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【鎌倉 学びスポットレポ】鎌倉彫会館 - 鎌倉時代から続く日本の伝統工芸品、鎌倉彫の魅力に触れる

湘南人

鎌倉駅東口から徒歩5分ほど。鶴岡八幡宮へと続く若宮大路沿いに建つ「鎌倉彫会館」は、1968年(昭和43年)に鎌倉彫の活動拠点として誕生しました。

現在の館内には、鎌倉彫の歴史と魅力を紹介する資料館をはじめ、鎌倉彫の製品をそろえたショップ、さらには教室まで併設されています。

展覧会や体験プログラムを通じて、伝統工芸を広めるだけでなく、産業と教育の両面から鎌倉彫の未来を支える“総合施設”として、今も活発に活動している場所です。

「鎌倉彫は知っているけれど、実はじっくり見たことがない」という筆者。今回、初めて鎌倉彫会館を訪れ、館内をじっくり巡ってきました。その様子をレポート形式でお届けします!

館内案内

1階

館内に入るとまず目に入るのが、2025年12月にオープンしたばかりの日本料理店「鎌倉 寸草」。鎌倉彫の器に盛りつけられた、季節の野菜を中心とした料理を、昼・夜ともに楽しむことができます。

その隣には、鎌倉彫の品々をそろえたショップ「俱利(ぐり)」が併設されています。鎌倉彫会館を運営する鎌倉彫協同組合所属の作家による、アクセサリーやボールペン、小物など、幅広い鎌倉彫アイテムを購入できます。

奥には「ギャラリーg」があり、鎌倉彫をはじめ、さまざまな作家による展示会やイベントが定期的に開催されています。

2階・4階

2階と4階には、「鎌倉彫会館 文化教室」が行われるスペースや、趣味・お稽古・同好会など、用途に合わせて利用できるレンタル教室が整備されています。鎌倉彫だけでなく、幅広い日本文化を学び楽しむ場として、多くの人に活用されています。

さらに、2階の受付前では、木地や彫刻刀といった制作材料のほか、鎌倉彫の書籍や図録、ポストカードなども販売されていました。

3階

3階は、鎌倉彫の歴史と名品に触れられるミュージアム「鎌倉彫資料館」。こちらは有料で、館内は作品保護のため撮影禁止。やや照明を落とした静かな空間が広がり、日常のざわめきから離れて、鎌倉彫の世界にじっくり浸ることができます。

制作工程が順を追って展示されており、ひとつひとつの技術の精巧さには思わず息をのんでしまいます。取材時には特別に学芸員さんが丁寧に解説してくださったので、作品を眺めながら歴史に触れ、鎌倉彫をより身近に感じることができました。

歴史や作品の魅力を深く知ることができる貴重な資料館なので、少しでも興味がある方にはぜひ訪れてみてほしい場所です。

鎌倉彫の歴史

鎌倉彫の起源は、鎌倉時代(13世紀半ば)。当時、宋(中国)からもたらされた美術工芸品の中にあった「彫漆(ちょうしつ)」と呼ばれる漆工芸品が大きな影響を与えたとされています。

その美しい意匠に感銘を受けた仏師たちが、これを手本に木に彫刻を施し、彩漆を施した木彫彩漆(もくちょうさいしつ)の仏具を作り始めたことが、鎌倉彫の始まりとされています。

室町時代には仏具として、江戸時代には茶道の普及・一般化と共に茶入れなどとして広く使われるようになり、明治大正時代には神仏分離を経て、仏師たちは仏像から鎌倉彫の製作へ大きく転換。現代の鎌倉彫の基礎を築き、生活工芸品として日用品やお土産として作られるようになりました。

戦後の高度経済成長期には、手仕事の温かさが再び求められるようになり、鎌倉彫はひとつの産業として確立。工芸品として多くの人々に愛用されるようになり、また、趣味としての鎌倉彫教室も人気を集め、全国へと広がり、今では多くの人がその名を知る存在となりました。

都内育ちの筆者ですが、振り返ってみると実家にも鎌倉彫のお盆があったことを思い出します。気付けば身近にあった鎌倉彫には、実に800年を超える歴史が受け継がれており、その気品と風格は今も変わることなく暮らしに寄り添っています。

伝統を守りながら、時代とともに新しい表現を取り入れてきた鎌倉彫。今もなお進化を続ける、誇るべき日本の工芸品です。

800年の歴史が息づく、鎌倉彫の工程

鎌倉彫は、木に彫刻を施し、その上から漆を塗り重ねて仕上げる「木彫彩漆(もくちょうさいしつ)」と呼ばれる技法の工芸品です。主に日本古来の素材である桂(かつら)を用い、器や家具に模様を描き、陰影豊かな彫りを施し、漆の深みある色調が重なり合うことで、独特の美しさが生まれます。

制作はまず、木地師による木地づくりから始まります。この工程だけでも多くの手順があり、素材の乾燥に1年から数年かかることもあるほどの根気が必要です。

その後、図案に基づいた絵付けを行い、彫師が繊細な彫刻を施します。最後に塗師が漆を何度も塗り重ね、磨き上げて仕上げていきます。

彫る作業も、塗る作業も、ひとつひとつが細かな工程に分かれており、完成までには3カ月以上の時間を要するそうです。

こうして多くの職人の手を経て生まれる鎌倉彫には、長い工程を重ねるだけの魅力と存在感が宿り、人々の記憶に残る作品となっていくのですね。

800年以上続く伝統工芸・鎌倉彫。受け継いできた技を守りながらも、これからどのように進化していくのか…想像するだけで胸が高鳴ります。

鎌倉散策の途中で、鎌倉彫の魅力に触れてみては

身近にあるようで、実は知らないことも多い鎌倉彫。その歴史や制作工程を知ることで、鎌倉彫の魅力をより深く感じられる場所が「鎌倉彫会館」です。

近年はワークショップを中心とした教育普及活動にも力を入れており、子ども向けや親子向けの鎌倉彫体験も開催されています。

まだ彫刻刀が扱えない小学校低学年向けの体験プログラムもあり、鎌倉市の補助事業として実施されているため、お手頃な価格で参加できるのも嬉しいポイント。

筆者も、子どもたちが小学生になったら一緒に参加してみたいと考えています。興味のある方は、ぜひ公式サイトで詳細をチェックしてみてくださいね。

また、大人向けには、第1・第4土曜日に事前予約なしで参加できるワークショップも開催されています。自分の手で「世界に一つだけの鎌倉彫」を作ってみるのも素敵な体験です。

鎌倉彫会館は駅からほど近く、散策の途中にふらりと立ち寄るのにもぴったりのロケーションです。鎌倉散歩の合間に、ぜひ鎌倉彫の奥深い魅力に触れに訪れてみてくださいね。

鎌倉彫会館

営業時間

9:30〜17:00

鎌倉彫資料館など、施設により営業時間が異なります。詳細は公式サイトでご確認ください。

休館日

施設により休館日が異なります。詳細は公式サイトでご確認ください。

入場料

鎌倉彫資料館のみ有料

大人 300円(20名以上の団体250円)、小・中学生 150円(20名以上の団体100円)

※特別展は料金が異なります。

アクセス

JR・江ノ電鎌倉駅より徒歩5分

住所:〒248-0006 神奈川県鎌倉市小町2-15-13

駐車場:なし

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