目印らしい目印のない目黒駅で見つけた、おすすめ待ち合わせ場所7スポット
「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。JR・私鉄・地下鉄が乗り入れる目黒駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
目印らしい目印がない駅
今回の待ち合わせ場所連載が「目黒駅」と聞いたとき、正直なところ、私は頭を抱えた。『目黒区美術館』や『東京都庭園美術館』に行くときなど、目黒駅を利用する機会は多いのだが、待ち合わせ場所となるようなモニュメントや目印があったかというと、全く思い出せない。これまで友人とは「じゃ、JRの中央改札でね」という待ち合わせ方しかしたことがない。そんな目黒駅で、皆はどうやって待ち合わせをしているのか。今回は実際に待ち合わせをしている人に注目して、わかりやすい待ち合わせ場所を探してみようと思う。
みどりの窓口/アトレ目黒1前 ほか【JR中央改札】
そもそも、目黒駅は「目黒」と言いながら、実際は品川区にあるというのは有名な話だ。目黒駅西口を出て、権之助坂を下る途中くらいに品川区と目黒区の境界線がある(ちなみに目黒駅を最寄りとする上述の『東京都庭園美術館』は港区にあり、目黒駅周辺は区界が入り組んだ場所ともいえる)。私を含め、多くの人が待ち合わせ場所に利用していると思われるJR中央改札口横には、目黒区と品川区の境目であることがよくわかる区報のラックが設置されており、待ち合わせの目印としてもよい。
中央改札付近にはみどりの窓口や、
ショーウインドウ、
駅ビル「アトレ目黒1」の入り口などもあり、それぞれ待ち合わせ場所として利用されているようだ。
宝くじ売り場/電話ボックス/駅前交番/屋上庭園(アトレ1)【東口】
中央改札を出て右に進むと、東口に出る。東口近辺では、宝くじ売り場や、
3連の電話ボックス、
目黒駅前交番などが待ち合わせの際の目印として便利だ。
なお、「アトレ1」には屋上庭園があり、天候が良い季節には待ち合わせ場所として利用するのもよいかもしれない。
一方、中央改札を出て左側が西口となる。西口には東急目黒線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線乗り換えのための入り口があり、コンパクトでかわいらしい看板の下で待ち合わせをしている人もいた。
アトレ目黒2/目黒セントラルスクエア【JR正面口】
目黒通りを挟んだ反対側には、「アトレ目黒2」に直結したJR正面口がある。この正面口付近で待ち合わせをするならば、アトレ目黒2の入り口や、
隣接する目黒セントラルスクエアのエントランス「文化の広場」に設置された芸術的なベンチなどが利用しやすい。
目黒駅は先に挙げたように、JR山手線の他に東急目黒線、東京メトロ南北線、都営地下鉄三田線が乗り入れており、JR正面口からは各路線の連絡改札口へ向かうことができる。
この連絡改札口付近は比較的広いスペースが取られており、天候に左右されない待ち合わせ場所として便利である。このスペースの中では、東急線の券売機付近のお忘れ物承り所も目印になるが、
2026年8月31日までは東急電鉄の「のるるんのタイムスリップジャーニー」というスタンプラリーが実施されているため、専用のディスプレイなどもあって楽しめる。
一番心を掴まれた、「公衆電話の跡地」
しかしこの連絡改札付近で私の心を一番掴んだスポットは、「公衆電話の跡地」である。
以前『さんたつ』連載のコラム「さんぽの壺」でも取り上げたことがあるが、公衆電話は近年撤去される方向にあり、ここ目黒駅も例外ではない。この連絡改札の棚は、明らかに以前は公衆電話がズラリと並んでいたはずの場所で、がらんとした様子に一抹の寂しさを覚えてしまった。
冒頭で「目印らしい目印のない目黒駅」と書いたが、自分なりのキュンとくるスポットを見つけて待ち合わせをしてもいいのかも知れない。
イラスト・文・撮影=オギリマサホ
オギリマサホ
イラストレータ―
1976年東京生まれ。シュールな人物画を中心に雑誌や書籍で活動する。趣味は特に目的を定めない街歩き。著書に『半径3メートルの倫理』(産業編集センター)、『斜め下からカープ論』(文春文庫)。