“耳のきこえない母”と“きこえる息子”の心に響く物語 主演・吉沢亮×呉美保監督『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
主演に吉沢亮を迎え、呉美保監督9年ぶりの長編作品となる『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が、9月20日(金)より公開される。このたび、場面写真が解禁となった。
なお、撮影場所ともなった原作者・五十嵐大の出身地・宮城県では、9月13日(金)より先行上映が決定し、6月14日(金)~23日(日)、中国・上海で開催される「第26回上海国際映画祭」コンペティション部門正式出品とワールドプレミアが決定した。今回の正式出品を受け、呉美保監督、上海国際映画祭プログラミング・ディレクター徐昊辰よりコメントが到着した。
“耳のきこえない母”と“きこえる息子”
2014年「モントリオール世界映画祭」ワールドコンペティション部門最優秀監督賞に輝き、「第87回アカデミー賞」外国語映画賞部門の日本代表作品に選出、そして2014年「キネマ旬報ベスト・テン」1位に輝く『そこのみにて光輝く』の監督・呉美保が、9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、“コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)”という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」。
脚本を担当したのは、『ゴールド・ボーイ』(24)、『正欲』 (23)等を手掛ける港岳彦。主演を務めるのは、「キングダム」シリーズ、「東京リベンジャーズ」シリーズなどの話題作から、作家性の強い監督作など、幅広い作品に出演し、2025年には吉田修一原作、李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮。本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。
場面写真は、吉沢亮演じる主人公・五十嵐大の瞳が印象的なカットをはじめ、東京から故郷・宮城へと向かう車内、数年ぶりに故郷に戻ってきた大人になった大と子供のころの大が橋を渡るシーンなど、本作の空気感と大の心情が伝わるカットの数々だ。
さらに、少しぎこちない母・明子(忍足亜希子)と大の場面や、父・陽介(今井彰人)と母の愛情溢れる子供のころの家族写真など、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来する大の人生を感じさせる、どこか懐かしく温かな瞬間を切り取っている。
「第26回上海国際映画祭」コンペティション部門正式出品&ワールドプレミア決定
6月14日(金)~23日(日)、中国・上海で開催される「第26回上海国際映画祭」コンペティション部門に本作が選出され、正式出品とワールドプレミアが決定した。本作のワールドプレミアは6月21日(金)、コンペティション部門の最高賞となる金爵賞の発表は6月22日(土)に予定。呉美保監督が現地入りし、21日に開催されるワールドプレミアで舞台挨拶を行うほか、レッドカーペットにも登場する予定だ。
<コメント>
呉美保(監督)
この映画のワールドプレミアが上海国際映画祭コンペティション部門だなんて、これほどしあわせな幕開けがあるでしょうか。日本の片隅で人知れずもがきながら生きる男の子のささやかな心の機微を、アジアの、世界の、みなさまがどう受け取ってくださるのか、その反応をこの肌で感じに、さらには選ばれし新しい映画たちにも出会いに、いざ上海、行ってきます!
徐昊辰(上海国際映画祭プログラミング・ディレクター)
きこえる世界、きこえない世界、そして、そこに生きている1人のコーダ。呉美保監督は、優しい視線で彼の揺れ動く心の成長を静かに見守っている。“ふたつ”の世界は、“ひとつ”になった時、きっと一番幸せに違いない。こんな素敵な作品を上海国際映画祭でワールドプレミアができるとは、最高に嬉しい!
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は9月20日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー