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藤森工業 新製造棟と開発棟、24年末竣工へ 名張市滝之原に

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三重事業所の外観。赤部分が新製造棟の建設予定場所=名張市滝之原で(提供写真)

包装資材製造 需要年1・5倍増の製品も

 食品、情報機器、医療などの各分野で使う包装資材を生産・販売している藤森工業株式会社(本社・東京都文京区)は、点滴用の樹脂製バッグを中心に医薬品の包装材を生産している三重県名張市滝之原の三重事業所に、2024年12月に新製造棟と開発棟を竣工する計画を発表した。新製造棟では、バイオ医薬品やワクチンの製造工程で使う、1度しか使用しないシングルユースのフィルム製バッグ製品「バイファス」(登録商標)を量産する。

 バイオ医薬品は、がんやリウマチなどの免疫疾患、希少疾患など医療ニーズの高い分野の治療に使用されている。製造プロセスの細胞培養や精製、製剤の各工程では、多くのシングルユース製品が使用されている。

 シングルユース製品は洗浄や滅菌が不要で、品質の検証も不要となり、時間、コスト、環境負荷の低減につながるため、製薬会社の製造工程に盛んに導入されているという。

 バイファスは使い捨ての手軽さから、研究段階では研究者が小型のフィルム製バッグを使い、複数の新薬テストを繰り返すことが可能になる。また量産段階では、ラインの設備に応じて1㌧級の大きさにスケールアップでき、さまざまな製品形状のカスタマイズに対応し、高品質な製品を安定的に供給できる特長があるという。

 最近は新型コロナウイルスの感染拡大で、ワクチンや治療薬などの新薬を作るニーズが急速に高まっており、バイファスの需要は毎年約1・5倍の勢いで増加。生産能力の増強が望まれていた。

 新製造棟は、現在の第1製造棟とほぼ同じ9000平方メートルの規模を予定。厚生労働省が医薬品メーカーに課している「GMP」という厳しい基準と同等な管理の下、バッグやコネクターなどの関連部材の内製化を高め、生産ラインの自動化・電子化も進めていく。

三重事業所の染谷崇文所長

「つつむ心」で発展

 同事業所では開発棟、厚生棟の増築も行い、カフェスペースなど働きやすい職場づくりも進める。これに伴い、開発、製造、品質管理などの分野で人材を募集していく方針だ。稼働時には、新製造棟の従業員は170人規模になる見通し。

 今年で創業108年の同社は元々、包装フィルムを使った「つつむ心」で発展してきた。今ではシャンプーや食品など生活用品の個別包装、テレビ、スマートフォンなどの情報機器の表面保護フィルム、更に医薬品の分野へと用途を広げている。

 同社が営業の同一性を表す「ハウスネーム」として使用する「ZACROS」グループは昨年3月末現在、国内に7か所、海外に8か所の生産拠点があり、連結の従業員数は約2500人、売上高は約1200億円。名張市には、10年前に展開した三重事業所に先駆け、44年前から操業している名張事業所(蔵持町芝出)があり、胃薬など口から飲用する薬の包装材料を生産している。

 三重事業所の染谷崇文所長は「安心・安全な製品を届けることを第一に考え、また既存のやり方にはとらわれず、他と違うことに挑戦し、常に最先端であることを目指している。新棟の建設を契機に、安定供給とともに次世代に誇れる製品を創出し、社会・地域に貢献したい」と話している。

2022年4月23日付818号6面から

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