思いやりの心で地域貢献 臼杵高校ユネスコ部 【大分県】
「命・暮らし・環境を守る」を活動テーマに「持続可能な社会の構築に向けて主体的に判断し、行動できる人材の育成」を目標に活動する臼杵高校は、ユネスコの精神を学校現場で普及するための国際的組織ASPnet(Associated Schools Network)に加盟するユネスコスクールだ。ユネスコ活動を実践するユネスコ部は、年間を通じて募金活動などさまざまなボランティア活動を行っている。
主な活動はボランティアだが、毎月、毎学期に学校周辺の清掃活動を行い、災害時の避難経路や周辺地域の居住状況を確認するなど地域に密着した活動も多い。また、24時間テレビなどの募金活動や救急時にAEDを用いた救急法の講習会など、JRC(大分県青少年赤十字)や大分県ユネスコ協会連盟と連携し、その活動は多岐にわたる。毎年20人前後の部員たちが在籍しているが、活動を通じて多くのことを学んでいるという。工藤珠華(3年)は「人のために何かをするという経験を重ねて、自分の将来に役立てたいと思った。校内外問わず多くの人たちと交流することで、人との関わりの大切さを学べる」と語る。
最近は、ユネスコ創造都市ネットワーク(食文化分野)に認定された臼杵市の食文化を広く伝える活動にも積極的だ。昨年は食のイベントや映画祭に参加するほか、国内では臼杵市とともに認定されている山形県鶴岡市と交流を図り、互いの食文化について学んだ。
顧問の戸次恵美教諭は、「さまざまな活動を通して、学校内では会えない人たちやできないことを経験できる。生徒たちにとっても貴重な経験になるので、将来へつなげてほしい」と話す。人とのコミュニケーションや思いやりの心を育んでほしいという。ユネスコ部は今年もまた多くのボランティア活動に参加し、誰かのために差し伸べる温かな気持ちの大切さを伝えていく。
(塩月なつみ)