【伊方町・木と樹】佐田岬の先っぽにある 旅人と地域をつなぐ交流基地
夜のバー、店内フリーマーケット、テラスでのBBQ、特産品を主役にした食イベント、音楽ライブ。佐田岬の先端にあるカフェ「木と樹」では、ジャンルにとらわれない企画が次々と生まれている。どのイベントにも共通しているのは、「人と人をつなぐ」という店主・二宮大樹さんの思いだ。
実は二宮さん、もともと飲食業の経験はない。八幡浜市で生まれ育ち、大学進学を機に地元を離れて就職。その後、継ぐことが決まっていた家業の酒屋を引き継ぐため、地元へUターンした。酒屋を営むなかで感じたのは、「本業だけではなく、新しいことにも挑戦したい」という思いだった。地元の商工会青年部や青年会議所などにも所属し、人とのつながりを大切にする中で、少しずつ新しい縁が広がっていく。
そんな頃、八幡浜市・みなっとでテナント店を営む友人から、夏限定のビアガーデンイベントで酒類を提供してほしいと声が掛かった。イベントを手伝うなかで、趣味で作っていた燻製肉も試しに提供してみたという。「自分が作ったものを、おいしいと言って食べてもらえたことが本当にうれしくて。あの経験が今のお店につながっていることは間違いありません」。飲食店で働いた経験はなかったものの、その小さな成功体験が「飲食店をやってみたい」という気持ちにつながった。
そんなタイミングで舞い込んだのが、「佐田岬はなはな」のリニューアルに伴うテナント募集の話だった。30歳を目前に将来を考えていた時期でもあり、周囲からのあたたかい後押しもあって出店を決意。燻製肉を生かしたバーガーやサンドイッチを軸にしたカフェとして、「木と樹」の準備を進めていった。
しかし、2020年5月のオープンは、新型コロナウイルスの感染拡大と重なった。営業自粛や行動制限が続き、思い描いていた店づくりとは違う日々。オープンからしばらくは、店を続けることだけで精一杯だった。「世間では2023年頃から日常が戻ったと言われますが、店としては2024年に入ってようやく、何も気にせず本来目指していた営業ができるようになった感覚があります」。
そんななかでも生まれた取り組みもある。地域おこし協力隊との出会いをきっかけに始めた夜イベント「木と樹バー」、商品だけを預かって販売する店内フリーマーケット「こんな先っぽでフリマかよっ!」、テラス席を活用したBBQイベント、伊方町三崎産の赤ウニを応援する食イベント、さらには店主自ら交渉して実現したアーティスト・荒谷翔大さんのソロライブ。企画はさまざまだが、根底にある思いは変わらない。「イベントそのものが目的ではありません。この場所をきっかけに、人と人がつながることが一番うれしいんです」。初回のフリマイベントでは300点を超える商品が動き、商品の売り上げのすべてを出店者に還元したという。
フェリーを待つ人、旅の途中に立ち寄る人、地域で暮らす人。それぞれが自然と交わり、新しい出会いが生まれる。佐田岬の先っぽにある「木と樹」は、今日も旅人と地域をつなぐ交流基地として、新しいローカルカルチャーを育み続けている。
木と樹
住所
西宇和郡伊方町三崎1700-11 佐田岬はなはなB棟1F
TEL
0894-21-4193
営業時間
9時~17時(16時30分LO)
定休日
水曜、ほか不定休あり
座席数
30人
駐車場
佐田岬はなはな共用
WEB
https://ki-to-ki.com/
Instagram
https://www.instagram.com/kitoki_sadamisaki/
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