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TVアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』斉藤壮馬さん×潘めぐみさんが語る終盤戦|ぶつかり合うJUNEとクリオス、そしてキョウヤの選択は

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

毎週日曜朝9:30〜フジテレビほかにて連続2クールで放送中の『SI-VIS: The Sound of Heroes』。音楽ユニット「SI-VIS」(シーヴィス)の活躍を描いた作品で、表向きはアーティストとしてライブ活動をしつつ、実は世界を消滅させる謎の現象「ミラージュ」と立ち向かっている。ミラージュによって消滅させられた町や人は、生きている人々から忘れ去られてしまうのだが、それを引き起こしているのが≪XENOS≫(ゼノス)という地球外生命体だった、ということが明らかになってきた1クール目、2クール目からは、いよいよSI-VISとXENOSの戦いが本格的になっていき、≪XENOS≫側の目的も明らかになってくるのだが……。

クライマックスの怒涛の展開を前に、心を通い合わせたJUNE(ジューン)とクリオスを演じた、斉藤壮馬さんと潘めぐみさんに、作品の面白さをたっぷり語ってもらった。

 

 

【写真】『SI-VIS』斉藤壮馬×潘めぐみが語る終盤の見どころ

楽しいWEB予告! スピンオフCDをリクエスト

──収録は終わったそうですが、2クール作品だったので、キャストの皆さんの親睦も深まったのではないですか?

斉藤壮馬さん(以下、斉藤):それで言うと、キョウヤ役の(古屋)亜南くんが、頑張って食事会を開いてくれたりしたんです。

──座長的な動きをしていたんですね。

斉藤:そういうところも、ソウジ役の(島﨑)信長さんがアドバイスしてらっしゃったので、雰囲気はすごく良かったです。

潘めぐみさん(以下、潘):そうだね。

斉藤:物語はシリアスだけど、収録自体は和気あいあいとしていました。

潘:本当に良いチーム感だったと思います!

──2クール目は、キョウヤが、セイレーンなのか凪なのか、はっきりしないところもあって、古屋さんが皆さんから責められていた、という話は聞いていました。

斉藤:あぁ(笑)。確かに「どちらを選ぶんですか?」という話にはなりますよね。で、潘さんは誰のルートがいいんでしたっけ?

潘:ソウジルートです!

──それもありますね(笑)。

潘:ソウジはヒロインの1人だと思って、ずっと見ていましたから。だって、キョウヤが危機のときに迎えに行ったのはソウジでしたからね。青森までバイクを走らせて。きつく当たるところはあるけど、行動から、愛を感じるじゃないですか。

潘:親族への挨拶も済んで、地元の友達とも仲良くなっているんです。

斉藤:外堀から埋めていってるからね(笑)。いやぁでも危ないところでした……そこは我々でなければ、見逃していたところかもしれません。

潘:はい。ギリギリ気づきました……。

──はははは(笑)。キョウヤに対するソウジのツンデレ具合も、ヒロインそのものでしたよね。

潘:だから、ソウジルートが、一番中立で良くないですか? だって、どちらを選んでも角が立つし、ソウジなら、友情エンドとして成り立つかもしれないじゃないですか。

──斉藤さんは、セイレーンと凪のどちらなのか、というのは考えていましたか?

斉藤:正直、キョウヤがどちらを選ぶかは、どうでもいいんですよ。好きにしたらよろしいじゃないですかと思っているので。ただ、あれだけ2人に気を持たせるような態度を取っている以上、「何かを選ぶということは、何かを失うことなんだ」ということを、彼は知る必要があるんじゃないかなと思ってはいます。

潘:なんか、JUNEみたい。

(一同笑)

潘:この現場は、人となりが役に重なる瞬間があるんですけど、今すごく重なりました。もう、JUNEですよね?

斉藤:(JUNE風に)「キョウヤくん知っているかい? 何かを得るということは何かを失うということなんだよ」

潘:これは本編ではなくWEB予告なんですけど、わりとキョウヤに対して焚きつけるような感じのセリフをJUNEは言っていたんですよ。そういうところは、もっと見たかったです(笑)。

斉藤:本編がシリアスな分、予告は突き抜けたユーモアがありましたから。

潘:視聴者の代弁を全部してくれているんです。誰を選ぶの!とか、何してんの!とか。WEB予告では、μちゃんが大活躍しているんですけど。

斉藤:スピンオフドラマCDとかもやりたいですよね。クリオスも“ボヤキ系”みたいなところがあるから(笑)。

潘:彼も「不合理」って嘆いていたからなぁ(笑)。やりたいですね!

──本編を観て、もやもやした人は、WEB予告を見たほうがいいですね(笑)。

潘:少しスッキリするかもしれません(笑)。

 

 

──本編の物語がシリアスな分、どちらを選ぶのか、みたいなところで楽しむことができるのもアニメ『SI-VIS: The Sound of Heroes』の魅力だと思ったのですが、それ以外に、このアニメの魅力はどこにあるとお思いですか?

斉藤:僕は全体的な色彩設計含めた画作りが、朝に観るのに合っているなと思いました。テンポ感も良いですし、静と動のメリハリが効いている作品なので、劇中で流れる歌を聴いて、バトルや物語に没入していくと、いろんな意味で、めちゃめちゃ目が覚めるのではないかと思うんです。そのくらい、どんなシチュエーションで観ても、体に馴染む映像設計になっているのが、すごいと思いました。

──少し鮮やかな色彩だからこそ、シリアスになり過ぎなかったところはありますね。第1話からYOSUKEが刺されて、人々の記憶から消されるという衝撃な展開でしたから。

斉藤:かもしれないですね。YOSUKEさん……良い人でしたから。

潘:第1話にして、まさかビジュアルの真ん中にいる人が消えるという(笑)。そういう仕掛けも面白かったです。

斉藤:そのネタバレを言っちゃダメな状態で舞台挨拶をやらせるな!とは思いましたけど。先行上映会のネットニュースも、浪川さん、ありがとうみたいになっていましたから(笑)。
※放送前の先行上映会では、SI-VISのキャスト、浪川大輔さん、佐倉綾音さん、鬼頭明里さん、島﨑信長さん、斉藤壮馬さんが出演していました。

──しかも公式サイトからも、YOSUKEは姿は消えているんですよ。

斉藤:(サイトの画面を見ながら)ホントだ! でもしょうがないです。渋谷と共にいなくなってしまって、みんなもう覚えていないので。

潘:そんな仕掛けをしていたんですね! でも、ホログラムで出てきたから、そろそろサイトでも復活させてあげてください(笑)。

斉藤:最後に浪川さんにインタビューしてほしいですよね。「最終話までを振り返ってどうですか?」と。

潘:あぁ、酷ですねぇ(笑)。

斉藤:でも、浪川さんが第1話でみんなを本当にいい雰囲気にしてくださって、すごく素敵でした。

──第1話以降、ほとんど収録には来ていないですから、すべて予想で語ってもらいましょう(笑)。潘さんは、どんなところが魅力的でしたか?

潘:これだけ登場人物が出てきて、設定もきっと細かくあるであろう世界観の中で、スッと入っていけるのは、視覚的な効果も含めて、キャラクターの個性に被りがないというところにあるのかなと、壮馬さんの話を受けて思いました。ひと言発しただけでキャラクター性がスッと入ってくるのが、すごかったですし、そこと物語のバランスが絶妙だと思いました。

あと、私は90年代末期のアニメが大好きなんですけど、それを今見ているかのような懐かしさも感じたんですよね。この王道さに懐かしさを感じたというか……。その上で、主軸にいるメインキャラたちが今をちゃんと生きているから、懐かしさは感じるけど、ちゃんと今に向けて作られているんですよね。同じ世代を生きてきた方も中にはいらっしゃるのかなと思うんですけど、その方たちにも楽しんでもらえているのかなと思いました。

──また、音楽の良さもありますよね。歌だけでも楽しめる作品でした。

斉藤:単純に楽曲のクオリティもそうですし、すごいなと思ったのは、楽曲によって歌い手の表現のアプローチが変わるんですよ。もちろん、僕らも歌うときはキャラクターによって声色を変えたりするんですけど、この作品の歌い手の方の表現力は凄まじいなと思いました。

それに音楽バトルものでもあるから、アップテンポでノリの良い歌が多いのかと思いきや、クリオスとJUNEのシーンでは、メロウな曲が使われていたので、ソニー・ミュージックってやっぱりすごいんだなと思いました(笑)。

潘:多彩な楽曲ばかりでしたね。しかも物語の中での歌割りも、この曲を今回はメンズで歌うんだ!という特別感もあったり、物語の中だからこそ響いてくるものもあったので、それに対応する音楽の自由度の高さはすごいと思いました。オケがない中で歌っているシーンもあったので、すごく贅沢ですよね。

斉藤:実際は大変でしょうけどね。

潘:しかも宣伝面では、セイレーンの【歌ってみた】動画もありましたけど、そうやって広がっていくのも良いですよね!

──JUNEとクリオスで言えば、メロウなのは「エレジー」ですし、アップテンポなのは「ロマンティスト・キラー」で、どちらも印象的でした。

斉藤:すごく良い曲ですよね。その曲に合わせて、JUNEは、あんなに殺意の高い武器を振り回していましたから。某デ〇サイズかと思いました(笑)。

潘:あんなJUNEは見たことがなかったし、実際第8〜9話以降、見れないんですけどね(笑)。

 

 

ぶつかりあったJUNEとクリオスのシーンを振り返る

──演じたキャラクターについて聞いていきたいのですが、ここまで演じてきて、JUNEにはどんな成長がありましたか?

斉藤:最初、SI-VISのメンバーの中では一歩引いた、バランサー的な立ち位置の人なのかなと思っていたのと同時に、あまり本音ではしゃべっていない人だと感じていたんです。だけど彼には悲しい過去があって、大切な弟の樹音を災害で失ったと思っていたら、実は意志を持った存在の介入によるものだったとを知ってしまう……。それまでの彼は、悲しみを隠してバランサーとして振る舞っていたけど、その表皮が剥がれ落ちて、憎しみや悲しみがむき出しになってしまったんですよね。

──それが第8〜9話でしたね。

斉藤:それも第9話で一応の解決を見たんですけど、そこからは、少し彼の素が出てきたんじゃないかなと思いました。悲しみや苦しみを経験し、そこから救われたからこそ、より生身の人間として、世界と向き合うようになったのではないでしょうか。だから終盤はベーシックな優しさは変わらず、少し人間味を感じる度合いを増やしていけたのかなと思っています。

──オリジナル作品で、そのグラデーションを見せていくのは難しそうです。

斉藤:一応、第1話の段階で、全てではないですが、「彼はこの先大変なことがあって、ダークサイドに落ちかけます」という説明はいただいていたので、都合のいいキャラのままでいる人ではないんだろうなとは思っていました。

──クリオスには、どんな変化がありましたか?

潘:≪XENOS≫側としては、大いなる流れはすべて教えていただきながらの収録で、第8〜9話でクリオスが登場するときに、「今のJUNEを見ていてください」という話はありました。つまり、彼もJUNEと同じようになっていきますということだったんですけど、だからこそJUNEを見て、JUNEを知って、よく理解しようと思う心だけを軸に、クリオスを演じていきました。

第9話で、JUNEの憎しみに初めて触れてしまったクリオスは、それを理解できないんです。人間の感情への理解が追いついていないのもあるし、≪XENOS≫だとまだ幼子ですから、よくわからない。わからないまま憎しみを目の当たりにして、自分が憎まれるという立場に立つ……。

その後、第12話でリュコスという大切な存在を失ったときは、JUNEのようにすぐには立ち直れないんですね。クリオスは、JUNEにおける「SI-VIS」のような仲間がいないし、その唯一の存在が、双子のリュコスだったので。

お互いがお互いを補ってきていたのに、その片割れがいなくなってしまったら、誰のために戦えばいいのかわからなくなってしまう。それが相手を憎むことで果たされると思ったし、JUNEと同じ気持ちになれたという感覚なんですよね。憎んでいる相手に、役としてそういうことを言うのは初めてなんですけど、「あのとき君は、ボクを憎んでいたじゃないか!やっと、やっとボクが、君と同じ気持ちにたどり着いたというのにっ!!」(20話)と言い放つんです。あとから振り返ると、それはわかり合いたいという余地ばかりなんです。

だから、ずっと答えの見えない憎しみの果てに対して悩んでいました。JUNEに不意に与えてしまった憎しみを、私は覚えていたいと思ったし、第20話でJUNEに憎しみを持ってぶつかることで、クリオスを救ってあげたいなとも思っていました。

──クリオスが憎しみを覚えたあとの声のトーンに関しては、監督から指示があったのですか?

潘:自然と変わっていきました。これは私の解釈で演じてしまったんですけど、リュコスを失って1人になったクリオスは、リュコスでもあるんです。双子で魂も分かち合っていますし、2人が1人になってしまった感覚でもある。だからリュコスにも感じられるようなクリオスになっていったという感じでした。

──聞いていて、リュコス(CV.内田真礼)の雰囲気をすごく感じていました。

潘:ありがとうございます。そう思ってもらえたらいいなと思っていました。それに憎しみとなると、腹に落ちていく感覚というか、声が低くなると思うので、自然とあのトーンになっていった気がします。

──やはり、第8〜9話と第20話は、JUNEとクリオスにとって大きな話数だったと思うので、ここでの掛け合いはどうでしたか?

斉藤:決定的に違うのは、第9話のJUNEって、誰の言うことも聞こえていないんですよ。クリオスが違うと言っても、お前らのせいで!となってしまっている。違うタイミングで話すことができていたら、あんな鎌を振り回す必要はなかったかもしれないんですし。

だからJUNEがクリオスたちと戦ったとき、踏みとどまらせてくれたのは、クリオスではなくキョウヤなんです。先程、潘さんが言ってくれたことがまさになんですけど、JUNEにはキョウヤやSI-VISがいてくれたから踏みとどまれたし、気付きを得ることができたんですよね。だから第20話で、クリオスの憎しみを、戦うことで受け止めることができたのだと思います。

芝居的には、どちらも楽しかったんですけど、第20話のほうが楽しかったです。というのも、セリフが被っている場合、テストは一緒に録っても、本番で別録りになることが多いんですけど、「これは一緒に録りましょう」と言ってくださったんですね。そこに、制作チームの心意気を感じましたし、本当にありがたかったし、すごく楽しかったです。

──感情が昂るシーンって、だいたいセリフは被りますからね。

斉藤:もちろん、別々に収録したとしても、素敵なシナリオだから良いシーンになるだろうけど、言語化できない熱量みたいなものを、お互い交わしながら収録をさせていただいた印象なんですよね。

──では、第9話のほうは、怒りに支配されて、周りの言葉がまったく聞けないという芝居だったのですね。

斉藤:そうですね。誰の言葉も聞こえないけど、ラストのキョウヤの「憎しみだけに染まった君を見るのはつらいよ」のあたりだけ、ぎりぎり届くような精神状態でした。

これはどこだったかな……。第8話のBパート終わりの「樹音を殺したんじゃないか!」のところに、「怨念の張りついた笑みを浮かべたJUNE。怨みの対象を見つけ、目が活き活きしている」というト書きがあったんですけど、ディレクションでも、「狂気の笑みみたいな作画になるので、それを意識してください」と言われたので、それをイメージして演じました。だから可哀想なんですよね、クリオスが樹音を殺したわけではないので。

──キョウヤの声が届くシーンは、お二人のお芝居も素晴らしかったです。

斉藤:そのシーンは、キョウヤ役の亜南くんがめちゃくちゃリテイクを頑張ってやっていたんです。彼自身、台本を持たずにやってみたり、いろんなパターンを試していたりしたので、僕は最後までこのシーンを見届けたいと思って、次の現場があったのですが残っていたんです。で、最後、このテイクでリテイクになったら、さすがに時間的に間に合わなくなるかもと思っていたら、素晴らしいテイクを出して、「これはOKだな」と思い、その場を去ったんです。そうしたら監督が追いかけてきてくださって、「ギリギリまで待ってくれてありがとうございます。そのおかげで素晴らしいシーンになりました」とおっしゃってくれたんですね。そういう情熱がある現場だったなと思います。

──すごく良いお話ですね。でも、聞いていて「これはOKだな」と、わかるものなんですね。

斉藤:もちろん我々が決めることではないんですけど、気持ちが伝わる瞬間ってありますよね?

潘:ある!

斉藤:亜南くんが本当にすごかったです。もともと演技は素敵なんですけど、第1話と最終話でまったく違う役者になっていたので、やっぱり作品が人を育てる、というのはあるのだなと思いました。

潘:育まれていますよね。新人さんが真ん中で主役を張って、その周りに我々がいるという座組も、最近では珍しかったのかな?と思います。

斉藤:たしかに。それも、王道ではあるんですけどね。

潘:そうですね。あと、最初にも話しましたけど、それぞれのキャストがそれぞれのキャラクターに見えてくる素敵な現場でした。

──古屋さんもインタビューで、成長できたという話はされていました。

潘:そのときの自分に必要な役を作品がくれるというタイミングってあると思っていて。亜南くんにとっては、きっとそれがキョウヤであったと思うし、我々にとっては、キョウヤに対してのそれぞれの役の立場、役割が必要なときだったのかなと思います。ご縁があって、タイミングがあって、その役に私たちは巡り合っている。そういう現場でした。

──島﨑さんと斉藤さんが両サイドにいて、島﨑さんがアドバイスをして、斉藤さんが見守って、あとで必要なことを伝える、という形だったんですよね?

潘:本当にそうでした。信長さんの心配りは素敵でしたし、それはソウジとキョウヤの優しい関係を見ている感じでした。あの2人がギャンギャンせずにいたら、きっとこういう関係になるんだろうなと(笑)。

 

 

怒涛の終盤。キョウヤが選ぶのは? そして「XENOS」の未来は?

──再び第20話の話になるのですが、別録りにせずに掛け合ったことについて語りたいのですが、今度はクリオスが怒りに支配されているけど、JUNEを殺すことができないことは、その前の段階で、薄々わかっている状態でしたね。

潘:その前の段階で、実は彼、みんなを助けていましたからね。それがひとつの答えで、彼の中で心は決まっていたと思うんです。ただ、じゃあいったい何で僕はこうしているのかという理由はわからなかった。わからないので答えを探し求めている中でJUNEと対峙したとき、いつも彼はその答えをJUNEに求めるんです。出会ったときから、わからないことをJUNEに訪ねていましたからね。それに対してJUNEは教えてくれるし、JUNEを知りたいからこそ、その問い掛けをする部分があるので、そこは憎しみに囚われてもなお、一貫しているんです。

だから、心のどこかでクリオスもわかっていたんでしょうね。そしてJUNEを信じたい気持ちのほうが強かった……。第9話でのJUNEは、周りの言葉が聞こえなかったけど、クリオスは憎んでいる相手の言葉しか聞けなくなるんです。だから写し鏡でもあり、あわせ鏡でもある2人というのが明確に見えてくるシーンだったなと思いました。憎しみ同士でわかり合えるって、現実ではあり得ないようなことだけど、その可能性を見出してくれる2人でした。

 

 

──この段階で、JUNEは自分が辿り着いたものを、クリオスに教えてあげたいとすら思っていたような感じでしたからね。

斉藤:僕もそう感じましたし、もらったものを次に託していくような感覚なのではないかと思っています。自分だけが救われるのではなくて、自分が救われて得たものを、伝えて救いたいと思っていたんじゃないかなと。

実際、第9話を経たあと、「JUNEとクリオスの関係性が逆転するので、JUNEがそれを受け止めてください」と言われていたんです。だいぶ収録の間隔が空いて、その間に物語でもいろいろな事があり過ぎたんですけど、いつかそのタイミングはくるのだろうと思っていたので、そこに唐突さとか不自然さは感じていなくて、準備はしていたんですよね。

それにJUNEって、クリオスが現れても一度も驚いていないんですよ。一度魂を通わせているがゆえに、2人の間では言語とかロジックでは説明できない感覚の共有があるのではないかと思っていたから、待ち望んでいた場面がこんなにもドラマティックに、そして熱く丁寧に描いていただけたのは嬉しかったですし、収録も一緒に掛け合いができたというのは、幸せなことでした。

──言葉ではなく、心で対話をしているんですね。

斉藤:だからほぼガンダムです(笑)。

潘:ニュータイプ的なね(笑)。でも、やっぱりこの2人は、最初に出会ったときから、何かが生まれていたのだと思います。

斉藤:予感みたいなものがあったかもしれないですね。

潘:さっき壮馬さんから「伝えたい」という言葉がありましたけど、歌も想いも、伝えないと伝わらない、相手がいないと成り立たない部分があるじゃないですか。そういう意味で、この作品は、伝えるために歌もセリフもあるんです。人と向き合うということは、自分と向き合うことなんだというのを、歌や壮大な戦いのもとに紐解いてもらえたような気がしました。

──伝わればわかり合える。今回は異星人と人類でしたけど、そんなことは感じました。≪XENOS≫は、人が少ないからなのか、コミュニケーション能力という意味では、拙いですよね(笑)。

潘:少ないからこそ、コミュニケーションが取れていても良かったのに、やっぱりリーダーがちょっと良くなかったんですかね(笑)。思惑がそれぞれにあって、組織なんだけど、それぞれがそれぞれの考えのもとに動いているんですよね。≪XENOS≫側を見ていると、本音が見えないって良いこともあるけど、良くないことだなと思いました。特に、本音でぶつかりあって強くなっていく「SI-VIS」を見ていたから。

──そういう意味では、YOSUKEってモテてますよね(笑)。どちらからも好かれていたので。

斉藤:モテますよ。

潘:人類でも≪XENOS≫でも有能だったんでしょうね。

斉藤:好かれ過ぎて、元カノ同士でぶつかっていましたから。

潘:元カノではないけどね(笑)。

斉藤:大人チームって、立場的には大人だけど、誰かを想ったり、ライバルの存在に苛立ったり、結構リアルな感情の機微が描かれていたのが、すごく面白いなと思いました。人類側と≪XENOS≫側の幹部同士が、それでバチバチしていましたから。

──神里泪とメーデイアのぶつかり合いも見応えがありましたよね(笑)。

潘:そう思うと、YOSUKEとキョウヤって不思議なつながりを感じるかも。2人の間で揺れ、選びもせず。でもYOSUKEはわりと選んでいたのか。

斉藤:一応選択はしていた感じでしたよね。キョウヤはまだまだ成長が足りないから、しょうがないのかな(笑)。

潘:まだ若いしね(笑)。

──その流れで、今後の見どころになっていくのですが、まずはキョウヤがどちらを選ぶのか、みたいなところなのでしょうか。

斉藤:どっちというか、何を選ぶのかということですよね(笑)。選択肢も、2人だけではないかもしれませんし。

潘:そう! ソウジかもしれない。選択することが、必ずしも選び取ることではないかもしれないし、いろんな意味で、どう彼が生きていくのかということに関わってくるのかなと思いました。

あと、≪XENOS≫側もやっぱり存亡の危機の中で戦いに来ているので、これ、どう決着をつけるの?という部分じゃないですかね。

斉藤:ここから最終話までの数話の展開が怒涛なので、言葉であれこれ説明するというより、皆さんが観て感じて、どんな感想が心に思い浮かんでくるのかを味わってほしいです。あと、違うことで何かあるかな……。

──第20話だと、セイレーンが死んでしまったのかどうか、不安に思っている人はいそうですが。

斉藤:でも、あれだけのスーパースターが、このまま終わるわけにはいかないんじゃないですかね。そのあたりもどう描かれるのか、気になりますね。あとは、いったい何がしたいのかわからないサマエルも気になるし……。

「SI-VIS」側は、地球を守り、失われた人を取り戻すというところで一貫しているけど、≪XENOS≫側は星を守るという目的は一応あるけど、さらに奥に何かを抱いている感じがあるので、そのあたりを注目していただけるといいのかなと思います。

潘:本当にそう。

斉藤:彼らは一度地球に研修に来てほしかったですけどね。スタートアップ企業で、コンサルとかを入れずに、自分たちのノウハウで始めてしまい、会社の立ち上げに携わっていたっぽいYOSUKEも早々にいなくなってしまったので、惜しい組織なんです。だから≪XENOS≫側の皆さんにも頑張っていただきたい(笑)。

潘:重々承知しています(笑)。年齢もかなり重ねているので、あれなんですけど、そのあたりが未熟だったのかなとは思います。「SI-VIS」は、いろんなことが解決して団結しているから無敵なので、ここからは、≪XENOS≫側の問題なのかなと思っています。

 
[文・塚越淳一]

 

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