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3名のスター醸造家と巨匠ミッシェル・ロラン氏によるカリフォルニア州ナパ・ヴァレーの新進ブランド「フェアレスト・クリーチャー」。この壮大なプロジェクトを起ち上げたオーナーのジェイソン・フー氏が来日。その全容を聞きつつ、ワインを試飲した。

text & photographs by Atsushi TOGAMI

「カリフォルニア州で働いていた時にワインに魅せられ、母国の中国にワインを輸入する事業を始めました。やがて自分の思いが詰まった“グレートワイン”をプロデュースしたいと願うようになったのです」

「オーナーのイメージするグレートワインとはどのようなワインなのですか？」と問うと「シャトー・ムーロン」「ル・パン」「ベガ・シシリア」などの造り手の名前を、生産年とともに、ホワイトボードに次々と書き出した。

「これらのワインが私にとってのグレートワインです。ヴィンテージも品種も国も違いますが、共通しているのはしっかりしたストラクチャーをもちながら、バランスが取れているところ。このようなワインをナパ・ヴァレーで造るために、2018年に起ち上げたのがフェアレスト・クリーチャーだったのです」

2012年からカリフォルニア・ワインに大きな可能性を感じ、数多くのカルト・ワインを輸入してきたフー氏。その時の人脈を使って誕生したのが「フェアレスト・クリーチャー」だ。
“美しき生き物”という意味で、シェイクスピアのソネット詩（14行の定型詩）にある「美しき若者は若いうちから子孫を増やすべきだ」いう記述にインスピレーションを受け、命名したそうである。

フー氏の夢を実現するために招喚されたのが、3人のスーパー醸造家。「レアム」などを成功に導いたブノワ・トゥケ氏。「アトリエ・メルカ」として多くのワインのコンサルティングを行うフィリップ・メルカ氏、“神の手”を持つと称されるトーマス・リヴァース・ブラウン氏という豪華な顔ぶれ。さらに彼らを統括するのは、巨匠ミッシェル・ロラン氏と聞いて驚かされる。

「凄いでしょう。まさにワインメイキングの“アベンジャーズ”なんですよ！」

3人の醸造家が、ハウエル・マウンテン、セント・ヘレナ、プリチャード・ヒル、オークヴィル東側・東丘陵・西側、ラザフォード、クームスヴィルなどの銘醸畑にある27区画からブドウを自由に選び醸造してブレンド。それぞれの個性を表現したワインを醸す。

ここからはフー氏に各醸造家の印象なども聞きつつ、2021年ヴィンテージを紹介。

『シン・ファン カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2021年 by ブノワ・トゥケ』

3人の中では“最も情熱的”なトゥケ氏の愛情が存分に表現されたワインは、黒系果実に、ローストハーブ、ダークチョコレート、タバコのニュアンスが重なり深みを増した香り。
「甘やかさと、スムースなタンニンが特徴ですね」

『ポリスプライン カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2021年 by フィリップ・メルカ』

“知的でスマート”なメルカ氏のワインは、豊かな赤系果実と黒系果実に鉄のようなニュアンスが交ざった香り。
「骨格があり凝縮されたフルボディで瓶熟成に4～5年。その後30年以上の長期熟成ポテンシャルを持っています」

『ペリヘリオス カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー2021年 by トーマス・リヴァース・ブラウン』

“一番真面目”というブラウン氏。そのワインは、グラスから溢れ出すような鮮烈なアロマと複雑で多層的な味わいで「キメの細かいタンニンも秀逸です」
今すぐ楽しめるのと同時に、20年以上の熟成も期待できる。

※上記3種類各2本・合計6本を豪華アクリルケース入りで販売。
希望小売価格：1,320,000円（税込）

『トリニセロス カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2021年 by ミッシェル・ロラン 1500ml』

最後に登場したのは、巨匠のワイン。ミッシェル・ロラン氏が3人のスター醸造家のトップ品質の樽をピックアップし、それぞれを秘密の割合でブレンド。こちらはマグナムボトルのみ500本限定でリリースされる。
「全てにおいてパーフェクト。このワインのためにプロジェクトを創立したと言ってもいいですね」とフー氏は満面の笑顔で締めくくった。

※ミッシェル・ロラン氏のマグナムは単体販売。
希望小売価格：1,760,000円（税込）

【問い合わせ先】㈱中川ワイン　TEL.03-5829-8161

「フェアレスト・クリーチャー」の詳細と醸造家の詳しい経歴などは以下から
[https://nakagawa-wine.co.jp/producer/fairest_creature_debauche/]