リールメンテナンスの【オイル・グリスは他社製品のものでもOK?】基本は純正品を推奨
リールのメンテナンスといえばオイル・グリスの注油だ。ここで疑問がある。リールの製造会社には主にD社とS社があるが、D社のオイル・グリスをS社のリールに用いていいのだろうか?筆者はこれまで、この「オイル・グリスのメーカーまたぎ」をしたことはない。いい機会なので、メンテナンスのタイミングで調べてみた。結論としては、あまり推奨されないことのようだ。
メンテナンスは純正製品推奨
ネットを調べてみた結果、「まあ大丈夫だろう」というものと、「やめておいた方がいい」という声が半々くらい見られる。メーカーに問い合わせてみたところ、「専用品を使ってください」との答えが、当然きた。
よって結論を言うと、「リールのメンテナンスは、メーカー純正品のオイル・グリスで行うべき」とのことになる。
つまらない結論ではあるが、間違いを避ける意味では、当然こうなる。
専用のグリスなども当然使える
しかしここで疑問がまた生まれる。というのも、オイルやグリスには、品質が高いとして有名なM社などがあって、そのグリスの使用は特に推奨されないものでもないのだ。たとえば筆者がよく使うライトゲーム用のVというリールには、M社のとある番手のグリスが使える。ドラグはそれですこぶる細やかなところまで調整がきく。
ただややこしいのが、この「番手」である。グリスは粘性の違いなどで番手があり、そのチョイスはオイル・グリスのメーカーに聞いてみないとわからない。もちろん釣り対象魚やリールの大きさにもよる。
ただこのあたりは日常のメンテナンスというよりも、リールのクオリティ向上を狙うものなので、そこまで追い求めない人は手出しする必要はない。
他社製品をそのまま流用可能?
下は、筆者が持っているD社のオイル・グリスである。
オイルとグリスは各所で使い分けてさしていく。ちなみに新品状態では「ぎっとぎと」と呼べるほど十分に注油されるので、1年ほどはメンテナンスの必要がないとも言われる(俗説です)。リールのチューニングが合ってくるのは、ある程度オイルやグリスが抜けたあとなのだと言う人もいる。そのあたりから巻きが軽くなったり、ドラグが良い効き方をするようになるのだ。
さて、そのうち注油のタイミングがくる。では、ここで、D社のオイル・グリスをS社のものにさしていいのだろうか?という話だ。上述の通り、これは推奨されない。問題を避けたいなら、やめた方がいい。メーカー逆もまたしかり。純正品を使うべきだ。
ただ……「本当に本当にどうなのか?」というところは、正直わからない。これは完全な筆者の個人的意見だが、メーカー別とはいえ汎用リールのメンテナンス品に、そこまで違いがあるものだろうか?まさかOEM品……なんてことも、ありえるような気がする。何度も断るが、これは個人的な意見である。
純正製品が推奨されるわけ
リールのグリス・オイルの互換性について、あちこちで聞かれる言葉を集めるとこうなる。
◎問題なし派
「特に問題はない」
「もし違いがあっても実感できるレベルではない」
×問題あり派
「まったくの別物」
「ずっと使用していると違いが出てくる」
○穏健派
「ノートラブルでいきたいなら、純正製品でいくべき」
「何が変わるとも思えないが、純正製品なら間違いない」
こういう意見が出ているなら、私としては中庸の「穏健派」のものをとりたい。ちなみに純正品を使っていればトラブル時の保証対象になるのか調べてみたが、ネットに答えは見つからなかった。
混乱したらお店に出そう
リールのメンテナンスは釣具店に任せることもできる。わざわざ専用のグリス・オイルを買う必要もない。軽い注油くらいならば、多少の額でしてくれるお店もあるだろう。もし問題が出ていてオーバーホールが必要なら、お店からメーカーに出してくれる。
何事も無難にいくのも面白いことではないが、リールのメンテナンスに関して、冒険する必要もない気がする。ともあれ、純正品を使うか、釣具店に任せれば問題なさそうだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>