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石井杏奈×伊藤理々杏「大人も子どもも楽しめる作品を通して、音楽のもつパワーを伝えたい」~『リトル・ゾンビガール』インタビュー

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(左から)石井杏奈、伊藤理々杏

2022年8月20日(土)より、日生劇場、NHKエンタープライズ、東宝3社が共同で制作するNHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』がスタートする。放送開始から60年以上にわたって1500を超える名曲を発信し、幅広い世代に親しまれてきたNHK「みんなのうた」のナンバーを全編に散りばめたオリジナルミュージカルの開幕に向け、主人公であるゾンビの女の子・ノノと友だちになる心優しい人間の男の子・ショウを演じる石井杏奈と伊藤理々杏(乃木坂46)にインタビューを行った。

ーーまずはお二人が演じるショウくんという男の子についてと、意気込みを教えてください。

石井:ショウくんは転校が多く内気なのですが、歌とダンスが好きで家の中では溌剌としていて、好きなものに対してはとことんまっすぐな男の子だと思います。その二面性を人間らしく演じたいです。10歳の男の子というのは、自分の中では初めて挑戦する役で未知の世界なので、ショウくんをまっとうできるように頑張りたいと思います。

伊藤:今お話にあったように、転校が多くて内気になっていって、自分の意見や思いを人に伝えるのが苦手な男の子です。でも好きなものへの熱量やまっすぐさ、人に対する優しさはすごくある。幼い故のナイーブさや繊細さがありつつ、快活なところもあって、難しい役どころだと思います。本番までの間にショウくんと一対一で向き合って、どんな子なのか、どんな思いを持って生きているのかを考えられたらいいのかなと思います。

(左から)石井杏奈、伊藤理々杏

ーーショウくんの魅力や、共感できるポイントはどこでしょうか。

石井:ノノちゃんと出会い、彼女が持つ愛やエネルギーが友情に変わったり、愛をもらったから返したいというショウくんの気持ちで友情が強くなっていきます。いただいたものを倍にして返したいという思いは私もすごくあるので、ノノちゃんとショウくんの友情の形にはとても共感しますね。

伊藤:内気だけど好きなことにまっすぐな部分は、幼い頃の自分と重なりました。私も自分の思いを親や学校のみんなになかなか伝えられなかったけど、歌やダンスは大好きだったので。共通点を活かしながら、ショウくんとも自分とも向き合う時間になるのかなと感じました。演じるのが楽しみです。

ーーショウくんは友達を作るのが少し苦手とのことでしたが、お二人の子ども時代はどうでしたか?

石井:小学生になるまでは、初対面の子にもどんどん話しかけて、一緒に遊ぶようなアクティブな子でした。当時は携帯もないので、その日公園にいる子と友だちになったりしていました。

伊藤:私は周りからおとなしいとか落ち着いてると言われることが多くて、今とあまり変わらない感じでした。誰とでも仲良くなるというよりは、引っ込み思案な子どもでしたね。親から「今日は学校で何したの?」って聞かれても「分かんない」って答えるような子どもだったので、ショウくんの気持ちはちょっと分かります。

ーー子どもの頃の友だちとの印象的なエピソードがあれば教えてください。

石井:男女問わずみんなでドッジボールやバレーボールをしていました。男兄弟に挟まれていたこともあり、「女の子だからって手加減しないで」くらいの感じで、本気でやっていましたね。

伊藤:小学生の時は、内気だったけど学級委員とかをするのが好きでした。生徒会選挙に立候補するか悩んでいた時に友だちが背中を押してくれて、すごく応援してくれたんです。それもあって生徒会長ができて、今でも感謝しているというか、嬉しかったのを覚えています。

ーー今回同じキャラクターを演じるお二人ですが、お互いの印象はいかがですか?

石井:ワークショップで初めてお会いしたのですが、その時に理々杏ちゃんの年齢を聞いて、19歳なのにとてもしっかりしていると思いました。また、理々杏ちゃんは乃木坂46、という大所帯で活動してきて。たくさんの人がいる中で自分を保つことはとても大変だと思うのですが、理々杏ちゃんはしっかりしていて芯もありカッコいいです。ワークショップでも、言われたことを何倍にもして表現していたり、その素直さや貪欲さが素敵だと思いました。

石井杏奈

伊藤:ワークショップでお会いしたときに、自分にないものをたくさん持っている方だと思いました。私は思いついたら体が動くタイプなんですが、石井さんは自分の中で深く考えて咀嚼して、自分なりに答えを出してから発言するタイプ。石井さんの口から出る言葉の一つひとつがすごく素敵なので尊敬していますし、稽古期間にもっと見て参考にさせていただきたいと思っています。

ーーまだワークショップの段階ということですが、今のところ、かなり印象の違うショウくんになりそうですね。

石井:先ほども二人で、全然違うショウくんが出来上がりそうだねと話しました。理々杏ちゃんのショウくんを見るのがとても楽しみです。

伊藤:私もすごく楽しみです! キャストごとに違う色が出るのがWキャストの良さだと思うので、皆さんにも早く観てもらいたい気持ちでいっぱいです。

ーー同じくWキャストでノノちゃんを演じる髙橋ひかるさん、熊谷彩春さんの印象を教えてください。

石井:お二人とも醸し出すオーラなどがノノちゃんそのものです。制作発表の時も隣にいてくれるのがとても心強かったです。ノノちゃんがたくさん引っ張ってくれるところは物語とリンクしていると思いました。

伊藤:二人とお会いした時に、明るさや気さくさ、笑顔が、私が想像していたノノちゃんだったんです。それが本当にすごいと思いました。私たちが違うショウくんを演じるように、お二人も違うノノちゃんを演じられると思うので、それぞれのノノちゃんとお会いするのが楽しみです。

(左から)石井杏奈、伊藤理々杏

ーー制作会見の時に「ここでこの歌が出てくるのかという新しさも」というお話がありました。確かに、状況にピッタリあっているわけではないけど、この曲を聴くとなんだか励まされる、癒されるという曲はあると思うんですが、お二人にとってそういう曲は何かありますか?

石井:私はやはり「手のひらを太陽に」です。いつからこの歌を覚えたのだろうというくらい、物心ついた時には歌えるようになっていました。一人が歌うとみんな歌い出すような合唱曲でもありますし、歌詞も自分を励ましてくれるものです。音楽は自分の支えになっているので、疲れた時に鼻歌や口ずさんだりするととても元気が出ます。

伊藤:「WAになっておどろう ~イレ アイエ~」は聴いていてすごく元気になります。リズムもポップで、メロディも明るくなれるし、歌詞がすごくいいなと思って。人に語りかけてるような歌詞じゃないですか。手を差し伸べてくれるような優しい曲だと感じます。落ち込んでる時って一人になりたくなったり、人に会いたくなくなったりしちゃうけど、その中でこの曲を聴くと、自分の周りを見渡して、もっと人に頼ってもいいのかなと思えるし、みんなと笑顔になれるように頑張りたいなと思えるので、すごくパワーをくれる曲です。

ーーカンパニーの魅力や楽しみなことはありますか?

石井:全国各地に行くのですが、そこでどのようなステージになるか、どんなふうにひとつになるか。全国各地でその場所ならではの楽しみ方があるとキャストの皆さんから聞き、そういう経験がないのでとても楽しみになりました。その土地で皆さんとの思い出が増えることが楽しみですね。

伊藤:今日初めてお会いした方もたくさんいらっしゃったんですが、皆さん気さくで明るくて、この作品にぴったりだと感じました。お会いする前もすごく楽しみにしていましたが、皆さんと会ってより一層楽しみになったし、このカンパニーならたくさんの人を笑顔にできるなと感じました。全国を回って、色々な方々にパワーや元気を与えられるんじゃないかなと思います。

ーー現時点での注目ポイントはありますか?

石井:みんなで歌ったり、何人かでユニゾンする部分もあるのですが、ずっと一人でボーカルレッスンをしていたので、初めて揃えた時にすごく感動しました。やはり皆で歌うと音楽の力は大きくなると実感したので、みんなで創りあげる歌の力やお芝居の力、ダンスの力を見てほしいです。

伊藤:本当に大人から子どもまで楽しめる作品になっていて、子どもでも分かるお話だけど、その中に大人がハッとさせられる場所がある。自分も台本を読んでいて、こうやって考えるんだとかこういう思いを忘れていたとか考えさせられた部分がたくさんありました。大人の方にはそういうところを見てほしいし、お子さんは考えるのも良いですが何より楽しんでほしいです。歌の力は本当にすごいので、歌もたくさん聞いていただきたいですし、会場全体で一体となって盛り上がっていけたら良いなと思います。

伊藤理々杏

ーーノノちゃんはショウくんと出会うことで大人から教えられていたことに疑問を持つとのことです。お二人には、これまでの人生で印象に残っている、価値観が変わるような出会いや出来事はありますか?

石井:実家から出て一人暮らしを始めたのが高校一年生の頃だったのですが、当時はとても反抗期でした。母にもあまり仕事のことなど報告していなくて。一人暮らしを始める引越しの日に仕事があり、母が色々としてくれました。家に帰ったら長い手紙が置いてり、「自分の進みたいように進んでいいけど、人への感謝や報連相はしっかりやっていきなさい。それが自分のためになるから」と。それまでは兄弟が多くて家の中が賑やかだったのに一人暮らしで急に静かになって、少しホームシックになってしまったのですが、それもあって母の言葉がとても心に響きました。今でもその言葉が心に残っていて、仕事をする上で大切なことを忘れてはいけない、きちんとやっていこうと思いました。

伊藤:舞台のお仕事で出会った皆さんがすごく影響を与えてくださっているなと思います。舞台の稽古中って自分の気持ちや役に対する思いを共有する場面がたくさんあるんです。その時に、他の演者さんの意見や思いを聞くと、一人ひとりの考えにハッとさせられるというか、自分にない見方や考え方などを受け取ることができます。舞台のお仕事をすると、自分の視野が広がってすごく楽しいと感じます。

ーー最後に、読者へメッセージをお願いします。

石井:本当に楽しい内容なので、構えずに観に来ていただきたいです。子どもも大人も問わず、人間としての大切なものを表現している作品なので、楽しみつつも自分が気付けていない何かを見つけるきっかけになれば。観にきてくださった皆さんの人生をより輝かせられるように頑張って良い作品を作るので、とにかく楽しんでいただけたら嬉しいです。

伊藤:最近、暗いニュースも多く耳に入ってくるので、そういうつもりはなくてもネガティブになってしまうこともあると思うんです。この舞台を観ている間は頭を空っぽにして、この舞台のことだけを考えて楽しんだり笑ったりしてもらえたらいいなと思っています。そして、この舞台が皆さんの心に残って、人生を歩んでいく中で立ち止まった時などに思い出して、ちょっとでも明るい気持ちになってもらえたら。皆さんにパワーをお届けできるように精一杯頑張っていきたいです。

(左から)石井杏奈、伊藤理々杏

取材・文=吉田沙奈   撮影=池上夢貢

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