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「野村義男のおなか(ま)いっぱい おかわりコラム」おかわり28杯目は、約28年振りのアルバムリリース T-BOLANから森友・五味が登場

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野村義男 / T-BOLAN

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり28杯目は、実に約28年振りとなる通算6枚目のオリジナルアルバム『愛の爆弾=CHERISH_〜アインシュタインからの伝言〜』をリリースしたばかりのT-BOLANからボーカル森友嵐士、ギター五味孝氏が登場。

野村:今回のゲストはT-BOLANボーカルの森友さんとギターの五味さんというお二人来ていただきました。宜しくお願いします!

森友・五味:よろしくお願いします!

野村:初めましてになりますよね?

森友:こうやって面と向かって話をするのは初めましてなんですが、テレビ番組の廊下とかですれ違ったりはあって。

野村:はいはい。

森友:で、実は90年代にテレビ局のトイレであることがあって、覚えてないですか?

野村:知らないですね。事故がありましたか?(笑)

森友:あ〜、覚えてないんだ。今日謝らなきゃいけないと思って、ここに来てまして。

野村:え、なんですかそれ!?

森友:たしかその時テレビ番組の本番があって、局でトイレに行ったんです。それで、今となってはどういう場面でそういう風に感じたのかわからないけども、リハーサルのトークか何かでギタリスト的な会話が聞こえて、そんなミュージシャン気取りでギターの話をしてないで、アイドルに徹するべきなんじゃないの?みたいなすごく失礼な話をメンバーと連れションしながら話してたわけです。

野村:おお、おお。

森友:そしたら個室から野村さん出てきたわけ。絶対聞こえてるなって思ったんですけど、その時は何も対応出来なかったから、もし逆の立場だったら絶対嫌な気持ちになるとずっと心に残ってて。どこかで会えるタイミングがあったら謝ろりたいと思ってました。

五味:あはははは!そんなことがあったんだ?

森友:だからこの対談の話をもらった時に謝れるチャンスが来た!と思って。その節は失礼しました。

野村:いやいやいや、全然覚えてないから全く気にしてないですよ。ご丁寧にありがとうございます。

森友:実際そこから時間が経って、音楽活動を通してすごいギタリストじゃん!て思った時に、随分失礼なこと言っちゃったんだなっていうのをその時も思ってしまって。

野村:良かった、その背負ってた十字架を今日おろすことが出来たんですね。

森友:やっぱ謝りたいことは全部謝らなきゃって!

野村義男 / T-BOLAN

野村:そんなわけで、森友さんとの出会いはトイレだったんですね(笑)。なんか五味さんもどっかで僕と会ってたって噂を聞いたんですが。

五味:何回も見かけてはいて、一番最初に見たのは高校1年生の時だったかな。確かよっちゃんは1歳上だと思うんですけど。

野村:僕昭和39年生まれです!

五味:ですよね。で、その時に小雨が降る中新宿の某楽器屋の中古市に友達と並んでたんです。そしたらその楽器屋の店長さんに傘をさされて列を抜いていくの。それがファーストコンタクトで(笑)。

野村:うふふふ、良いイメージですね〜!

五味:そのあとがエビスギャングっていう楽器屋さんに行ったら、店員さんから「奥に野村さんいますよ」って言われて。挨拶しようかなって思ったんだけど、その時テープエコーが欲しくて、WATKINSのCOPICATを試奏してたんですよ。

野村:ああ、素晴らしいです!

五味:そしたら、半額にしてくれるって言われて舞い上がっちゃって、結果挨拶するの忘れてしまいました(笑)。

野村:そりゃそうですよ、半額だったらそうなりますよ。

五味:そう、でもスミマセン。で、それを何故かボーカルの森友も買ってるっていうね。

野村:え、そのテープエコーを?

森友:なんか新しい機材が増えると、目につくじゃない?何これって。それで説明聞いて、歌で使えないかなって思って、ちょっとそれ1個買よって。結局何も試さないまま今も新品で眠ってる。

野村:買いますよ!

森友:ダメダメ!それ五味にも言われて、あれ今手に入らないし、めちゃくちゃ価値上がってるんだよって言われて。

野村:あのプリアンプ部分が最高なんです、ちょっと太くなる。

森友:へぇ〜。

野村:いや、もう十分声太いじゃないですか。それ以上太くする必要ないでしょ!

森友:いやいや、分からないですから!

五味:あははは!

野村:そんな風に楽器屋で出会ったわけですね。結構ギターは持ってるんですか?

五味:いや、本数少ないです。20歳くらいの時に買ったセイモアダンカンのテレキャスターを今も1番使ってて。

野村:これでもかっていうくらいゴリゴリのシングルコイルの音してるじゃないですか。今回のレコーディングでもテレキャス?

五味:ほぼそうですね。

野村:曲によってはブンって音を太くしてみたりとかするのかなって思ってたら、カッティングもソロも全部シングルですみたいな感じだから。

五味:俺ハムバッキング持ってないんですよ!

野村:あ、マジですか? 嫌い?

五味:嫌いじゃないんですだけど、シングルの音が好きなんですよ。

五味孝氏

野村:そんな今回のアルバム『愛の爆弾=CHERISH_〜アインシュタインからの伝言〜』

でございますけれども、3月14日リリースということで出たばかりですね。

森友:この3月14日って、実はアインシュタインの誕生日なんですよ。今回はアインシュタインがテーマなので、それに合わせた感じです。

野村:そうなんですね! 28年ぶりの6枚目のアルバムとなると、気持ち的にプレッシャーとかもありましたか?

森友:いや、作ることにプレッシャーはなかったですけどね。

野村:1曲目から順番に聴いていったんですよ。普通にカッコ良いから始まって、4曲目からバラードになっていくじゃないですか。そこからピアノがどんどん主役になってからの、最後に向かって疾走感と共に感謝の感じになっていく。洋楽・邦楽問わず聴いてますけど、全部聴き終わった後にこんなに余韻に浸ったアルバムって初めてです。

森友:めちゃくちゃ褒めてくれてるじゃないですか。

野村:ラスト前の曲でもうイっちゃいましたね!

五味:「My life is My way 2020」?

野村:そうそう、その後に「ありがとう」っていう曲がくるじゃないですか。終わってからしばらくね、ライブの後みたいに相当余韻に浸ってしまいました。

森友:制作の過程の時間が長かったからかなぁ。

五味:このアルバムの曲の半分くらいは、アルバムを作ろうと決める前にもうポツポツできたて曲なんですよ。1番最初に生まれてるのは、近藤(房之助)さんと共作してる「声なき声がきこえる」って曲が2012年かな。

野村:これも素晴らしかったですね。

森友:その後T-BOLANが動きだして、「ずっと君を」って曲ができて。ドラマのタイアップとか映画の主題歌とかで、相手からこういう曲を作って欲しいって形で受けたのは初めてだったんですよね。これまでT-BOLAN自体はタイアップの為には作ってなくて、作った曲を気に入ってくれれば、どうぞお使いくださいみたいな。

野村:だからなのかな、どこを切り取っても相当カッコ良いっすね。ド頭から感動しっぱなしでした。

森友:特にこの頭3つは、結構T-BOLANとしては前を向いた挑戦的なもので。やっぱり28年ぶりのアルバムで、90年代を目指すようなアルバムにはしたくなかったんです。そこを期待してるかなって気持ちもあったけども、今の自分達が思う感覚みたいなものを1番大事にするべきだなっていうところに辿り着いたから。いつも挑戦したいなって思ってやってきたんで。

野村:何回も言っちゃうけど、ホントびっくりしたもん。

森友:なんか、ミュージシャン同士でそんな風に言われるとめっちゃ嬉しいです。

森友嵐士

野村:13曲もあるから、実はこれ全部聴いていくのツラいかな?って最初思ったんです。

五味:(笑)。

森友:僕も作り終わったあと、ちょっと長かったかなって思った(笑)。

野村:だけどどこにも無駄がないって言うか、何て言うのか捨て曲がないですよね。ちゃんと意味を持った曲しかないんだと思って。

森友:本当は、最初11曲の予定だったんです。それがどうしても、もう1曲ちょっと届けたいものが生まれて。実はそれが1曲目の「A BRA CADA BRA ~道標~」なんです。それで12曲になっちゃって、でもあまり12って数字が好きじゃないので。

野村:……え? そんな我儘な(笑)。

森友:ほら、言霊・音霊ってあるでしょ? 数霊っていう数字の持つ力みたいなのもあって、11はオープンゲートで始まりの扉が開くみたいなイメージ。12はちょっとピンとくるものがなくて。実はT-BOLANがインディーズからメジャーに動くきっかけに13という数字が凄く関わっていたので。

野村:はいはい。

森友:今回1回解散しての再結成で、さらに28年ぶりのアルバム。2回目のスタートみたいな感じのアルバムなので、その13っていう数字に重ねた方が良いかなって思い始めて。そうなると1曲作んなきゃってなって、最終的に13曲になったんです。

野村:全部聴き終わったあとに、過去の音源を全部聴きたくなりましたね。もちろん知ってる曲もあるし、知らない曲もあるから、僕はT-BOLANをもっと知りたくなりました。

森友:そんな最高の褒め言葉ありがとうございます。

野村:確実に10曲目以降は、昔からのファンの人は涙なくては聴けないような感じですね。曲の壮大な感じから、一転パンキッシュな部分が出てきたりとか。

森友:欲張りだから色々なことを盛り込みたくなるんでしょうね。

野村:ファンになりたいと思ったのがすごい不思議ですよね。ファンになるんじゃなくて、なりたいって思ったんですよ。そのぐらい凄い素敵なアルバムですね。

野村義男

森友:13曲目(「ありがとうのうた ~あいのたね~」)の最後の終わり方もよかったでしょ? あれファンのみんなの声なんです。

野村:あ、そうなんだ。いつの音なんですか?

森友:今! ファンクラブのみんなに一緒に歌わないかって募集して、「ららら」をスマホで録ってくれたデータを全部使って。最後オケがフェードアウトして、ファンのみんなの声だけが残っていく終わり方。

野村:それは素晴らしいアイディアですね。本当にみんなで作ったアルバムだ。

森友:プリプロでは自分1人で作っていたんだけど、コンサートの会場で大合唱になったらいいなっていうイメージが浮かんできて。ツアー終わった後にアルバムを出すんだったらツアー中の会場で録音できたんだけど、録音できるタイミングもなかったし。

野村:しかも今は声出しちゃいけないしね。

森友:そうそう。だからやり方を何パターンか提案しながら、簡単にスマホで「ららら」ってみんなに録音してもらったものを送ってもらって、それを全部取り込んじゃおうって。

野村:やっぱそれ今の時代にもちゃんと沿ってるやり方ですよね。コロナもあったわけで、レコーディング自体はどうやってやったんですか?

森友:それぞれの個人のスタジオである程度作り込む作業が多くて。そのやり方で進める中で感じたのが、いつもは自分のパートじゃない時もほぼほぼメンバー揃ってるわけですよね。それで、出てきた音に対してコミュニケーションとるじゃない?

野村:うんうん。

森友:それをそれぞれ1人でやると、やっぱ客観的なディレクションで出来ないんです。普段だったらもっとピックアップできるものが、1人1人だと出来ないんだなって今回気が付きました。それは別テイクを録音してみてよ、みたいな感じでクリアできる問題じゃなくて。

野村:はいはい。

森友:そうなると、やっぱ90年代のレコーディングスタイルを思い出すわけ。音楽的じゃないかもしれないけれど、メンバーならではのオブラートのない会話を。ぶつかりあってショートして生まれてくる、その瞬間の音みたいなものが90年代はあったなって。コロナ禍でやっぱ個人個人で制作しているとそれは起きなくて、結局1人のものになってしまうから。

野村:まあそうだよね。

森友:そもそもバンドの音って、本当はスタジオ入ってせーのでガーンってやって、お互いの音を感じながらお前がそうくるんだったらこう行きたい!みたいな。その瞬間、瞬間にお互いがぶつかり合って重なり合うものがあるじゃない。それをバラバラでやってると、そういうショートが起きないから、もうバンドじゃなくていいってなっちゃう。

野村:ああ、だから結局バンドマンなんですよね。

森友:そうそう、そこしか憧れがなかったわけ。歌が好きで歌ってたんだけど、その歌うっていうスタイルでバンドっていうものにやっぱ憧れがある。単純にほら、カッコ良いっていうさ。

野村:まぁしょうがないっすよ、それしか知らないんだから。

森友:あんまり理屈にならないんだけど、それが好きで、その瞬間がなんか良いんだよねってのを改めて感じたかな。

野村:じゃあ、久しぶりのアルバムっていうのもあるかもしれないけど、今回のアルバムはやって良かったんですね。

森友:やって良かった! このT-BOLAN自体も、ベースの上野が病気で倒れた時に、彼に残された人生を何やりたいんだって聞いたら「ライブがやりたい」って言ってきて。その時は指も動かなかったし、言葉も喋れない状態だったのに、ステージに向かうことしか興味がないっていうか。

野村:うんうん。

森友:それがT-BOLANが復活する1番大きな理由だったんですよ。そんな感じだから、5枚目のアルバム『LOOZ』の続きがこうやって形になったっていうことは凄く嬉しかった。大体マスタリングが終わったらほぼほぼ音を聴かないんだけど。

野村:それはわかりますよ!(笑)

森友:でも今回は自宅に帰って、表に収録曲のタイトルが入ってるCD-Rをリビングのテーブルの上にボンって置いてソファーの前に座って眺めてたの。そしたら歌えなくなった時からの色々な人の顔が浮かんできて、全員に聴いて欲しくなって。ここまで来たぜ!みたいなとか、ありがとうみたいな感情がさ。もうそれこそ初めてそういう余韻に浸ったアルバムかも。

野村:きっとそういった意味で言うと、僕と同じですよ。

森友:そういう気持ちで完成を迎えた初めてのアルバムだから、次も作りたくなってくるよね。流れ始めたなって、そんな感じになってる。

野村:もう来年には出しましょう、そのくらいの勢いで!(笑)

五味:ふふふ!

森友:うん、90年代はそういう勢いだったからね。

野村義男 / T-BOLAN

野村:そんな中4月15日からツアーが始まりますっていうことで、『T-BOLAN『愛の爆弾 PROJECT♡MESSAGE FROM アインシュタイン』……長い!

森友・五味:(笑)。

野村:これはもちろん、今回のアルバムの中から沢山聴けるわけですよね?

森友:そうですね。でも復活してからツアー励、ツアー繋っていう2つをやったんですが、繋ツアーは30ヶ所くらいあったのに頭4本くらいでコロナが始まって、延期で1年間くらいできなくて。去年の2月から再開したけども、中止の場所も多くて結局半分も出来なかったんじゃないのかな。

野村:そうなんだ。

森友:だから、今はあの当時CDを1枚でも買ってくれた全ての人と、残された人生の中でツアーを回って会うっていうことをしたいよね。新しいアルバムの曲もだけど、ファンの人達もやっぱり自分達が若かりし頃に聴いて歌っていたものは聴きたいと思うので。

野村:うん。

森友:基本は90年代のT-BOLANを届けることの中に、今回のアルバムの楽曲を盛り込んでいくっていう。気持ちとしては33曲くらいやりたいんだよ。

野村:それ1回のステージで?

森友:そういう提案もしたんだけど、スタッフも大変だし、ファンも長すぎるからもたないからって。

野村:ふふ(笑)、聴く方も歳とってる。

森友:そう! だから90年代のTHE T-BOLANみたいなものを第1部でやって、第2部は新しいアルバムを頭から全曲やりたい気分を、キュッて凝縮した感じのライブを上手く作れたら良いなと思ってる。まだセットリストは決まってないけども。

野村:素晴らしい、是非皆さんに来ていただきたいですね。という事で、もうそろそろお別れなんですけれども、言い残してることとかないですか? 五味さん的に今回のレコーディングでギター面倒だったこととか。

五味:いや、全然ないですよ(笑)。

野村:皆さんはツアーを楽しんでいただいて、きっとその間に新しい曲が生まれて来てると思いますから、それに期待してもらって。

森友:このままガンガン流れを繋げていきたいと思いますね。

野村:本日はT-BOLANから森友さんと五味さんのお2人に来ていただきました。楽しい話をありがとうございました!

森友・五味:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希

野村義男 / T-BOLAN

「愛の爆弾=CHERISH ~アインシュタインからの伝言~」

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