『超かぐや姫!』月見ヤチヨ役・早見沙織さんインタビュー|制作チームの“青春”を感じた最強の布陣。仮想空間の歌姫として名ボカロ曲の新たな魅力を届ける
『呪術廻戦 第1期』『チェンソーマン』『うる星やつら』のオープニング映像演出を手掛けてきたアニメーションクリエイター・山下清悟氏による初の長編監督作品『超かぐや姫!』。2026年1月22日にNetflixで世界独占配信!
日本最古の物語『かぐや姫』をベースに、仮想空間や音楽ライブといった現代エンターテインメントが融合した本作。かぐや(cv.夏吉ゆうこさん)と酒寄彩葉(cv.永瀬アンナさん)の出会いから始まる壮大なストーリーに加え、ryo (supercell)、kz(livetune)、40mPをはじめとした有名ボカロPによるカバー曲・オリジナル曲が作品世界を彩ります。
今回、かぐやと彩葉がトップライバーを目指して奮闘する仮想空間『ツクヨミ』の管理人であり、トップライバーの月見ヤチヨを演じる早見沙織さんにインタビュー! 名クリエイターが手掛ける楽曲やレコーディングにまつわるエピソードをお話しいただきました。
尊いふたりに関わるミステリアスなキャラクター
──映像を拝見して、『竹取物語』をベースに、近未来要素を取り入れた世界観に惹かれました。
月見ヤチヨ役・早見沙織さん(以下、早見):私も『竹取物語』は子供の頃から当たり前のように触れている作品です。そのような大昔の話が仮想空間という近未来要素と融合して描かれるのはとても新鮮でしたし、同時にその仮想空間が山下監督によって美しく作り上げられていて見惚れてしまいました。
──かぐやと彩葉の出会いから始まる、壮大なガールミーツガールが描かれます。真逆なふたりのドタバタ劇に癒されたり、笑ったり、感動したりもしました。
早見:ふたりとも尊いです。性格が全く違うところが素敵です。彩葉はひとりで頑張っているため、素直に弱音を吐けなかったり、好意を示されるとすぐに照れたりするところがありますが、そこへかぐやが素直にぶつかっていくことで、ふたりならではのコンビネーションが生まれます。このふたりでないと生まれない物語であり、かけがえのないふたりの物語です。
──演じられるヤチヨはそんなふたりを見守るようなポジションですね。
早見:設定資料やイラストを拝見して、すごくキャッチーなビジュアルだと感じました。しかし、視聴者の方にとって、最初はどういったポジションのキャラクターなのか気になる存在だろうとも思いました。仮想空間では音楽を通じてみんなをワクワクさせる存在ですが、「なぜこの人が管理人なんだろう」や、「どうやってここにたどり着いたんだ?」など。最初は詳細が明かされないまま物語が進んでいくため、ミステリアスな存在に見えると思います。
──後半、その謎が一気に明かされますね。
早見:かぐやと彩葉の物語ではあるんですけど、実はそこに大きく関わっています。後半、どんどん明らかになっていくので楽しみにしてほしいです。
名ボカロ曲が劇中で新たな魅力を発揮
──ヤチヨは『ツクヨミ』の管理人であり、自らライバーとしても活躍しています。劇中、多数のライブパートが用意されているということで、音楽面の表現にも注目ですね。
早見:最初はどういった表現で、どういった音楽性で、どのような曲を歌うのかわからない状態だったのですが、楽曲提供の布陣を拝見した時は“仮想空間における最強の編成”だと思いました。
その方々が活躍するインターネットの世界は、我々にとっての『ツクヨミ』だと思いますが、その第一線で名曲を作り上げてきた方々が集結するのはめったにないことです。今回、そのようなみなさんの曲を歌わせてもらえるのは非常に光栄なことであり、少しプレッシャーを感じることでもありました(笑)。
──布陣を見ただけで制作チームの本気が伺えました。
早見:制作チームの愛をひしひしと感じました。チームの方々の青春時代と重なる音楽ばかりだそうで、初期段階で絶対に外せない曲やクリエイターさんは決まっていたそうです。レコーディングの際、その熱い想いを伺ったので、私も熱量高く挑めました。
──曲はカバーからオリジナルまで幅広い構成となっています。カバーもアレンジが効いていて、とても新鮮に聴けました。
早見:最初に大まかな劇中のカバー曲は聞いていました。中でも「ワールドイズマイン」は制作チームが絶対に使うと決めていたそうで、相当な想いが込められているんだろうなと思いました。
──「ワールドイズマイン」は歌詞と本編がリンクしているところがありますね。
早見:はい。さらに、かなり重要な場面で披露されるということで、とても良い使われ方をしていると感じます。
私自身、この曲のサビから始まるメロディが大好きです。早くレコーディングしたいと思っていましたが、実際に音楽の資料が届くと、私が知っている曲とは全く違うアレンジになっていました。とてもカッコ良いなと思いましたし、この曲はまだまだ進化できるのかと驚きました。この曲と青春時代を過ごした方がたくさんいると思いますが、作品を通して、また新しい魅力を発見してもらえるはずです。
レコーディングは原曲のイメージを大事にしつつ、跳ねたリズム感や夏吉(ゆうこ)さんと楽しく歌っている雰囲気を意識しました。この曲は夏吉さんと一緒に録れたのです。
── 一緒に録ることもあるのですね。
早見:はい。ソロバージョンも録りましたし、劇中用にふたりで一緒にレコーディングもしました。ライブ感が大事なので、少しセリフっぽく歌ったり、掛け声を入れたりしています。
──かぐやとは、メインテーマの「Ex-Otogibanashi」(作詞作曲編曲 ryo (supercell))も一緒に歌っていますね。
早見:カッコ良い曲ですよね。アレンジやカッコ良さが散りばめられた現代風な形になっていながらも、メロディラインや、冒頭のししおどしのような「カコン」という音など、和のテイストと懐かしさが融合しています。『超かぐや姫!』の物語性やエッセンスのすべてが詰まっており、作品を代表する曲だと思いました。
──これだけバラエティ豊かな曲が揃っているとレコーディングは刺激的だったのでは?
早見:今回はそれぞれのクリエイターさんの特徴がはっきりしている曲ばかりだったため、レコーディングはいつも違う部屋で歌っているような気持ちでした。これだけ劇中で音楽が使われている作品は珍しいため、作品の見どころのひとつでもあると思います。
──監督とはアフレコの際にお話を?
早見:今回、本番前に仮アフレコのようなものがあったのですが、その段階でシナリオは出来上がっていました。この作品は監督がすべての世界観を作っているため、その際に監督から物語やキャラクターの説明をしていただきました。
普段、私たち声優はアフレコが始まってから一生懸命に役を作り上げることが多いのですが、今回は本番前から作品に参加しているんだという意識を持つことができました。だからこそ、より監督と一緒にもの作りをさせていただいている実感が常にありました。
──では作品に関わっている期間はかなり長いのですね。
早見:はい。仮アフレコもそうですし、レコーディングも本編のアフレコが始まる前から始まっていました。
『ツクヨミ』はなんでもあり
──作品世界にちなんで、早見さんが『ツクヨミ』に行ったとして、どんな楽しみ方をしますか?
早見:私は特にコスチュームに胸がときめきました。なので、男の子のアバターを楽しみたいです! 自分をガラッと変えられる場所でもあるため、イケている格好でブイブイ言わせてみたいです(笑)。
──どんな男の子のコスチュームを選ぶのか気になります。
早見:シルエットが良く見えるパンツスタイルです。クールな装いにしたいです。
──では最後に、配信を楽しみにされている方々へメッセージをお願いします。
早見:私たちの遺伝子に刻み込まれている『竹取物語』と、現代の私たちに近い世界観が融合したのが『超かぐや姫!』という作品です。現実世界と仮想空間のふたつの世界が舞台となりますが、どちらも大変美しく描かれています。私は、特に仮想空間の世界観に強く惹かれました。みなさんも、配信だからこそ気になるところを繰り返し見直して、制作チームの愛を隅々まで楽しんでいただけたら嬉しいです。