ダンジと偽アサの正体「ザシキワラシ」が明かす東村の過去と、ユルを騙すこととなったいきさつとは──『黄泉のツガイ』第21話「ザシキワラシと東村」を振り返ろう!
月刊「少年ガンガン」で大好評連載中の幻怪ファンタジー『黄泉のツガイ』。『鋼の錬金術師』や『銀の匙』などで知られる荒川弘先生の最新作で、シリーズ累計750万部を突破。そんな本作のアニメの放送が2026年4月から2クール連続で放送中です。
“夜と昼を別つ双子”の兄・ユルと妹・アサを中心に、妖怪のような、幽霊のような、“ツガイ”と呼ばれる「ふたつでひとつの対なる存在」を使役するツガイ使いたちの戦いが描かれる、日本を舞台にしたバトルファンタジー漫画です。
本稿では、各話の内容や注目シーン、話題の場面をSNSに寄せられたファンの声とともに振り返っていきます。今回は第21話「ザシキワラシと東村」。
前話で、刀のツガイ使い・イワンとの激しい戦闘を終えたユルはアサ、ダンジとともに、東村で妹のフリを演じ続けて来た偽アサの元へと赴きました。偽アサやダンジたちは東村での顛末をどのように語ってくれるのでしょうか。
※本稿には第21話のネタバレ要素が含まれます。
アサVS偽アサの修羅場かと思いきや……!?
ツガイ「陰陽」ちゃんの能力で匿っていた偽アサの元へ、ユルとダンジとともに姿を現したアサ。それは、救出した際に偽アサに告げた「ウソ偽りなくユルにすべてを話す約束」を果たさせるためでした。ダンジにとっては、東村を飛び出してから久々となった相棒との再会……お互いの無事を確かめ合う様子がかわいらしかったですね。
そんな和やかな空気から一転、偽アサがつい「兄様」と呼んでしまうたびに、アサはキレてしまい──相変わらずなブラコンっぷりに「やっぱり修羅場展開!?」と思わずそわそわしつつも、ある意味微笑ましい場面でした。
偽アサは、ユルを騙すことになってしまったものの、ユルとの日々が楽しかった、と涙ながらに語り始めて……4人を取り巻く空気は一気に重苦しい雰囲気へ。
ユルはユルで、「おつとめ」と称して薄暗い牢にアサが閉じ込められていたことをなんの疑問にも思っていなかった、と反省の言葉を口にしていましたね。ユルに促され、偽アサはダンジの相棒でもある「キリ」という名前の、元のツガイの姿に戻ることとなりました。
ダンジとキリの本当の姿はツガイ「ザシキワラシ」。昔は本城だった東村の、枝城である小さな集落にまつられていて、長年 素朴な優しい主とともに生活をしていたそうです。
こうしてダンジとキリは、これまでの自分たちのことを「正直に」語り始めるのでした。
ザシキワラシたちが紡ぐ昔語りとは
400年ほど前、東村の殿様が出陣する戦にお供するという主から、一旦契約を解除し本尊の姿に戻って待っていてほしいと伝えられたザシキワラシたちは、ずっと主の帰りを待ち続けていました。「東が勝った」という噂を耳にするも主は帰って来ず、そのうち集落も廃れていき、ザシキワラシの存在は忘れ去られていったそうです。
そんなザシキワラシの古い言い伝えを元に、2人を探し当て東村へ連れて行ってくれたのが、番小者の「ロウエイ」だったと語るダンジ。「田寺ロウエイ」──デラさんとケンの父親が、こんなところでつながっていたとは驚きでした。また、「ロウエイ」の声を担当する声優さんが子安武人さんであることも判明し、今後も重要人物になってくる予感を彷彿とさせられた瞬間でしたね。
ザシキワラシたちはそこで今の主・キョウカと出会い、契約を結ぶことに……当時のキョウカは、夫と2人の子どもを亡くしたばかりで心を病んでいたらしく、悲しみにくれながらも2人との出会いを喜んでくれたようです。野良ツガイになりかけていたザシキワラシたちにとっても救いの出会いとなったようで、視聴者としてもとてもほっこりしたシーンでしたね。
そんなキョウカが本丸で働き始めた頃にナギサが東村に迷い込み、ミネと出会い「夜と昼を別つ双子」ユルとアサが生まれた、と話すダンジ。ヤマハおばあに命じられたキョウカは、仕方なくキリに偽アサを演じさせつつ、おばあに内緒でダンジにユルを守るよう伝えたそうです。
ユルたちが生まれてからは大人たちの目つきも変わったり、なにやらひそひそと噂話をする様子を肌で感じながらも、ユルを守ろうと動き、明るくふるまうダンジの姿が健気でした。
これまでとこれからを語る、ユルとアサの絆
一連の話を聞いたユルは、ダンジたちを外に出して2人きりで話したいとアサに伝えます。下界で再会してから、どんなにつらいことでも真実をきちんと伝えてくれたアサに、ユルも本音を話したいようです。
偽りではあったものの、両親に置いて行かれたユルの心の支えはダンジたちであったこと、これ以上は責められないことを話すユルに対し、アサは大好きな兄と一緒にいられた時間が彼らよりも少ないことに対する切ない気持ちをこぼします。
これからやりたいことをユルから尋ねられたアサは、下界の女の子たちと同じような「普通の暮らし」をしたい、もちろん両親もユルも一緒に、と答えます。その言葉を聞いたユルは、これまで一緒にいられなかった10年も、その先も、両親と4人で穏やかに笑って生きていく意思を表明するのです。
そしてさらに、ユルは両親についての新たな情報をアサへ共有しました。東村から出る抜け道を両親に教えたのがロウエイであることや、そのロウエイが行方不明なこと、そして両親を斬ったと語った刀のツガイ使いの話まで、「正直に」伝えます。
両親が斬られたという話に思わず取り乱してしまうアサ。しかしユルは、父の教えである「ゆっくり息を吐く」こと、そして 元はアサが言っていた「父様も母様も元気に生きている」という言葉で落ち着かせていましたね。ともに過ごした時間が短くとも、家族の絆を感じさせる場面でした。
しっかりとつないだ手から、ユルとアサ兄妹の絆の強さと結束力を高め合っていることが感じられる、第21話のラストシーンとなりました。