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【わざわざ行きたい北九州の名店】半世紀以上注ぎ足されてきた鶏ダシが絶品のおでん酒場

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大太鼓メイン

小倉は、太鼓の町である。豊前小倉藩の藩祖・細川忠興公が京都から招いた祗園社(現八坂神社)の祭礼として始まった祇園祭は400年以上の歴史を持ち、そのお囃子として取り入れられたのが祗園太鼓。毎年7月の祭礼日に「ヤッサヤレヤレヤレ」の掛け声とともに打ち鳴らされる太鼓の響きは勇壮で、日本映画の名作「無法松の一生」で全国にも知られている。そんな小倉の町中で、半世紀以上にわたって愛されているおでんの名店が『酒蔵 大太鼓』だ。

場所は古い寺社や森鷗外旧居などが残る歴史ある町並みでありながら、夜になると小倉随一の繁華街となる鍛治町のど真ん中。日暮れが早い冬場には、17時の開店時刻に赤い円形の看板に灯がともるやいなや、おでん鍋の湯気がもうもうと立ちこめる店内があっという間に満席になるほどの人気店である。

創業は昭和42年(1967年)という老舗であり、鶏ガラがベースの出汁は、創業以来注ぎ足されてきたというから驚きだ。メニューに並ぶおでん種は常時30種類以上あり、「ごまさば」や「さばのぬか炊き」といった郷土料理をはじめとする一品料理も20種類以上のラインアップ。肴をアテにして酒を呑む「酒蔵」としては、申し分のない品揃えだ。

メインのおでんを注文する前に、まずは生ビールと名物の「ごまさば」(580円)で軽くウォーミングアップ。近海で獲れた新鮮なサバは表面が銀色に光り、脂ののり具合も最高だ。続いてもう一皿「にらとじ」(380円)を注文すると、こちらは家庭料理のような気のおけない味わい。他にもいろいろと気になるメニューがあるのだが、あまり食べ過ぎと肝心のおでんが入らなくなるので、ほどほどに。

朝から丁寧に仕込みをして、それぞれの具材ごとに程よく煮込まれたおでんには絶妙な加減で出汁の味がしゅんでいる。約30種類からよりどりみどり選べるのだが、この出汁をじっくり味わいたいがために、あえて大根と玉子に、小倉名産の大葉春菊をセレクト。じんわりと沸き上がってくるような旨さに、心の底からほっこりとした気分になる。合わせるのはビールでも焼酎でも冷酒でもなく、常温のコップ酒がふさわしい。

北九州といえば、下関と並んで「ふぐ」が名物だが、ふぐ刺しやふぐちりの薬味に欠かせないのが下関産の「安岡ねぎ」。先端部わずか1mmほどの極細ねぎをサッと出汁にくぐらせたものを口にすれば、シャッキっと歯応えと上品な香りが広がる。熱いうちに食べ終わり、皿に残った出汁を残すなどもってのほか。最後まで飲み干すのが流儀であり、礼儀である。
開店直後から満席になる人気店ながら事前予約は不可なので、2回転目、3回転目を目指していくのが狙い目だ。

酒蔵 大太鼓
北九州市小倉北区鍛冶町1丁目3−21 大太鼓
093-551-3805

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