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各地で復活する懐かしの「JNR」 一体なんのマーク?今も見られる車両とは

鉄道ホビダス

text:鉄道ホビダス編集部

▲「やくも」で最後の活躍を続ける381系のうち、国鉄色にリバイバルされた編成で復活した「JNRマーク」。

‘23.3.17 山陽本線 岡山 P:寺尾武士
(鉄道投稿情報局より)

 国鉄が分割民営化され、JRとなってからすでに37年が経過し、昭和の記憶と共に徐々にその残り香は遠ざかっています。とはいえ、まだまだ現役で頑張る国鉄型車両はわずかながら存在しています。中でも国鉄時代のカラーリングに復刻(リバイバル)される例も近年では多く、見慣れたJRのマークではなく国鉄時代のマークまで復活している車両も実はあるのです。

【写真】JR化後に復活した「JNRマーク」を付けた車両たち!写真はこちら

■そもそもJNRマークとは?

 そもそもとしてJNRマークというのは、国鉄時代に存在したエンブレムマークの通称です。国鉄を英語表記(Japanese National Railways)の頭文字「JNR」をデザイン化したマークで、国鉄初の電車特急「こだま」としてデビューした151系登場の際、「特急シンボルマーク」と共に一般公募の中から選ばれたものでした。以降は赤とクリーム色の通称「国鉄特急色」と特急エンブレムとともに国鉄の特急型車両の象徴となっていきます。

 また、このマークは特急型のみならず、千代田線直通用の103系1000番代や203系、207系900番代、東西線直通用の301系、103系1200番代といった、地下鉄と直通運転する国鉄の通勤電車にも付けられました。

 ですが特急シンボルマークや塗装などとは異なり、JNRマークは「国鉄のマーク」である以上、JR化後はJRマークに書き換えられることとなり、1987年4月以降はいずれのマークも一斉に姿を消していきました。

■過去にもあった復刻JNRマーク

 民営化により姿を消したJNRマークでしたが、デザイン的にも大変秀逸でレイル・ファンの間では絶えず人気のマークでした。国鉄型が徐々に姿を消し始めた2000年代に入ると、各地でリバイバルカラーとして国鉄色が復刻する事例が見られるようになります。そのごく一部ではJNRマークまで復活するという徹底したものも見られました。

●JR北海道 キハ183系

 JR北海道で活躍したディーゼル特急型のキハ183系は、2001年に主に臨時列車などの波動用編成とされていた4両が国鉄色に復元されました。この国鉄色には側面のJNRマークも描かれており、本来の金属切り抜きではないものの、雰囲気は十分に再現されていました。そして特筆すべきはキハ183-1とキハ182-1とトップナンバーを含んでいた点も忘れてはなりません。2010年に廃車となり、その後はミャンマーへ渡りました。

●JR九州 485系

 JR九州では2000年に485系がミレニアムを記念して国鉄色に戻されました。この復刻は「RED EXPEESS」色をはじめとしたJR九州オリジナルカラー変更時、撤去された前面上部の飾り帯がないままに色が戻されたため、見慣れた人からすると「眉がない」ような印象だったのが特徴です。
 とはいえ、JR九州のリバイバルが他とは違ったのがJNRマークの再現度。なんと国鉄時代同様の金属切り抜きによるものであったということ。立体感と輝きを持ったJNRマークの存在感は抜群で、その後引退目前に国鉄色に戻されたDo32編成はJNRマークだけではなく飾り帯も復元(大分方先頭車は200番代ながら貫通扉を埋め込まれていたため、ドアレール風の飾り帯となる)され、より一層かつての姿に近づきました。2015年にラストランを行ない、2016年までには全廃されました。

●JR東日本 189系

 JR東日本の豊田車両センターに所属した189系のうちM51編成は国鉄色で活躍していました。2018年の引退目前にはステッカーによるJNRマークの復元が行なわれ大きな話題に。残念ながら既存のJRマークはそのままとされましたが、逆に両方のマークがある姿がJR民営化直後の過渡期の姿を思わせました。

■今でもJNRマークを見られる現役車両

 出ては消えを繰り返していたJNRマークですが、近年はまたこのマークが立て続けに復活し、今もなおその姿を見ることができます。そして民営化から時間が経ってもなおこうして断続的に復活するところに、このJNRマーク自体の人気の高さが窺い知れます。ここではそんな今もJNRマークを付けて活躍する車両たちをご紹介しましょう。

●JR九州 103系1500番代

 昨年8月に筑肥線電化40周年と福吉駅~浜崎駅間の開業100周年を記念して、103系1500番代1編成が国鉄色に復元されました。こちらもなんと前面にJNRマークが入った状態で復活。現在は3両編成で、国鉄時代ではありえない組み合わせではあるものの、現代に国鉄色とJNRマークがなんと通勤型で復活したということ、そして数少なくなった103系ということもあり、注目が集まっています。

●JR東日本 185系C1編成

 2022年の新幹線イヤーと鉄道開業150周年にあわせて、185系6両1編成を緑の横帯の「新幹線リレー号」として活躍していた当時の色に復刻しました。この車両の側面にも登場当時のようにJNRマークが刻まれています。
 なおこの185系はリレー号色ということで200番代らしいタイフォンカバーが付けられていますが、このC1編成は実は0番代。200番代風の装飾をしているというわけなのです。

●JR西日本 381系

 現在最後の定期運用のある国鉄特急型電車として注目が集まる381系。そのうち6両1編成が2022年3月に国鉄色へ復元されましたが、色を戻された約1年後となる2023年3月にはJNRマークも貼り付けて一般営業運転入りしました。細かいところは違うものの、国鉄時代の姿により近づいた形になります。
 由緒正しき国鉄特急色にJNRマークの組み合わせはやはり人気があり、連日沿線は賑わっていますが、新型車両の273系はすでに営業運転を開始しており、6月14日を最後にリバイバルカラー編成は全て営業運転を終了する予定です。

 令和もすでに今年で6年となり、車両たちも世代交代が激しく隔世の感がありますが、こうして国鉄型車両がJNRマークを付けて営業路線上を走るのは、これがもしかしたら最後のチャンスなのかもしれません。見られるうちにその姿を目に焼き付けておきたいですね。

(2024年5月7日 加筆修正の上掲載)

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