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『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』連載インタビュー第19回:伊藤さとし役・鶴岡聡さん×石毛ふくし役・落合福嗣さん×佐藤だいすけ役・阪口大助さん 後編|アドリブでも不思議と声が揃う3人。令和の時代には珍しい“熱さ”を感じてほしい

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年10月より連続2クール放送中の『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』。

「仮面ライダーになりたかったから」 40歳になっても本気で「仮面ライダー」になろうとしていた男・東島丹三郎。その夢を諦めかけた時、世間を騒がす「偽ショッカー」強盗事件に巻き込まれてしまい……。『エアマスター』『ハチワンダイバー』の柴田ヨクサル先生の漫画を原作とする「仮面ライダー」を愛しすぎるオトナたちによる“本気の仮面ライダーごっこ”がここに開幕します!

アニメイトタイムズでは、各話放送後にキャスト陣へのインタビューをお届け! 第17回は、伊藤役・鶴岡聡さん、石毛役・落合福嗣さん、佐藤役・阪口大助さんに物語を振り返っていただきました。

前回はこちら

【写真】『東島ライダー』鶴岡聡×落合福嗣×阪口大助インタビュー後編【連載第19回】

アドリブでも不思議と声が揃う3人

ーー伊藤・石毛・佐藤の3人は一緒に台詞を言うシーンが多かったと思いますが、タイミングを合わせる難しさなどはありましたか?

伊藤さとし役・鶴岡聡さん(以下、鶴岡):不思議と声は揃いましたね。台詞を分けて読んだ時も、タイミングだけでなく、テンションの盛り上がり方まで上手く噛み合っていました。僕たち3人の気持ちが一つになっていたからだと思います。

ーーアドリブが揃うこともあったのでしょうか?

鶴岡:ありました! 例えば、兄貴に対する返事として台本には「はい」と書いてあったのですが、僕たちはテストの時から自然と「へい」という言い方で揃えていました(笑)。

佐藤だいすけ役・阪口大助さん(以下、阪口):そうでした(笑)。下っ端感を出したかったのだと思います。

鶴岡:3人一緒に言う「へい」の声がずれたことはほとんどなかったです。

ーーどのようにしてタイミングを合わせていたんですか?

阪口:一緒に収録していると、相手の「さあ行くぞ」という空気が伝わってくるんです。だから、この3人で一緒に収録出来て本当に良かったと思います。もし収録がバラバラだったり、マイクの間にアクリル板があったりしたら、途端にタイミングが合わなくなっていたでしょうから。

鶴岡:僕も同感です。アクリル板もなく、横に一緒に並んでいたからこそ、3人で声を合わせられたのだと思います。

石毛ふくし役・落合福嗣さん(以下、落合):1本のマイクを3人で割ったこともありましたが、それもコロナ禍ではできなかったですからね。

絵には負けられないという気持ち

ーーアフレコ現場全体の雰囲気はいかがでしたか?

阪口:「とりあえず声を出しておけ!」みたいな熱い空気がありました(笑)。この現場の熱量も、別収録だったとしたら存在しなかったものだと思います。作品と同様、現場にも愛と熱量が溢れていましたよ。

鶴岡:本番に声を取っておくというタイプの人がほとんどいないんですよね。皆さん、テストからガンガン声を出していました。

阪口:しかも、それがすごく楽しいんですよ。これも一緒に収録する良さだと思います。相手の熱量が高ければ、自分はその上を行きたくなりますし、すると相手もさらに上を行こうとするので、最終的に熱量がとんでもないことになるんです。

鶴岡:相乗効果で熱がどんどん高まっていくんですよね。

ーー原作の熱量を表現したいということでしょうか。

鶴岡:もちろん原作あってのアニメですけれど、絵には負けたくないという気持ちもありますね。

阪口:そうですね、僕もその気持ちはあります。絵に負けるくらいなら、漫画を読めばいいですし、アニメ化もしなくていいということになってしまいますから。僕は、そういうところにアニメ化する意義があると思うんです。漫画とアニメ、どちらにも良さがありますが、アフレコにおいては絵に負けないという気持ちで臨んでいます。

鶴岡:漫画を読む時には、読者の方々がそれぞれ頭の中で台詞を自分なりの解釈で再生していると思います。でも、監督が作り上げようとしている映像の世界には声が付いている。僕たちはその世界にちゃんとはまって、一緒に作品を作り上げたいと思って声を入れているんです。だからこそ、スタジオ内の熱量も高いのだろうと思います。

鶴岡:そういう気持ちを共有している人たちと一緒に芝居することによって、同じ方向に引き上げてもらっている感覚もあります。2人がいるからこそ、僕も熱量を持って臨めますね。

ハプニングを通してチームワークを再確認

ーーアニメ第17話、第18話では伊藤・石毛・佐藤がアイドル「コンバットガールズ」のライブへバイトに行く話が描かれました。

阪口:スタジオがとても華やかでしたね。この作品の収録中、あの回ほど現場に女性が多かったことはなかったんですよ。「これは違う現場かしら?」と思うくらいでした(笑)。

落合:たしかに、あの回は女性が多かったですね(笑)。

阪口:さらに言えば、その方々はAパートの収録で帰られたので、我々だけ後に取り残されたんですよ。落差がすごくて(笑)

鶴岡:ちなみに、僕はコンバットガールズがとても怖かったです(笑)。

ーー元は可愛い女の子ですが、襲われたら怖いですよね。

阪口:そういえば、男性アイドルのショッカー戦闘員は出てきませんでしたよね。コウモリ男はショッカー戦闘員にする相手を選り好みしているのかな(笑)。

落合:アイドル事務所の役員はショッカー戦闘員に変わっていますけど、アイドルは確かに女性だけでしたね。

鶴岡:僕も、第18話でコウモリ男が「ショッカーにしてやろうか?」と言ってきたシーンで、「俺達の血で良いのかな?」と思っていました。コウモリ男としては、吸うならアイドルの血の方が良いんじゃないかって(笑)。たしかに。吉野さんの芝居も相まってゾっとしました。

阪口:コウモリ男みたいなキャラクターを担当した時の吉野君は、ぞわっとする演技をしますよね。

ーー収録中には、何か印象的な出来事はありましたか?

鶴岡:実は、17話の収録でとんでもないNGをやらかしてしまいました。伊藤・石毛・佐藤の3人がアイドルライブの警備バイトに行く時に、兄貴に対して「行ってきます」と言うシーンがあるのですが、本番で台詞を一拍早く言ってしまったんですよ。

でも、僕の台詞の後に2人が続くことになっていたので、正しいタイミングで言い直そうと思ったんです。結局、「行ってきます……行ってきます!」と同じ台詞を2回続けて、コールアンドレスポンスみたいになってしまいました(笑)。そのせいで、津田さん(中尾役:津田健次郎さん)が少し笑ってしまいまして。

落合:卒業式みたいになっていましたね(笑)。

阪口:アイドルの現場とは言え、「行ってきます」でコールレスポンスはいらなかった(笑)。

鶴岡:でも、その後落合さんや阪口さんが、固まっていた僕の代わりに「兄貴すみません!」と津田さんに謝ってくれたんですよ! 僕の窮地を救ってくれた2人に愛を感じた瞬間でした(笑)。「3人でやっていて良かった」と改めて思いましたね。そういった意味でも、今まで積み重ねてきたものの集大成を感じました。

阪口:集大成がそこなんですか!?(笑)

鶴岡:というのは冗談で、単純に鶴岡聡が救われた瞬間でした(笑)。でも、共演者として本当に幸せでしたよ。

落合:あのシーンはぜひNGクリップになってほしいですね。兄貴が「おお……!」と反応していましたから(笑)。

鶴岡:NGはないに越したことはないのですが、そういったハプニングの対処も含めてチームワークを感じられました。2人のおかげで僕もあまり凹まずに、「迷惑をかけてごめんなさい」と言えましたから。

阪口:全然迷惑じゃないですよ!

鶴岡:ほら、こういう風に言ってくれるんです。これがチームワークの良さですよね。役者としても、このチームで良かったと思える瞬間があったので、個人的に第17話、第18話には結構思い入れがありますね。2人とも、本当にありがとうございます。

落合:急に!?(笑)

阪口:でも、嬉しいですね。

令和の時代に珍しい“熱さ”を感じてほしい

ーー第18話はコウモリ男が3人の前に登場する不穏な終わり方でしたが、現時点で今後の展開はどうなると思いますか?

阪口:不穏ですよね……。このままだと、我々3人は死んでしまいます。

落合:あのままだと……そうですよね。まさに改造された仮面ライダーの気持ちです。本当だったらこのまま終わってしまいますけれど、そこからどうなるかというところです。兄貴の今後も心配ですし。我々3人はこのまま出番がなくなってしまうのでしょうか。

阪口:あのまま終わり!?

ーーその直前には、中尾を逃がすために3人が女ショッカー戦闘員の大群と戦う緊迫したシーンがありましたが、演者としてはどのような心境でしたか?

阪口:3人がすごく頑張って戦っていたのは分かるのですが、台本のト書きには「アイドル達の胸に顔を埋めながら」と書いてあったんです(笑)。

落合:そうなんですよ。戦っている3人の顔が幸せそうで、収録時点の絵では頬も少し赤らんでいたんです。だから、感情の配分が難しかったですね。この高揚は戦っているからなのか、それとも……?

鶴岡:ラッキースケベ的な高揚なのかもしれませんから(笑)

ーー敵は憧れのアイドルですから、少しは下心があったのかもしれません。

阪口:とはいえ、戦っているシーンのカットが全部そうだったんですよ!

落合:石毛なんて、アイドルの胸で頬が半分潰れていましたよ! それでいて、台詞はシリアスなんですよね(笑)。

阪口:その後瀕死になっているのも含めて、絵と台詞のギャップが面白かったです(笑)。

鶴岡:シーンとしては、かなり切羽詰まった状況のはずなんですけど……。

ーー絵だけ見ると、そんなシーンには見えませんよね。

阪口:兄貴を逃がさないといけないのに、画面に映っている絵とのギャップがすごいんです。佐藤も背が小さいので、ちょうど“そういう”ところに頭の位置が来てしまう。ちょっと申し訳ない気持ちになりました(笑)。

落合:本来であれば兄貴の方が強いのに、僕たちは女ショッカー戦闘員達に突っ込んでいった。それは本当に兄貴を守るための行動だったと分かってはいるのですが、見方によっては僕たちに邪な気持ちがあったようにも見えてしまいます(笑)。シリアスなシーンなのに、コメディにも見えるという面白さがありました。

阪口:絵面は視聴者からすれば面白いと思いますが、その分台詞をシリアスにしておきたいという気持ちはありましたね。ギャップがあった方が絶対に面白いので。

鶴岡:僕たちは本気で「うおーっ!」と敵に向かっていったので、受け取り方は皆さんにお任せします(笑)。

阪口:笑うも良し、泣くも良し。

落合:僕らは一生懸命にやりました!

阪口:本気で女ショッカー戦闘員達を足止めして、兄貴を逃がそうとしましたよ。

ーーこういったコメディは真剣にやればやるほど面白いですよね。

鶴岡:やっぱり本気であることが一番大切だと思います。視聴者の方に「一生懸命頑張ったんだもんな」と思っていただければ一番嬉しいです。

阪口:人によっては、面白シーンとして受け取る人もいそうですよね。傍から見ると、真剣に戦ってる猫を面白いと感じてしまうのと同じようなものでしょうか。僕たちの戦いがすごく愛くるしく見える方もいるかもしれないですね。

ーーお三方がアフレコに臨んだ際は、どちらの気持ちで臨まれていたんですか?

落合:3人とも、最初から本気で兄貴を守ろうという方向性でしたね。「兄貴のために!」という気持ちがテストの時から3人とも揃っていて、それが個人的にはすごく気持ち良かったです。

鶴岡:気持ち良かったですね。

阪口:3人で一つの台詞を分けていたこともあって、テンションも上がりました。ベタですけれど、やっぱり割り台詞は気持ち良いですから。

落合:その結果、兄貴を逃がせたので作戦大成功ですよ! ……兄貴には幸せになってほしいですね。

阪口:死ぬ前にアイドル(女ショッカー戦闘員)に抱きつけたしなーー

鶴岡:ほんとだよ……。

阪口&鶴岡&落合:(笑)。

鶴岡:こんな感じで収録しています。

ーー今の流れは完全にあの3人でしたね!(笑)

鶴岡:自然とそういう風になるんですよね。

落合:3人で一人ですから。

ーーそれでは最後に、今後の展開を楽しみにしている視聴者の皆さんに向けて、メッセージをいただければと思います。

落合:このインタビューを受けている時点では(※アフレコ収録時)、僕たちにも3人が今後どうなるのかは分かっていないのでドキドキしています。視聴者の皆さんも、僕たち3人組や兄貴、丹三郎達がどうなっていくのか、ドキドキワクワクしながら観ていただければと思います。今後ともこの3人をよろしくお願いします!

阪口:僕は、単純に作品の熱量を感じていただきたいです。柴田ヨクサル先生の描く原作は本当に熱いので! その熱さは、傍から見ると呆れてしまうくらいのものだと思うのですが、それに負けないぐらいの熱量がアニメでも出せていると自負しています。

我々3人が最後にどうなるのかはまだ分かりませんが、最後まで熱量を維持したまま駆け抜けて、白い灰になれたらそれで良いのではないでしょうか(笑)。とにかくキャストの熱量や、この令和の時代に珍しい“熱さ”を感じてほしいですね。

鶴岡:この3人だからこそ出せる空気感は、実は1話で「イーッ」という掛け声を合わせた時から感じていました。それから18話まで積み重ねてきた3人の時間が無駄にならないよう、自分のパフォーマンスに乗せていきたいという気持ちが今すごくあります。

ただ、僕も現時点では今後の展開が分からないので、これはアニメを見ている皆さんと同じ心境ですね。でも、何があろうとこの3人には全身全霊で向き合って、最後まで全力でお芝居をやり切るという覚悟は出来ています。

鶴岡:もし僕1人だったらプレッシャーに感じていたかもしれないのですが、落合さんと阪口さんの2人がいてくれるおかげでこれからも臆せずに進んでいけます。この後も僕たちは堂々と3人を演じていくので、視聴者の皆さんには、ぜひ3人の目線でも楽しんでいただきたいなと思います

[インタビュー/小川いなり 文/柴山夕日]

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