市内高齢者施設 「狂言」で認知症予防 プロの「小舞」も鑑賞〈川崎市高津区〉
川崎市内にある高齢者施設「バナナ園グループ生田ヒルズ」(多摩区)で、伝統芸能を認知症予防に役立てる取組み「狂言教室」が開催された。
同所では、入居者の認知症の進行や身体機能の低下を防ぐため、運動療法や園芸療法などを取り入れている。先月行われた「狂言教室」は、和泉流宗家の狂言師を招き、2010年から継続して実施されている。
今年の狂言教室は、プロの女性狂言師である十世三宅藤九郎さんを講師に招き、狂言内の短い歌「小舞謡(こまいうた)」の習得を目指し、昨夏から月に一度のペースで開催してきた。
この日は2度目となる対面教室で、狂言特有の発声方法やセリフの練習を、30分ほどかけて入居者とスタッフが体験。続いて藤九郎さんが狂言小舞を披露し、入居者を魅了した。
藤九郎さんは「対面だと上達が手に取るようにわかり、私もうれしい。狂言は、人間がどんな境遇でも笑うことを選択してきた一つの証。楽しんで頂けて本望」と話していた。