噛まない人ほど損してる!? 胃腸・脳・自律神経を同時にケアする方法とは【眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話】
胃と腸の不調はよく噛めばよくなる!
脳の活性化や自律神経の調節にも関わる
幼い頃、両親から「よく噛んで食べなさい」と注意されたことがある方もいるのではないでしょうか。実はこれ、胃腸の快調を保ち、健やかな体でいるうえで非常に大切な教えなのです。
咀嚼とは食べた物をよく噛んで細かくし、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくする作業。食物を細分化すればするほど胃に送られてからの消化がはかどり、栄養の吸収もスムーズになります。
咀嚼のメリットはそればかりではありません。あごや顔面を動かすことが、感覚神経を通して脳を刺激します。知覚や学習を担う大脳皮質、生命維持に重要な視床下部などを活性化させるのです。さらに、咀嚼は唾液の分泌を促すため噛めば噛むほど唾液のもつ血管拡張作用や神経成長作用が強まり、それによって自律神経が整えられます。よく噛むことでリンパの流れもよくなるともいわれ、咀嚼は簡単な健康法でもあるのです。
私は患者さんに「液体も噛みながら飲んでください」とアドバイスします。これは上記の理由のほか、口やあごを動かすことで胃の働きをよくするホルモンが分泌され、口と連動する胃の筋肉の動きもよくなるからです。とくに早食いの方は、食べ方を見直しましょう。加えて消化の悪い揚げ物やレトルト食品中心の食事をしているなら、胃腸障害のリスクはさらに高まります。体を養うはずの食事で健康を損なうことになりかねません。
食べた物が細かくなればなるほど胃と腸は回復が早い
消化するための固体が小さいほど、胃に負担がかかりにくくなり、食べた物が胃に長時間滞留しなければ、吐き気や胸やけなどの症状もないので、咀嚼は胃の健康を保つためにとても大切なのです。
早食いのサラダより、よく噛んだ肉のほうが消化が早い!?
実は野菜などの食物繊維は胃では消化されないため、咀嚼不十分では胃にかなり負担が。その点、実はたんぱく質は、消化が早いので咀嚼をしっかりすれば、サラダよりも早く消化します!
噛むことは脳にも刺激をあたえる
【POINT】汁物も、嚙みながら飲む!
あごを動かすと胃の働きをよくするホルモンが分泌されます。 口と胃の筋肉は連動しているので、噛むことで胃の動きも活発に!
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話』著:福原 真一郎