Yahoo! JAPAN

もう「引き立て役」はご免!与那覇勇気が辰吉寿以輝とサバイバルマッチ

SPAIA

与那覇勇気,ⒸSPAIA

エデイオンアリーナ大阪で23日ゴング

23日にエデイオンアリーナ大阪でプロボクシング「Prime Video Presents Live Boxing 6」が行われる。

メインは寺地拳四朗(32=B.M.B)とカルロス・カニサレス(30=ベネズエラ)のWBA・WBCライトフライ級タイトルマッチ。セミファイナルで那須川天心(25=帝拳)がボクシング転向3戦目に臨む。また、ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が初めて世界に挑むWBAフライ級タイトルマッチも組まれており、豪華なラインナップとなっている。

その中で、世界戦や天心戦と同じくらい注目されているのが、日本バンタム級10位・与那覇勇気(33=真正)と辰吉寿以輝(27=大阪帝拳)の54.5キロ契約8回戦。3度、世界バンタム級王座に就いた「カリスマ」辰吉丈一郎の次男としてプロデビューし、14勝(10KO)1分けと無敗をキープする辰吉が、天心のデビュー戦の相手を務めて6回判定負けした与那覇を何回に倒すかが最大の見どころだろう。

辰吉はケガでブランクを作ったため現在はノーランカー。無敗とはいえ、27歳とボクサーとしては決して若くない。偉大な父に続いて世界を目指すには、ここらでつまずくわけにはいかない。天心が倒せなかった与那覇をKOできれば最高のアピールになる。

しかも、辰吉と天心がともに勝てば、次戦で両者の対戦を期待する声もある。階級もほぼ同じでネームバリューの高い選手同士のため、ノンタイトル戦でも盛り上がることは間違いない。世界に向けたサバイバルマッチと言えるだろう。

辰吉の強打を空転させられれば与那覇にも勝機

しかし、与那覇勇気もそんな周囲の空気が面白いはずはない。昨年4月に天心に敗れた後、8月にタイ選手に判定勝ちし、戦績を13勝(8KO)5敗1分けとした。33歳という年齢を考えると後がなく、再びトップ戦線に浮上するにはこれ以上の負けは許されない。

好戦的なスタイルと歯に衣着せないビッグマウスはいかにもプロボクサーといった風情だが、意外にアマチュアキャリアも豊富。沖縄向学高時代に高校選抜バンタム級で優勝し、東洋大ボクシング部を経てプロ転向した。アマチュア戦績は50勝(27KO・RSC)13敗と63戦のキャリアを誇り、プロの19戦も含めて、修羅場をくぐってきた回数では辰吉より上だ。

一発のパワーでは辰吉に劣るものの、経験や試合巧者ぶりでは決して引けを取らないだろう。フットワークやトリッキーな動きで的を絞らせず、辰吉の強打を空転させることができれば、与那覇が勝っても何ら不思議ではない。

天心戦は完全に「引き立て役」だった与那覇。今度こそ「主役」として勝ち名乗りを受けられるか注目だ。

【関連記事】
・那須川天心は待望のKOなるか?初の世界ランカーと試金石のボクシング3戦目
・井上尚弥のKO完勝が「苦戦」に見えた理由、データで見るボクシング4団体統一戦
・失意のKO負けから3年…4階級制覇狙う田中恒成の復活ストーリーはまだ通過点

記事:SPAIA編集部

【関連記事】

おすすめの記事