24時間365日無休の子ども食堂!
毎週月曜日は東京新聞との紙面連動企画ですが、ちょっとびっくりした見出しを見つけました。
それは「横須賀の子ども食堂が、4月から、24時間365日無休で、朝昼晩の食事を提供することにした」というもの。今日はこの記事に注目しました。
夜、やってないのを知ってるのに、子ども食堂の前に高校生が立ってた
物価高の今、子ども食堂は食材集めも大変という話が多い中、なぜ年中無休を始めたのでしょうか?NPO法人「よこすかなかながや」理事長の和田信一さんにお話を伺いました。
NPO法人「よこすかなかながや」理事長 和田信一さん
「そうですね~、めっちゃ大変なんです、これは。だけど、やっぱりその夜中の部分、実は24時間と言っても、夜中にいつも子どもがいてご飯を食べさせる時間ではなくて、SOS、助けてっていう子どもを受け入れる。
これ最初からそういう風に思ってたんですよね。例えば、何曜日にやっているとか、何時から何時までとか、実際に必要になった時に「あれ?今やってるのかな?」。でも、それだったら24時間365日やってればいつでも相談できるなってところで、で、去年の12月に、次の日の朝の買い物をして帰ってきたのが、夜11時くらいになっちゃったんです、ちょっと遅くなって。
そしたら、高校生がここに立ってたんですね。親と喧嘩してカギ閉められて締め出されちゃって帰れないんだって。警察に連絡しなかったの?って聞いたら、やっぱ家のことだから大事にしたくないからそれはできないですよって。その子は何年か前にウチで食事をとったことのある子で、夜やってないのも知ってたんですけど、行くとこ無かったから来てみたって。もう、これは。もしかしたら他にも今まで来た子がいたんじゃないかって思って、思い切って始めてみました。」
<「よこすかなかながや」の食堂 奥で作業する和田さん>
食事だけじゃなくて、こどものSOSを受けるために無休にしたんです。9年前に始めたときからずっと無休にしたかったのですが、ついに始められた、というわけです。
<こうしたチラシを子ども達に配って、広く知ってもらう努力も続けています!>
始めてから一カ月半ほど経ちますが、正直大変。一日3回の食事だけでも、食堂と自宅に食材を届ける形と合わせて100人分ほど。さらに、24時間スタッフを置くには人件費も、そして光熱費もかかります。そこで、民間財団の助成の公募に、人件費・運営費合わせて1200万円を申し込みましたが、結果は不採択・・・。
ならば、と、3月からクラウドファンディングで協力を募ったところ、なんと1000万円集まりました。和田さんは、これでなんとか今年度はやっていけそう、ただ、正直綱渡り状態です、と話していました。
こども食堂の数は公立中学校の数を超えている!
この記事を書いた東京新聞の神谷慶記者は、取材を通して、物価高を背景にした子ども食堂の運営の厳しさを、改めて実感した、と話します。
東京新聞横浜支局 神谷慶記者
「東京の認定NPO法人むすびえさんの調査によれば、全国の子ども食堂の数は、昨年時点で少なくとも1万2602か所あるそうです。全国の公立中学校の数をすでに超えていて、加速度的に増えているように私には見えます。
ただ、費用を払えない家庭の子こそ守りたいという考えから、開催すればするほど運営が厳しくなるという構造で、先の調査でも、この一年で物価上昇による影響を感じていると答えた子ども食堂は84.7%を占め、そんな中でも63.6%の食堂が一年前に比べて、開催頻度や料金、食事内容などを変更していないと答えました。草の根の市民の努力によって活動は支えられています。
子ども食堂はあくまで行政などに届ける必要のない民間の活動です。活動の目的も、子どもの居場所づくり、困窮支援、食育、学習支援、コミュニティ作りなど様々ですので、助成金の採択決定にあたって活動実績や内容の精査は必要ではあると思いますが、この状況ですので、より広範かつ柔軟な運営支援が求められていると私は感じています。」
子ども食堂の数が、公立の中学校よりも多いとは、知りませんでした。小学校も含めた義務教育学校の数で言うと、その7割近い数、というので驚きました。
しかし、当然どこも運営は厳しく、開催頻度が高くて年間運営費が大きい子ども食堂ほど、運営資金不足に陥っているのが現実。そして、それは、草の根の市民の努力で続けられているんです。
たしかに、子ども食堂は目的が多岐にわたり、助成金が正しく運用されないケースも考えられるので、審査をしっかりしなければいけない現実も一方ではありますが、さすがにこの数を聞くと、できるだけ柔軟な運営支援を、と思いますよね。
実際、私が会った日の和田さんは、スタッフの一人が体調不良で、昨日からずっと働きっぱなし、と。笑いながら話していましたが、和田さんが倒れてしまったら、結局困るのは子どもたちです。
未来の公的な支援のための実績、と思ってがんばってます!
国や自治体の助けがもっと欲しいですよねと聞くと、和田さんの返事はこうでした。
NPO法人「よこすかなかながや」理事長 和田信一さん
「私がちょうど二十歳くらいの時に、老人ホームってこれから仕事として色々やっていけるよって、その頃言ってたのを思い出して。今、老人ホームってどこでもあるし、仕事として出来てるじゃないですか。行政もしっかりサポートできるようになっている。
だから、その頃が、今の子ども食堂なのかな?なので、やっぱり今、お金にならないから辞めちゃうのではなくて、今やってる人がずっと続けていくから認められて、お金になっていくと思うので、将来ね、何十年か後に、この子どもの支援が仕事としてちゃんと出来るようになれば、もっと子ども達も色んな方向性で生きていける子ども達が出来てくると思うので、まだまだ焦らない、まあ焦っちゃいけないのかなって思ってますね。
いや、ホントに今出してくれれば、それに越したことはないですけど、行政、横須賀市のお金ではなくて税金なので、それなりのちゃんと裏付けがあって、必要性があってっていうことをしなきゃいけないので、それはそれは時間もかかるのかな。
でも、それが出るまで待つわけにはいかないんです、ウチの前にはもう100人の子ども達が大変な思いをして待っているので。なので、ウチがそういう実績を作って将来、こういう子ども食堂とかにもね、(お金が)出てくれればいいのかなと思ってやってます。」
自治体はずいぶん興味をもってくれるようになっている、とも話していましたが、やはり、これは民間だけに、個人の熱意や善意だけに、頼るというのは違う気がしました。
神谷記者も、今後も子ども食堂に対する助成や支援をしっかりと見ていきたいと話していましたが、少子化の中、子どもを守ることは大事な課題。ぜひなるべく早く、国や自治体に動いてもらいたいですね。
(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)