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夢限大みゅーたいぷ 対談インタビュー連載「ゆめみたの WA !」第5回:仲町あられ× 佐々木李子(Ave Mujica)|「あられちゃんが思う、いい歌ってどんな歌?」 ボーカリストならではのエンパシーと、それぞれが胸に宿す熱

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2026年7月2日にTVアニメ『バンドリ! ゆめ∞みた』の放送が控えている、『バンドリ!』プロジェクトのバーチャル系新バンド・夢限大みゅーたいぷ(通称・ゆめみた)。TVアニメの放送に向けて、現在は47都道府県制覇の旅「スーパーポジション」で全国を駆け抜けながら、ライブや表現の場を重ね、着実に歩みを進めている彼女たち。

そんなゆめみたの“今”をさらに後押しするべく、アニメイトタイムズでは短期連載「ゆめみたのWA!」を掲載中。

本連載では、リアルバンドとして第一線で活躍している先輩キャストと、ゆめみたメンバーが1対1で向き合い、じっくりと言葉を交わす“対話”を実施。音楽活動や表現、ステージへの向き合い方といった、言葉(Words)と行動(Actions)が現在どのようにつながっているのかを、同じフィールドに立つ表現者同士の視点から掘り下げていきます。

本連載は、『バンドリ! ゆめ∞みた』の“∞”が示すように、対話の中で生まれ、広がっていく輪を切り取る企画です。

第5回は、仲町あられさん(Vo.)と、Ave Mujica・ドロリス/三角初華役 佐々木李子さん(Gt.&Vo.)のボーカリスト対談。実は以前から親交があったというふたり。柔らかな雰囲気をまといながら、ボーカリスト同士ならではの対話を重ねていきました。

前回はこちら

【写真】バンドリ!:ゆめみた 仲町あられ×Ave Mujica 佐々木李子インタビュー対談【ゆめみたの WA! 第5回】

同じボーカルだからこそ惹かれ合うもの

──ふたりのお召し物もいつもとはまた違った雰囲気ですごくかわいいです。撮影のときに、佐々木さんが仲町さんとの対談だから白い服を選んだ、というお話をされていましたよね。

佐々木李子さん(以下、佐々木):はい。普段、Ave Mujicaの撮影だと黒系のクールな服装が多いんですが、あられちゃんやゆめみたには、パッと明るい印象があって。パッションというか。それで今日は白にしました。

仲町あられさん(以下、仲町):ツイードでかわいいですよね!

佐々木:ボーカル対談ということで、星のピアスもしちゃったり……!

仲町:ぼくは今日はリボンなんです……!

佐々木:でもパールが一緒! 共通点が多いんですよね。髪型もそうですし、同じボーカル同士というのもあって、今日をすごく楽しみにしていました。

仲町:ぼくも本当に楽しみでした!

──今回の企画では、お互いに聞きたい質問を事前に用意していただいておりますが、仲町さんの質問が、おそらく今回の連載の出演者のなかで一番多かったんじゃないかなと。

仲町:えっ、そうだったんですか(笑)。かなり考えました。ただ、少し真面目に考えすぎたかもしれないなと思って……。

佐々木:いやいや、むしろすごく嬉しいです!

──仲町さんから見て、Ave Mujicaや佐々木さんの印象はいかがですか。

仲町:やはり「かっこいい」に尽きます。ずっと「かっこよさ」に憧れて生きてきたので、自分にないものを持っている人に惹かれるのかもしれません。Ave Mujicaも佐々木さんも、本当に大好きです。

佐々木:えーっ嬉しい! でも、ゆめみたちゃんもめっちゃかっこいいと思います。ライブを拝見していて、かわいい魅力もたくさんあるけれど、熱い思いを正直に全部見せてくれるところが本当にかっこいい。歌声にも「かっこいい!」と思う瞬間がたくさんあるから。

──ゆめみたのライブをご覧になる機会も?

佐々木:何度も現地に行きたいと言っているんですが、都合が合わずなかなか行けなくて。ただ映像では拝見しています。拡声器で歌っている姿も大好きで。声の塊がそのまま届いてくるような感覚があって、映像からもすごく元気をもらっていました。

仲町:ありがとうございます。ぼくはAve Mujicaさんのステージは何度も観させていただいていて。音を浴びさせてもらっています。

──カッコよさの話が出ましたが、佐々木さんはチャーミングな一面もお持ちですよね。

仲町:そうなんですよね! Ave Mujicaのドロリスとしてのお顔とのギャップがあって、そこにも惹かれますし、全体的に安心感があるというか。ボーカルとしての安心感もありますし、一緒に話しているときに感じる安らぎもあって……。

佐々木:嬉しい。あられちゃんと初めてしっかりお話しできたのが、2025年の2月頃で。池袋で行われた「BanG Dream! 10周年の軌跡展」(アニメイト池袋本店8F「Space Galleria」) に一緒に行ったんです。写真を撮ったり、ゆっくり話したりして、最初から「すごくリラックスできる方だな」と感じていました。そのままご飯も一緒に食べて、遅い時間まで一緒にいましたね。「もっと関わりたいな」という気持ちがずっとあって。

仲町:すっごく楽しかったです! ぼくも「もっと一緒にいたいな」って感じていて。

──ちなみに佐々木さんから「好きな火鍋の具材ランキングを教えてほしい」といった質問が届いていましたが、もしかしたら、その「BanG Dream! 10周年の軌跡展」のあとに火鍋に……?

佐々木:そうそう! そうなんです!

仲町:具材のランキングは迷うところですね〜。

佐々木:日によるところはありますけど、時期によって多少ハマるものは変わっても、必ず入れるものはあります。これは絶対、というものがあって。じゃあ先に私のTOP3位からいきますね。

3位は、ターサイというお野菜です。葉っぱの形が丸くてかわいくて、つい入れちゃうんですよね。緑が入ると見た目もおいしそうですし、歯ごたえがあって、結構好きです。

2位はお肉。豚でも牛でも鶏でも、その日の気分で。

1位はさつまいもです。

──さつまいもって、火鍋に入れるんですね!

佐々木:入れます。私は激辛が大好きなんですけど、辛すぎると食べるのがつらくなってくるじゃないですか。そういう時にさつまいもをかじると、ちょっとリセットされるんです。甘いお野菜なので、また無限に食べられる感じになって(笑)、必ず入れています。

仲町:じゃあぼくもTOP3を。

3位はしいたけです。スープをじわっと吸ったものが、口の中で広がる感じが好きで。旨みが凝縮されていておいしいですよね。

2位はほうれん草です。健康バイアスかもしれないですね(笑)。「鉄分をとらなきゃ」っていう気持ちがあって。

1位はラム肉です。

佐々木:あ、そういえば入れてたよね! 「鍋といったらもう絶対ラム肉でしょう!」みたいな感じで。

仲町:牛や豚もおいしいですけど、羊のお肉は普段あまり食べない分、ここで食べたくなります。

佐々木:わ〜! なんか火鍋に行きたくなってきた!

──おふたりが火鍋に行った日は、もともと火鍋に行くことが決まっていたんです?

佐々木:最初から予定していたわけじゃなくて、まだ一緒にいたいね、みたいな流れになって。そういえば近くにあるかも、という感じでした。

仲町:辛いものが好きなのは、お互いそれまでの話で知っていたので、せっかくなら行こうという流れでした。Ave Mujicaの皆さんは、基本的に辛いものがお好きですよね。

佐々木:そうそう! 麻辣湯(マーラータン)が大好きでよくみんなで行きます。ゆめみたちゃんはどう?

仲町:羨ましいです。うちのメンバーは、あまり得意じゃない子が多くて。

佐々木:そうなんだ! Ave Mujicaは最初は私だけが激辛大好きだったんですけど、少しずつメンバーにもハマらせていって。まだ辛いのが苦手な子もいるんですけど、今は無理のない範囲で、ちょっとした特訓のような感じで、少しずつ食べられるようになってきたみたいです。「みんなで行きたい」と言ってくれるようになって、それがすごくうれしくて。リハ終わりに行こう、みたいな話も出たりします。

──喉的には、辛いものは大丈夫なんです?

佐々木:むしろ開きます。

仲町:とてもわかります!

佐々木:そうだよね! ここに共感してもらえたの、初めてかもしれない……!

──仲町さんから佐々木さんへの質問に、喉のケア方法にまつわるものがありましたがどうでしょう?

佐々木:私も知りたい(笑)。私の場合は、とにかく些細な違和感にすぐ気づくことを大事にしています。乾燥や痛みを感じたら、すぐに病院に行く判断もしますし、その手前の「ちょっとチリっとするな」という段階で気づいて、早めに対処するようにしています。のど飴をなめたり、シロップを使ったり、場合によってはお薬を使うこともあります。

喉は消耗していくものなので、一回一回のダメージが蓄積されて、枯れやすい喉になってしまうのは避けたい。だからこそ、事前に気づくことを一番大事にしています。ライブ前には、持ち運べる小型のスチーム吸入器を使っています。あと、家ではずっと加湿器をつけています。タオルをお湯で濡らして絞って枕元に置いたり……。

仲町:大事ですね。それ、やります。すごくいいですね。

佐々木:逆になにかある? たとえば「これは絶対持っている」というものとか。

仲町:ぼくはアミノバイタルと、念慈菴(ねんじあん)、 プロポリスキャンディー 、響声破笛丸、龍角散ダイレクトをマストで持ち歩いています。龍角散は生薬の粉のほうを使うこともあって、ちょっと風邪っぽいかも?という時に使い分けています。風邪って喉から来ませんか?

佐々木:分かる! 喉の痛みからくる!

仲町:喉をよく使っているからなんでしょうね。弱いというか……。その時々の状況によって使い分けたいタイプです。

佐々木:私、アミノバイタルはあまり飲んだことがなくて。

仲町:すごく良いですよ! アスリート系の方々も飲んでいらっしゃる方が多いようで! 佐々木さんは体全体を使って歌われていると思うので、よりおすすめしたいです。この間も(Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」東京公演で)側転もされていましたよね。(※取材はライブ後の25年12月中旬頃に実施)

佐々木:そうそう! まさに側転を(笑)。

仲町:体作りに、個人的にオススメです。

──今、体作りの話が出たので、習慣についても聞かせてください。「長く続けるために意図的に"やらない"と決めている習慣があればお聞かせください」という質問が仲町さんからありました。

佐々木:昔はよくオールしていました。寝ずに練習したり、仕事しても平気だったんですけど、やっぱり睡眠は本当に大事だなと。それこそ、体も喉も、そこが崩れると力が入らなくなって、パワーが出なくなるんですよね。だからライブ後の打ち上げでも、一度冷静になって、たとえ次の日が休みでも「今日は帰って寝ます」と言えるようになりました。断る勇気を持つ、というか。

仲町:大事ですね。本当に大事。ぼくも最近それに気づいて、改善しました。睡眠って、思っている3〜4倍くらい大事なんだなって気づいて。ちょっと不調だなという時も、長めに寝るとすぐ回復するんですよね。

佐々木:ね! 体はもちろん、心も元気でいられる気がします。寝不足にならないように生活しています。やっぱり健康第一ですね。本当に、元気じゃないと届けたいものも届けられないなと思っていて。

以前「『バンドリ!』のライブで、ボーカルの方が体調不良でライブが中止になったことってあるんですか?」と聞いたことがあるんです。そうしたら、今まで一度もないとのことで、本当にすごいなと。もちろん健康が第一なので仕方ないときもあるとは思いますが、フロントマンとして、特にボーカルは連帯責任があると思っていて。バンドを始めてからは今まで以上に、より一層気をつけるようになりました。

仲町:より綿密にというか。自分に高いハードルを課す感じですよね。

佐々木:そう。ライブの前日は「お願い、このままで」と祈ってから寝ますもん。朝起きた時も、まずコンディションを確かめて。そこは本当に、責任をしっかり持って日々を過ごしたいなと思っています。

それと私は「やらないこと」ではなく、「やる」と決めていることのほうが多いかもしれないです。その一つを挙げるとしたら、人生を楽しむこと。仕事、仕事となりすぎると、歌にも説得力がなくなる気がしていて。人生経験って、やっぱり歌に出ると思うんです。だから、日々を楽しむことを忘れないようにしています。

忙しすぎて、息をすることすら忘れてしまいそうな時もありますけど、そういう時こそ、「自分は何のために今これをやっているんだろう」と立ち止まって考えるようにしています。昔から大好きだったことを続けてきたんだ、ということを思い出す時間を作ったり。

お休みの時間も大切にして、好きなことをして、そこで生まれた思いをライブで届けたり……。何かをただこなしていくだけにならないように、意識しています。

仲町:すごく共感します。何をするにしても、何を感じるにしても、それは全部歌につながっていると思っていますし、つなげたいとも思っていて。日々のささやかなこと、例えば「このご飯おいしいな」とか、「今日は風が気持ちいいな」とか、そういう感情をちゃんと楽しむことはすごく大事にしてきたつもりです。だからお話を聞きながら、共感できて本当にうれしいです。

ボーカリストが考える「良い歌」とは何か

──「あられちゃんが思う、いい歌ってどんな歌?」という質問が佐々木さんからありましたが、どうでしょう?

仲町:すごく素敵な質問だなと思いました。ずっと考えていたのですが……なんだろう〜!

基礎的な技術は、もちろん必要だと思うんですけど……やっぱり歌を通して何を伝えたいのか、その意思の強さが感じられると、ぼくはグッときます。結果的に、そういう歌にいつも惹かれている気がしますね。

もちろん、伝えたい気持ちがあることが前提で、その上で伝える技量も必要だと思うんですけど……そこに対する意思が見えると、より好きになります。

佐々木:うんうん、そうだよね! 私もそう思う!「いい歌」って、たぶん「好き」ってことなんですよね。私自身は言語化がうまくできないんだけども、立ち止まって聴いちゃったり、ハッとしたりする瞬間があって。

むしろ「いい歌」がなにかを探し続けること自体が、私たちボーカルの使命なのかもしれないなって、今思いました。具体的な正解を見つけてしまっても違う気がするけど、ずっと考え続けるものなんだろうなって。

仲町:ぼくもそう思います。

佐々木:今回なんで聞いたかと言うと、これは昔から私の悩みというか、課題というか……。それくらい、ずっと自分の中で探し続けているテーマみたいなものなんです。昔はロボットみたいに歌っていた時期もあって「まるで空っぽの人形みたいだな」と思っていました。何度練習しても響く歌が歌えない、伝えきれていないと感じていて。

改めて今後もいろいろな人に聞いていきたくなりました。聞かれた人は絶対困っちゃうと思うけど、自分でも考えながら、いろいろなボーカリストの方とこういう話をしていきたいです。

──おふたりに共通する質問として、「ライブや収録で意識していることは?」といったものがありましたが、どうでしょう?

佐々木:ライブとレコーディングでも少し違うと思うんですけど、収録では「妥協しない」ということですね。自分が今のテイクが一番いいと思ったら、必ずそう伝えますし、「まだやらせてください」と思ったときは必ず伝えます。

仲町:もうぼくも同じことを考えていました。「曲げられない」というか。

佐々木:やっぱりそうだよね! 

仲町:やっぱり、「絶対にここだけは譲れない」というパートやフレーズは必ずあります。自分の中にビジョンがあって、「もう少し重ねればいける」と思った時は、絶対に引き下がらないですね。「お時間いただいてすみません! もう一回お願いします」と、懇願します。

佐々木:うんうん。それと私は、気持ち作りにもすごく時間をかけるかも。少し待っていただいて精神統一する時間を取ることもありますし、「よし、行くぞ」となるまで、ちゃんと待つようにしています。自分の中でスイッチが入るまで、靴を脱いだり、真っ暗にしたりして、その世界を作り切るまで待ってもらうことも。

あと、私はレコーディングの時、必ず歌詞を手書きするんです。……でも、なんでなんだろう?(笑) 改めて考えると、どうしてなのかはっきり説明できないんですけど、実際に書くことで見えてくるイメージがあって、より世界観が自分の中に浸透する感じがするんですよね。すごくおすすめです。

仲町:やりたいです。今までなかった発想でした。

佐々木:書いているとより愛着が湧くというか、「歌いたい」という気持ちが強くなる気がします。気づいたら、自然とやっていました。

──さきほど、ライブと収録では違うというお話がありましたが、ライブの時はどうですか。

佐々木:ライブでは「いろいろな声を聞くこと」をすごく意識しています。自分の声はもちろん、目の前にいるファンの方の声もよく聴こうとしています。「今、これを求めているな」とか、言葉にしなくてもその場の雰囲気で伝わってくることがあるので、すごく意識していて。

さらに、スタッフさんの声も、できるだけ聞くようにしています。自己満足にはなりたくないので、求められているものを表現者としてきちんとやり切りたい。ただ自分がやりたいことだけをやるのではなくて、周りの意見を聞いた上で、自分で咀嚼して「ここはいいですね」「ここは違うと思います」と判断する。そのためにも、自分の声と、周りの人の声の両方をよく聞くことを大事にしています。

仲町:自分もすごく近いんです。ライブについて改めて考えると、音楽って今はいろいろな媒体があって、正直、ライブがなくても成立する時代じゃないですか。それでも自分がライブを好きだなと思う理由、「なんでこんなにここに執着しているんだろう」と考えた時に、その瞬間や空間、湧き上がるものがあるって知っているからなんだと思ったんです。

ステージの上で、皆さんの声や想い、自分でも気づいていなかった感情が引き出される。その瞬間を絶対に逃したくないから、自分自身と向き合いながら、今この場にしかないものを大事にしようと、すごく意識しています。

佐々木:わかる。バンドを始めてから、特にそう思うようになりました。メンバーの声もそうですし、言葉だけじゃなくて、楽器の音そのものから伝わってくるものもあって。

仲町:人それぞれ抱えているものは違いますし、同じメンバーでも、日によって違う。メンバーの気持ちを受け取って、自分の気持ちと混ざり合って、また新しい感情が生まれていく。それが会場の皆さんとも“夢限”に繰り返されていく感じがして、それがすごく楽しいんです。

佐々木:本当にそうですよね。音楽って、なくても生きてはいける。でも昔からずっと存在しているってことは、それだけ楽しい瞬間が必要とされてきたんだと思うんです。その時間を一緒に楽しんでくれる人がいるって、本当に幸せなことだなって思います。

仲町:幸せですね、本当に。

フロントに立つ者同士ならではの感覚

──ここで仲町さんからの「ライブ前/収録前のウォーミングアップやルーティーン、本当は教えたくない裏ワザなどあればお聞かせください」という質問に移れたらと思います。

佐々木:ルーティーンはあります。これは最近自覚したんですけど、私は本番前に必ず歯磨きをします。だいたい30分前ですね。たとえ直前に食事をしていなくても、一度リセットする感覚でやっています。マイクに向かう前の、気持ちの切り替えみたいなものかもしれません。なんていうんだろう……マイクに対しての敬意というか、「ここから始めるぞ」という合図というか。やらないとすごくモヤモヤするので、少し遅れてでも必ずやります。

仲町:それは大事なルーティーンですね。ぼくのルーティーンは、ライブでも収録でも変わらず、熱いシャワーを浴びることです。かなり高めの温度で、冬だと47〜48度くらい。

佐々木:ええっ! 結構熱い! 引き締まる感覚ある?

仲町:逆にゆるませたいんですよね。頭もすごくスッキリします。朝は必ずシャワーを浴びますし、夜はできるだけ湯船に浸かるようにしています。もともと湯船に浸からないタイプだったんですけど、体調管理やボーカル的にも大事だと聞いてからは、前日は必ず浸かるようになりましたし、当日の朝もシャワーを浴びてから出ます。自分の場合は、かなり効果を感じていますね。

佐々木:やってみる! 私は……高音がすごく出しやすくなる口の形があるんですが、「教えたくない裏ワザ」すぎて、その方法はあられちゃんにだけ言いたいくらいで。というのも、誰にでも当てはまる話ではないかもしれず、あくまで私の場合は、という前提の話なんです。

ボイストレーニングに行った時に教えてもらって、その口の形にした瞬間、スッと音が出る感じがあって。喉で無理やり出さなくても、高音が出るようになりました。あとでこっそり教えるね!

仲町:やった!! ありがとうございます!

── 仲町さんから「自分が"ちゃんとプロになったな"と思えた瞬間があればいつだったかお聞かせください」といった質問がありましたが、おふたりともどうでしょう?

仲町:正直に言うと、劇的に「プロになった」と感じた瞬間には、まだぼくは出会っていません。プロとしてこうありたい、こうしなければ、という意識はありますけど、「プロになった」と迎えに来てくれるような感覚は、まだないですね。

佐々木:私も全然まだまだです。そこで「プロになったな」って思えたら、終わってしまう気もしていて。さっきの「いい歌って何だろう」という話と同じで、そこで区切りをつけたくない。ただ、プロ意識だけは昔から変わらなくて。バンドをやっている以上、ファンの方に「応援してよかった」と思ってもらえる存在でいたい。

その意識は常にありますが……なんだろうな。例えばライブ中にトラブルが起きた時に、意外と冷静に乗り越えられているな、と思う瞬間があって。これまで積み重ねてきたものが、自然と出ているのかもしれないな、と思うことはありますね。

実はこの前のステージ(Ave Mujica 6th LIVE「Ulterius Procedere」東京公演)が、自分の中では一番トラブルが多くて、初めて弦も切れたし、転んだりもしました。しかも、ちょうど歌詞が〈崩れてく〉(「天球(そら)のMúsica」)で。無意識に、その“崩れる”感じを自分でやったのかな?と思ったくらい。

でも、トラブルが起きたその瞬間を「これがライブだな」って、逆に楽しめたんです。弦が切れた時も「動き回れるからどこか行こう」みたいに自然に切り替えられて、ライブそのものを楽しめた時に、ライブを積み重ねてきてよかったなって思いました。昔だったら、たぶんもっとパニックになっていたと思うので、そこは以前とは違うなと感じます。

── そんな「自分の声にタイトルをつけるとしたらどんなタイトルをつけますか?」と、いう質問が仲町さんから届いていました。まず仲町さんご自身はどうです?

仲町:自分のことは考えていなかった!(笑) なんだろう〜。自分の声……。自分の声ってすごく変だと思っているんですよね。「混沌」ですかね。

佐々木:あ、すごくいい! そして全然変じゃなくて、素敵だから!

仲町:ありがとうございます(笑)。面白さはあるのかなと思います。

── 何にでもなれる、どんな歌にもなれる声ですよね。

佐々木:いろんな要素がある声ですよね。私の場合は、うーーーんなんだろう。私は、自分の声にタイトルをつけるとしたら「貪欲」かな。まだまだ行きたい、っていう気持ちが強くて、限界を作りたくない性格なんです。

いろいろなものを表現をするのが本当に好きで、バラードもたくさん歌ってきましたし、Ave Mujicaの楽曲も、ジャズっぽいものからメタルまで、本当に振り幅がある。その全部を表現したいという欲が、たぶん人一倍強いんだと思います。妥協しないところも、昔から変わらないので、これからも挑戦し続けたいです。

仲町:つい「なるほど!」って声が出てしまいました。お話を聞いていると、ぼく自身も貪欲になってきそうです。

夢限大のワールドに飛び込み続けたい

── 今年はTVアニメ『バンドリ! ゆめ∞みた』の放送も控えていますが、アニメでご自身の所属するバンドがクローズアップされると聞いたとき、おふたりはどんなお気持ちでしたか?

仲町:まず、自分の人生の中で初めてのアニメ出演でもあったので、純粋にすごく嬉しかったです。感謝の気持ちとともに、不安や驚き、いろんな感情が一気に押し寄せてきました。死力を尽くして、その期待に応えなきゃいけないなと思いました。期待の大きさに押しつぶされないようにしつつも、真剣に取り組もうと改めて気が引き締まりましたね。

佐々木:キャラクターの人生を背負うことになるので、改めて覚悟をしました。特に『バンドリ!』は長い歴史が積み重なっているので、その重みも。でも同時に、Ave Mujicaをもっと知ってもらいたい、届けたいという気持ちが強くて。

お芝居もライブも、人生をかけてやっていこうと、メンバー全員で改めて決意しました。私の場合は楽しみな気持ちも大きかったです。『BanG Dream! Ave Mujica』はこれまでにない物語なので、どんな反応が返ってくるのか、どんな感情を受け取ってもらえるのか、ワクワクしていました。

──『バンドリ! ゆめ∞みた』に、佐々木さんはどんな期待を抱いていますか?

佐々木:とにかく楽しみです! でもまだ未知! あられちゃんたちがどう動いて、どんな物語になるのか、想像するだけでワクワクします。

仲町:どうなっちゃうんでしょうね(笑)。

佐々木:シリーズごとに違う夢があって、ゆめみたちゃんはどんな夢を見せてくれるんだろうって。絶対おもしろいなあって思っています!

── ではせっかくの対談なので、最後にお互いへメッセージをいただければと思うのですがどうでしょう?

仲町:ぼくからは「これからも輝き続けてください!」です。

佐々木:嬉しい、ありがとう。私からは「遊ぼう!」(笑)。またプライベートでも会いたい! あと、ゆめみたちゃんはいろいろなことに挑戦しているのがすごいなって思っていて。イラスト、キービジュアルを描いたり、セットリストを自分たちで考えたり。Ave Mujicaのカバーしてくれている曲もあって、それがまた素敵なんです。

いつか同じステージに立ってみたい! その夢限大のワールドに、これからもどんどん飛び込んでいきたいという気持ちです!

[取材・文/逆井マリ 撮影・編集/鳥谷部宏平]

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