Yahoo! JAPAN

渡邉蒼・島太星が挑む、生き別れの双子が紡ぐ不朽の名作 ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』“あおしま”ペアゲネプロレポート

SPICE

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)渡邉蒼、島太星

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』が2026年3月9日(月)より東京・シアタークリエで上演中だ。生き別れたはずの双子が互いの血縁を知らずに友情を育みながらも、時代と格差に翻弄されていく物語。1983年にイギリスで初演されて以降、世界各国で上演されてきた名作ミュージカルの日本版が、東宝製作としては16年ぶりのお披露目となる。

演出を日澤雄介が手掛け、双子のミッキー役とエディ役をWキャストにより2組のペアで上演される今作。ここでは、3月10日(火)に初日を迎えた渡邉蒼・島太星による公開ゲネプロの模様をお伝えする。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)瀬奈じゅん、安蘭けい

舞台はイギリス・リヴァプール。双子の数奇的な運命を象徴する壮大なイントロを経て、幕が上がる。冒頭、重厚かつ妖艶な雰囲気を纏ったナレーター(東山義久)が現れてこの物語がたどる結末を告げた。もの悲しさに浸る間もなく、ミセス・ジョンストン(安蘭けい)が華やかに登場。子だくさんゆえ生活が困窮している彼女が家政婦として働き始めたのは、恵まれた環境ながらも我が子を産むことが叶わなかったミセス・ライオンズ(瀬奈じゅん)と出会う。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)安蘭けい、渡邉蒼

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)島太星、瀬奈じゅん

生まれる双子のうち、1人を譲ってほしい——やむをえない事情から、赤ん坊のうちに兄弟は離れ離れになってしまった。ジョンストン家に残った子はミッキー(渡邉蒼)、ライオンズ家に引き取られた子はエディ(島太星)として育てられることに。安蘭と瀬奈が美しいハーモニーで豊かに紡ぐ「我が子」は、時に愉快に掛け合いながら楽しげにきらめいていた。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)安蘭けい、渡邉蒼、島太星

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)瀬奈じゅん、東山義久

秘密を共有する母親同士だったが、産みの母であるミセス・ジョンストンは我が子が恋しくてたまらず過干渉気味に。そんな彼女を疎ましく思い、完全な離別を言い渡すミセス・ライオンズ……母としての血が騒ぐ、2人の姿がどうしようもなくやるせない。悲哀を煽るのが、東山演じるナレーターがアグレッシブに歌い上げる「テーブルの上の靴」。母たちの決断は罪であり、悪魔に狙われることになると心をざわつかせる。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロより

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)瀬奈じゅん、島太星、戸井勝海

離れたはずの双子は、7歳で再会してしまった。パワフルで豪快なミセス・ジョンストンに育てられたやんちゃで破天荒なミッキーと、品行方正で愛情深いミセス・ライオンズに育てられた賢くてあどけないエディ。まったく違う環境で育った正反対の性質が、同じ血を持つ2人を強烈に惹きつけた。同じ日に生まれたことを運命と感じたミッキーとエディは、“血を分けた義兄弟”としての契りを交わしてしまう。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ 渡邉蒼

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ 島太星

本物の兄弟であるとは知らず、友情を深めていくミッキーとエディ。だが、育った環境の違いゆえに、再び離ればなれになってしまう。幼い2人が別れの寂しさを歌う「長い長い日曜日」は、1幕のクライマックス。渡邉演じるミッキーが無邪気だった姿から一変し、第一声から深みのある声で一気に観客を引き込んだ。呼応するように島演じるエディが、ピュアさを絶妙に残したビターな歌声で思い出を歌い上げていく。子供時代の終わりを告げる象徴的なナンバーは切なくも温かく、優しく響き合っていた。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロより (左より)渡邉蒼、秋沢健太朗

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロより (中央)島太星

2幕は、14歳となったミッキーとエディが再会。思春期ならではのコンプレックス、とびきりキュートに場面を彩っていくリンダ(小向なる)への恋を経てどんどん大人になっていく双子の兄弟。目に見えぬ血のつながりを感じさせながらも、時代は彼らを引き裂いてしまうのだった。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)渡邉蒼、小向なる、島太星

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)渡邉蒼、島太星

ミッキーは兄のサミー(秋沢健太朗)が犯罪に走ったり、やがて自身は不況により勤め先であるミスター・ライオンズ(戸井勝海)が経営する工場を解雇されたりと社会情勢に翻弄されていく。一方のエディは大学に進学して新しい友人ができ、社会的地位のある職業に就いて順風満帆。同じ血を持ちながら、まったく別の人生を送っていくミッキーとエディ。格差が止めどなく広がり、友情はやがて悲しく変貌していく……。

ミュージカル『ブラッド・ブラザーズ』ゲネプロ (左より)島太星、渡邉蒼

『ブラッド・ブラザーズ』が持つ魅力といえば、どの時代にもどの国でも通ずる普遍的なテーマのストーリー。双子同士として兄弟同士として、母親同士としての対比を緻密に描き出すことで、さまざまなモチーフやユーモアを交えながら巧みに展開していく。描かれているのは輝かしい愛と友情、その裏に存在する憎悪や嫉妬心……悲劇的ながらも、人間であれば誰もが身に覚えのある感情だ。だが、目を逸らすことなく、この物語に引き付けられてしまうのは、キャスト陣が丁寧に寄り添うことで繊細に作り上げられたキャラクター性にほかならない。7歳から大人時代まで演じるハードルの高さを悠々と飛び越えた主演コンビを主軸とした、カンパニーの底力が感じられた。

シアタークリエでの公演は4月2日(木)まで。4月10日(金)~4月12日(日)には大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。もう一方の小林亮太・山田健登ペアによる『ブラッド・ブラザーズ』と併せて、ぜひ観劇してほしい。

取材・文・撮影=潮田茗

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 高嶺のなでしこ、「可愛くてごめん」「ファンサ」全4曲をパフォーマンス〈ASIA CULTURE FESTIVAL 2026〉

    WWSチャンネル
  2. 内田瑞穂、ふんわり曲線美ボディ×上品ワンピでファン魅了!

    WWSチャンネル
  3. FRUITS ZIPPERがクラシカルで華やかな衣装でグリーンカーペットに登場!<Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』>

    WWSチャンネル
  4. “美の乱舞”佐々木久美(元日向坂46)、水野美紀らが放つ大人の色香 『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2026』

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  5. 上白石萌音がエレガントなドレススタイルでグリーンカーペットに登場!<Mrs. GREEN APPLE presents『CEREMONY』>

    WWSチャンネル
  6. FRUITS ZIPPER、5thシングルCD表題曲「ぱわーオブらぶ」のミュージックビデオ解禁!

    WWSチャンネル
  7. 板垣李光人は「いい子ちゃんぶってる?」イジられまくり 映画『口に関するアンケート』<口>プレミア

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  8. 【食べ放題ニュース】話題の「点心食べ放題レストラン」で“ステーキ&牡蠣&贅沢スイーツ”を食べまくれ!!

    ウレぴあ総研
  9. <納得いかない>妊娠中の義妹が家事育児を親に丸投げ。つわりと言えば何をしても許されるの?

    ママスタセレクト
  10. 【2026年6月】今っぽいちゅるん感を楽しめる。最新クリアピンクネイル

    4MEEE