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Tokimeki Recordsの世界へようこそ 杏里、中森明菜ら80’sヒットチューンをエレクトロ・シティポップにリアレンジ 日常にトキメキを

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Tokimeki Records

Tokimeki Records「トキメキ倶楽部」 2021.11.30 東京キネマ倶楽部

 80’sヒットチューンをエレクトロ・シティポップにリアレンジして人気沸騰中。2019年のデビュー以降、竹内まりや「Plastic Love」など数々のカバーヒットを飛ばしてきたTokimeki Recordsが、キャリア初となるライブを鶯谷の東京キネマ倶楽部で開催した。参加メンバーやボーカリストが曲ごとに変わる、謎多きグループが一体どんなパフォーマンスを見せるのか? シティポップ・リバイバル世代を中心とした熱心なファンが待ち構える中、期待に満ちた幕が上がる。

ひかり

ひかり

 最初に登場するのは、Tokimeki Recordsのメインボーカリストと言っていいだろう「ひかり」。Mime(マイム)のメンバーとしても活躍中の彼女、すらりと細身のシルエット、清楚なロングスカートを身にまとい、中谷美紀「MIND CIRCUS」を伸びやかに歌う姿が実にエレガント。バンドはドラムス、ベース、ギター、キーボード、弦楽四重奏の8名で、想像以上に激しくタイトなディスコ/ファンクビートが体を揺さぶる。ロマンチックな弦カルテットのイントロを経て一十三十一「Weather Report」へ、そして中森明菜「OH NO OH YES!」へ。ベーシスト、ギタリストが笑顔でクラップを求めてフロアを煽る。ひかりはステージを歩きながら、観客のアクションに手を振って応える。その間も、強力なドラムを中心としたファンキーなダンスサウンドは途切れることがない。音源では「オシャレ系」だが、ライブは予想よりも遥かにフィジカルな「アクティブ系」。嬉しい驚きだ。

Hannah Warm

Hannah Warm

 短い暗転を経て、次にステージに上がったのはHannah Warm。シンガーソングライター/トラックメイカー/デザイナーなど多彩な顔を持つ彼女、Tokimeki Recordsでは、包容力あふれる歌声で強靭なグルーヴをさらりと乗りこなす。シンプルなワンピースにボーイッシュなショートカットがよく似合う。曲は具島直子「Candy」から、シャカタク「Night Birds」へ、80'sから派生して90'sJ-POP、そして洋楽フュージョンへと、選曲の妙と曲繋ぎのスムーズさに脱帽だ。「Night Birds」ではピアニストが、そしてギタリストが、気迫のこもった華麗なソロで音楽にさらなるエモーションを注ぎ込む。まるでDJのノンストップMIXのように、ほぼ同じBPMで次々と曲が入れ替わりつつ、ピークタイムが下がらない。声は出せずとも、フロアはすでにダンシングタイムだ。

大和田慧

大和田慧

 三番手のボーカリスト、シンガーソングライターの大和田慧と共にトランペット奏者もステージに上がり、サウンドがさらに派手に華やかになった。大和田はふんわりパーマのボブヘアー、膝上スカート、ロングブーツ、ラメのトップス、今夜の女性たちはみなオシャレで見目麗しい。シャカタク「Invitations」ではミラーボールが初登場、テンポを上げてダンスタイムへ。「Night Birds」に続いてここぞとばかりにソロを弾きまくるピアノ、笑顔でステップを揃えて弾くベースとギター、今この会場内にはハッピーしかない。サーカス「Mr.サマータイム」はぐっとスローでノスタルジック、トランペットのフレーズが実にもの悲しく胸に迫る。ファルセットを駆使して柔らかく、しかし芯の強さを感じる素敵な歌声。Hannah Warmも大和田慧も2曲のみで、もっと聴きたいと思わせて去る、なんてぜいたくな時間だろう。

ひかり

ひかり

 そしてライブを締めくくるのはやはり「ひかり」。パンツルックに合わせた濃いピンクのジャケットが、どことなくクリスマスなムードを醸し出しつつ、Tokimeki Recordsの第一弾曲、竹内まりや「Plastic Love」をしなやかに歌い、「お楽しみいただけていますか?」と、とても丁寧な口調で感謝を述べる。この日のMCはほとんどなかったが、短いながらも気持ちのこもった言葉がいい。さらに、今や日本発シティポップの代表曲になった松原みき「真夜中のドア~stay with me」から、杏里「悲しみがとまらない」へ。ポップな曲調とは裏腹なシリアスな歌詞を、音程を飛び出しそうになりつつ、思い入れたっぷり歌う表情がいい。ギタリストがステージ最前線に飛び出して、熱いギターソロを決める。もう一度言おう、Tokimeki Recordsのライブは想像以上にアクティブでエモーショナルだ。

Tokimeki Records

 アンコールは、ひかりが歌う稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」から、Hannah Warmと大和田慧を迎え入れて3人で歌うフィナーレチューン、アース・ウィンド・アンド・ファイヤー「セプテンバー」へ。「明日から12月なので12月の曲を」と、歌詞を理解した紹介がいい。3人のマイクリレーは艶やかのひとことで、大和田慧が本編では見せなかった激しいフェイクを繰り出したり、アンコールらしいフリーダムな盛り上がりがうれしい。最後にメンバー紹介をし、再会を願って手を振るメンバーたちへの拍手が鳴りやまない。Tokimeki Recordsの最初のライブ、最高だったよ。この日の観客はみな、その記憶を胸に抱えて家路に着いただろう。

 原曲そのものの良さの再発見、エレクトロ・シティポップ的なリアレンジの面白さ、素晴らしいボーカリスト、80’sを中心とした邦楽と洋楽の音楽的つながり、などなど。Tokimeki Recordsがもたらす喜びは多岐にわたる。12月1日には最新カバー、Suchmos「STAY TUNE feat.ひかり」もリリースされ、さらに時代も広がった。未だに謎多きユニットだが、ライブでもそのパフォーマンスを十分に発揮したことで、さらに可能性は広がった。このライブの模様は、12月6日(月)23:59までアーカイブ視聴可能だ。日常にトキメキの足りない方、Tokimeki Recordsの世界へようこそ。

取材・文=宮本 英夫 撮影=chizuru maeda

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