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エビフライとカニクリームコロッケもついた「ポークチャップランチ」1100円!熟練シェフのこだわり洋食…石狩で愛される名店

SASARU

 石狩市花川にある創業40年の「レストラン ぱんどら」。三角屋根に黄色い壁がひときわ目立ちます。 開店直後から次々とお客さんが訪れあっという間に満席に。ボリューム満点でリーズナブル。「子どものころからずっと通っている」という人も多い老舗の味を紹介します。

熟練シェフが腕をふるう隠れた名店

 午前9時、お店で迎えてくれたのは、店主の山下昌利さん(78)。

 ランチの仕込みが終わり、コーヒーを飲みながら一息。「この時間が至福の時」と山下さん。

 「人生の半分はこの店にいたんだなぁと思うとやめられない。お客さんも来てくれるし、この年で働けるのは幸せ」と話します。

道産豚肉のポークチャップ+エビフライ+カニクリームコロッケのランチが一番人気

 そんな熟練シェフがこだわる洋食ランチが多くの人に愛されています。

 数あるランチメニューの中でも一番人気が「ポークチャップランチ」。

 道産豚肉のポークチャップに、大きなエビフライ、カニクリームコロッケに、ご飯とスープがセットで、なんと1100円です。

 ポークチャップは、フライパンで焼いてからオーブンで仕上げるこだわり。直接火を当てるよりオーブンの方が蒸し焼きのようになり、やわらかく仕上がるんですって。

 フライも注文が入ってから、1つずつ衣づけ。忙しくても手間を惜しまない調理がおいしさの秘密です。

 11時のオープンとともに次々とお客さんが訪れ、40席近い席はあっという間に満席に。

 「何十年かぶり。子どもの頃は来ていました。おいしいです、変わらず」という女性。「ハンバーグとエビフライと唐揚げのセット。値段もリーズナブル」と皆さん満足そう。

 価格はここ数年上げていないんだそう。「もう少し上げようかなという気持ちはあるけど、お客さんも大変なんだろうなと思います」と山下さん。

 手際よく調理を進める昌利さんを支えるのは、26歳の時、アルバイトで「ぱんどら」に入ってそのまま結婚したという妻の早奈江さんと、息子の貴弘さん、そしてアルバイトの女性たち。

 長男の貴弘さんは、3年前からIT企業で働く傍ら、仕事が休みの土日だけ厨房を手伝っています。

長男のオススメは「ステーキランチ(1650円)」

 お父さんの料理をずっと食べてきた貴弘さんのオススメは「ステーキランチ」(1650円)。

 「一番おいしい」という「ぱんどら」オリジナルのステーキは、下味をつけ小麦粉をまぶすことで、肉のうまみを閉じ込めています。

 ハンバーグトリオランチ(1280円)も人気。

 ハンバーグにエビフライ、唐揚げがのったうれしい一皿です。

 ハンバーグやポークチャップのソースや生姜焼きのタレ、ドレッシングなども手作りなんです。

小さい頃から通い続ける常連さんも

 札幌出身の演歌歌手、戸子台ふみやさんも、子どもの頃からパンドラに通うという常連の一人。

 「東京にいる間、ずっとポークチャップを食べたくてたまらなくて、帰ってきたその日とか、次の日には必ずおじゃまさせていただきます」と戸子台さん。
「マスターの体力の可能性が続く限り、永遠に残っていてほしい。本当にみんなに食べてほしい」と話します。

 今では、石狩を代表する洋食店ですが、その歴史は決して順調ではありませんでした。

 高校卒業後、営業マンとして働いていた昌利さんでしたが、24歳で料理の世界へ。地元のホテルで修業を始めました。「かなり苦労したことは覚えている。後戻りはできないという気持ちがあったから人一倍がんばった」という昌利さん。

 ホテル以外にも「うなぎ屋」「ラーメン店」「焼肉店」でも腕を磨き、38歳で地元石狩に「ぱんどら」をオープン。ギリシャ神話をよく読んでいたという昌利さんは「箱の中においしいものがたくさんあるイメージで『ぱんどら』とつけた」と話します。

 順調だった「ぱんどら」ですが閉店の危機も。知人の連帯保証人となったことから多額の借金を背負います。

 15年間は年中無休で働き、妻の早奈江さんも店が終わってから夜中に働きに出ていたんですって。

 そんな中、パンドラを救ったメニューがキムチでした。

店の危機を救った「キムチ」が看板メニューに

 業者の方がゴルフ場や焼肉屋にキムチを売ってくれたんだそう。

 焼肉店に勤めていた頃に学んだキムチを進化させ、今やお店の看板メニューになりました。

 「白菜キムチ」「カクテキ」ともに550円で、テイクアウトもOKです。

 「あの頃を考えると(物価高も)大したことはない。どんなことがあっても、乗り越えていける。自分が元気だったら」と昌利さん。

 「80歳をめどにと何年か前から考えていて、やめるのも寂しいなという気持ち。商売をしているから元気なのかなという気持ちもあるし、複雑な気持ちがある」という昌利さん。

 お店の今後について、家族で話したことは一度もなかったそうですが…。

 「まるっきり、この形でこの場所で(お店を)やらなくても、味だけ残っていれば、またそれを思い出して食べに来てくれる人がいると思う。それだったら、自分にもできるかなと思っている」と長男の貴弘さん。

 思いがけず息子・貴弘さんの気持ちを聞いた父・昌利さん。

 「ソースのレシピを残していければ、それをベースに若い世代の考えでやっていけるのではという気持ちもある。 なおさら厳しくなるぞ」と話します。

 夫婦二人三脚で40年にわたり営業してきた「ぱんどら」。熟練シェフのこだわりの味、これからも残り続けてほしいですね。

レストラン ぱんどら
住所:石狩市花川南4条2丁目
営業:午前11時~午後2時(L.O)
   午後5時~午後7時30分(L.O)
定休日:月曜・木曜 ※火曜・水曜は昼のみ営業

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