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貯蓄が上手くいく「先取り貯金」5つの方法とは?どれが一番いい?

mymo

「FPに聞きたいお金のこと」、今回は将来のためベストな貯蓄方法について知りたい20代女性からのご相談です。

20代女性Aさんからの相談

現在26歳で独身です。天引きでないと貯金が難しく、iDeCoについて気になっています。将来に向けたお金を貯めるのにベストな貯蓄方法について知りたいです。

貯金が苦手な人におすすめの「先取り貯金」

特に意識はしていないけど、いつのまにか貯金ができていますという人もいますが、貯金がなかなかできないという悩みを抱えている人は多いと思います。今回のAさんの、天引きでないと貯金ができないというお悩みにはどんな解決方法があるか考えてみましょう。

まず計画的に貯金をするには「先取り貯金」が有効です。会社員であれば毎月の給与から貯金をする金額を先に分けてしまい、残りの金額でやりくりするという方法です。Aさんの天引きという仕組みは正に先取り貯金そのものです。ここでは先取り貯金をする手段をいくつかご紹介していきます。

有効な「先取り貯金」5つの方法 

【画像出典元】「stock.adobe.com/Nuchjaree」

    財形貯蓄

財形貯蓄は企業が準備している制度のため、導入されていない企業でお勤めの場合は知らない人も多いと思います。

財形貯蓄はいくつか種類がありますが、共通しているのは給与の中から設定した金額を天引きしてくれる仕組みです。例えば毎月の手取り金額が25万円・財形貯蓄の設定金額が1万円とすると、給与の受取口座に実際に入金されるのは24万円です。設定した金額をコツコツと積み立てていきますが、塵も積もれば山となるというように、継続できれば大きな金額になる効果が期待できます。

また、貯まったお金を引き出す際は事務的な手続きが多いため、比較的お金を引き出しにくいといえます。そのため天引き貯金の効果は絶大といえるでしょう。ただ、今は財形貯蓄の制度を準備している企業が少なくなってきています。

    銀行の自動振替サービスや目的別貯金

銀行によってサービス内容や名称が異なることもありますが、一般的には代表口座から事前に設定した日付と金額に従って、貯蓄預金や目的別貯金に自動的に振替されるサービスです。振替先の口座の残高はクレジットカードの引き落としや公共料金の引き落としなどには利用できません。ただし貯まったお金を引き出すのは、幸か不幸か簡単です。

    クレジットカードを利用した投資信託の積立

クレジットカードを利用して投資信託の積み立て購入ができる、インターネット系の証券会社でNISAを活用するのもおすすめです。投資信託の積み立てに充てる資金をクレジットカードの利用代金として引き落としされるので、計画的に利用すれば先取り貯金のような効果が期待できます。デメリットとしては、マーケットの状況により資産価値が下がり、元本割れの可能性があることです。

    クレジットカードを利用した貯蓄系の生命保険の活用

投資信託と同じく、クレジットカードで保険料が引き落とされる貯蓄系の生命保険や保険料の一部を投資信託で運用する変額保険の活用はいかがでしょうか?一生涯が保障され、解約時には解約返戻金が受け取れる終身保険や満期保険が受け取れる養老保険などがおすすめです。注意点として、生命保険は早期に解約すると払い込んだ保険料を割り込むことが挙げられます。

    iDeCoの活用

老後資金を準備する方法として人気があるのがiDeCoです。制度の目的が自分で準備する老後資金なので、積み立てたお金を自分で使えるのは60歳以降です。また途中で解約もできません。そのため、老後資金をしっかり貯めることができます。

またiDeCoの掛金は全額が所得控除の対象なので、所得税や住民税などの軽減効果が期待できます。

給与から先取り貯金や先取り投資に向いている方法をいくつか紹介しましたが、個人的には財形貯蓄があれば必ず利用すると良いと思います。また投資信託の購入や生命保険の保険料の支払いはクレジットカードを利用する方が良いでしょう。クレジットカードであれば、カードの利用代金として引き落としがかかるので、先取り貯金の効果が期待できます。

お金の増えやすさと引き出しにくさを比較 

【画像出典元】「stock.adobe.com/takasu」

5つの先取り貯金について、お金の増えやすさと、お金の引きだしにくさのイメージについて比較しながら見ていきます。

財形貯蓄や目的別貯金は銀行の利率とほぼ同様なため、利息で増やすということは期待できません。ただし生活費などとは別の口座で管理することになるので、自制心がある人には良いでしょう。

Aさんのお勤め先に財形貯蓄があれば、その活用を一番に勧めます。ただ制度がないということであれば、クレジットカードで投資信託の購入や生命保険の保険料を払うという方法が良いと思います。

また、投資信託と生命保険を比較すると、生命保険の方が「手元にお金がないから取り崩そう」という気持ちにブレーキがかかりやすいと思います。生命保険は早めに解約すると払った保険料よりも少ない金額しか返金されず、さらに保険会社に連絡をしてから解約手続きを進めるというように、手続きが少々面倒なため、結果として解約しにくいという効果が期待できます。

iDeCoのメリットとデメリット

AさんはiDeCoについて特に興味を持たれているようなので、改めてiDeCoのメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

・iDeCoの掛金は全額が所得控除の対象になるので、所得税や住民税の節税効果がある
・60歳まで取り崩しができないので、しっかりと老後資金を準備できる
・投資信託を使い、長期・分散・積立で資金が増えることが期待できる

デメリット

・60歳までは取り崩しができないので、結婚・出産・マイホームや自動車の購入などライフイベントの資金需要には対応できない
・投資している商品やマーケットの状況によっては元本割れの可能性がある
・働き方や勤め先によって毎月の掛金の上限額が決まっている

節税効果があり、長期・分散・積立で老後資金を準備していく制度であるiDeCoは、「60歳までは取り崩しができない」という特徴がメリットにも、デメリットにもなります。Aさんが先取り貯金で準備したお金の使い道の目的が、老後資金であるのであれば良いのですが、もし他の使い道もイメージにあるのであれば、少し考えてみる必要がありそうです。仮にiDeCoと併用するなら、10年以内に使うタイミングがあれば目的別貯金、10年以上先であれば貯蓄系の生命保険の利用が良いでしょう。

まとめ

先取り貯金をしようという気持ちがあっても、上手くいかないと感じている人は多いと思います。まずは仕組みを作るため、iDeCoからスタートしても良いと思います。ただiDeCoは60歳までは取り崩しができないので、金銭的な余裕のすべてをiDeCoで使うというのはおすすめできません。やはりある程度は流動性のある方法を組み合わせて、貯金の計画を立てる必要があるでしょう。

※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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