るようにもなるわけで、実はこれ、押さえるところを押さえないと、とある問題が生じたりもします。

飼い主の姿が見えないと不安になる


飼い主と視線を合わせようとがんばるということは、結果として飼い主について回るということになる。
これだけを習慣化させていくと、飼い主の姿が見えなくなると不安になってしまう、そんな犬に育ってしまうリスクもあるということ。
そうならないための押さえどころが、2つあります。

1つはクレートトレーニング。
クレートトレーニングのゴールは、飼い主の指示で嫌がらずに中に入り、扉を閉め飼い主の姿が見えないようにかけ布をクレートにかけ、飼い主がその場からいなくなっても排泄をガマンできる時間、クレートの中で待機できることです。
クレートをゆっくり休める快適な自分の部屋と教えるわけですが、それはイコール1頭でも不安にならないでいられるようにするトレーニングでもあるのです。

クレートトレーニングができれば、お留守番はなんなくできるようになる

視界から消えた飼い主は必ず現れてほめてくれる


オスワリの姿勢でアイコンタクトを持続することがマテ、という話を冒頭にしましたが、レベル的にはその上のマテのトレーニングを行っていきます。
まずは、マテを指示し離れ犬の周りを一周するトレーニングを行います。
マテの指示が出されたらその指示が解除されるまで、姿勢、向き、位置を変えない。
そう簡単ではありません。

例えば飼い主が犬の右側に回っていくと、犬は飼い主の動きを視線で追う。しかし、飼い主が犬の後ろに回るどこかの段階で犬は動き始めてしまうのです。
マテをアイコンタクトの持続という形で教えていれば、そうなるのは当然ともいえるわけです。
トレーニングを行い、飼い主が周りを一周しても動かずに待てる犬は、右側からいなくなった飼い主は反対側から姿を現すことを理解している。
飼い主は姿が見えなくなっても必ず現れてほめてくれる、そうしたことを理解しているということになるのです。

犬から離れ犬の周りを一周。飼い主は視界から外れても必ず現れほめてくれることが伝えられる

仕上げは、その場からいなくなるトレーニング


マテで犬の周りを一周できるようになったら、マテのトレーニングのレベルを上げていきます。
部屋から出ていくことを目指すわけです。
いわずもがな、飼い主が離れ、戻ってくるまでの時間は伸びていくことになります。
この段階になると、オスワリではなく、フセのマテでのトレーニングにスイッチさせていきます。
長い時間同じ姿勢を維持するのは、オスワリよりもフセの方が、犬の体への負担が少ないからです。

飼い主がその場からいなくなっても、戻ってくるまでマテが維持できる。最初は一瞬、そして少しずつ待てる時間を長くしていく。
飼い主は例えその場からいなくなっても必ず戻ってきてほめてくれる、トレーニングを通じてそうした信頼関係を構築していく。これこそが、もう1つの押さえどころということです。

クレートトレーニングと飼い主がその場からいなくなっても待っていられるマテのトレーニング、この2つをしっかり行っていくこと。
この2点を押さえることで、アイコンタクトを頻繁に飼い主に向けるが、飼い主がいなくなっても不安にはならない、そうした犬に育てていける。
「なんかストーカーみたいなんですけど……いいのでしょうか?」
いい感じでトレーニングが進められている飼い主が、よくそう口にします。
でもクレートトレーニングと飼い主がその場からいなくなるマテのトレーニングができていければ、問題はまったくありません。

ひとりでも不安にならずにいられる、お留守番もできる、でもいっしょにいるときはストーカーのようについて回る、それこそが家庭犬(=コンパニオン・ドッグ)としては望ましい姿、まぁそういうことなのです。

部屋から出ていく前に、まずは同一空間で隠れるトレーニングを行う

文/西川文二
写真/Can! Do! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール


公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can! Do! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『子犬の育て方・しつけ』(新星出版社)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!トイプーぐらし』(西東社)など。パートナー・ドッグはダップくん(16才)、鉄三郎くん(12才)ともにオス/ミックス。

プロフィール

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