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堤防釣りは竿1本で楽しめる!4つの仕掛けを使い分けて色々なターゲットをねらってみよう

つり人オンライン

堤防釣りデビューに最適!人気のターゲットアジ、アオリイカ、キスを、タックルはそのままで狙ってみよう。この記事では、初心者でも分かりやすい仕掛けの選び方から、時間帯ごとの釣り方のコツまでを丁寧に解説。クーラー満タンのお土産も夢じゃないかも?

写真と文◎時田眞吉

堤防釣りのタックル

堤防釣りをはじめる際に用意するタックルだが、キャスティングが可能な3~4mのサオを選びたい。具体的にはエギングロッドやシーバスロッドが使いやすい。これにPEラインの1~1.5号が100mほど巻ける小中型スピニングリールをセットすればOK。フロロカーボンの1.5~2号を1mほどリーダーとして結ぶことをお忘れなく。

エギングタックルなどがおすすめ

そして、必ずライフジャケットは着用するようにしたい。また、濡れていたり、ノリが付着している堤防も中にはある。そんな場所は非常に滑るため、滑り止めの靴(スパイク)が必要となる。ライフジャケット同様、釣り人の命を守るアイテムの1つだ。

気温の上昇する季節には帽子と偏光グラスは必需品。特に偏光グラスは目の保護だけではなく、海面の乱反射を防ぎ水中が見やすくなるため、ポイントを捜す場合にも役立つのだ。

そのほか、飲食物や釣れた魚を保冷しておくクーラーと氷、手を洗いたい時に海水を汲み上げるロープ付き水汲みバケツなどもあると便利だ。

手軽な堤防は海釣り入門にも最適。丸1日釣りを満喫しよう!

まずは初心者でも簡単なサビキ仕掛けでアジ狙い!

釣ってよし!食べてよし!の堤防フィッシングターゲットがアジ。GW頃から秋にかけて、関東沿岸に回遊してくる。もちろん、房総半島や伊豆半島など、潮通しのよい地域ならなおさら。東京湾内でも大黒海釣り施設や、本牧海釣り施設など、手軽な釣り場でも釣果が手にできるのだ。

ただし、いつ行っても必ず釣れるという訳でもない。アジは回遊魚。魚の群れが回ってこなければ、もちろん釣れない。いつ回遊してくるかは魚しだいなので、できるだけ回遊してくる確率の高い時間帯に釣行するのが肝心。その時間帯とは日の昇る直前と、沈む直前……そう朝夕のマヅメ時。回遊魚たちが一番活動的になる時間帯である。

アジは回遊魚。群れが入ってくれば数釣りも可能

コマセなしの投げサビキで攻略

使用するのはサビキ仕掛け。一般的には寄せエサ(コマセ)を撒いてアジを寄せるが、1本の竿で様々な釣りを楽しむ今回のスタイルでは、準備の手間は最小限に抑えたい。そこで寄せエサ(コマセ)なしで投げて誘う「投げサビキ」を紹介する。そもそもサビキ仕掛けは、アミエビを模した疑似餌(ルアー)の一種であるため、コマセがなくても魚の食い気を誘い、釣果を上げることが可能なのである。

使用する仕掛けは市販品のアジねらい用でOK。ただし、注意したいのが幹イトの太さ。足元を狙う場合は細い幹イトでもいいが、投げサビキではキャスト時に切れてしまうのを防ぐため太い幹イトが望ましい。近ごろでは投げサビキ専用の仕掛けもリリースされているので、それを使うのがおすすめだ。アイテム的に魚皮とスキンをそれぞれ各1種類ずつ持参すると万全。また、市販のサビキ仕掛けはハリ数が6本前後と長いため、2~3本の枝バリをカットしたほうがキャストしやすくなるはずだ。

針のサイズは魚の大きさによって変えるほうが釣果が上がる。小アジ用の仕掛けなども持っておくといいだろう。

近ごろでは投げサビキ専用の市販仕掛けも手に入る

購入したサビキ仕掛けをミチイトに装着し、ナス型オモリの3~5号をセットすれば準備OK。ポイントは寄せエサを使用しないため、アジの魚影の濃い場所を捜すことが大切。基本的に潮通しがよく、水深があるところをねらう。水深のある堤防先端から外向き、コーナー部にかけては、潮の動きに変化のある1級ポイントだ。

釣り方は至極簡単。仕掛けをキャストして着水後ただ巻きするか、海底近くまで仕掛けを沈めてから、シャクって落として、シャクって落としてを繰り返して足もとまで探ってくる。基本的に、アジはサビキ仕掛けが落ちていくヒラヒラに反応して食いついてくるので、シャクってばかりではヒットは望めない。仕掛けがオモリに引っ張られて落ちる時間を与えてやることが大切だ。

投げて巻くだけでアジが食ってくる

アジが釣れたら、アオリイカ狙いのエギングに変更

陽が昇りアジの時合が一服したら、次のターゲットを狙う好機だ。サビキ仕掛けをエギ(餌木)に交換し、アオリイカを狙ってみよう。餌となるアジが回遊していたなら、それを捕食するアオリイカが近くに潜んでいる可能性は高い。

春から初夏にかけてターゲットになるのが、産卵を意識した大型のアオリイカだ。アオリイカは海藻に卵を産み付ける習性があるため、この時期は海藻のある場所、すなわち「藻場(もば)」が第一級のポイントとなる。四国地方でアオリイカが「モイカ(藻イカ)」と呼ばれることからも、その関係性の深さがうかがえる。偏光グラスを着用し、足元の海藻だけでなく、沖に点在する藻場まで見つけ出すことが、釣果への近道だ。

一方、盛夏には多くの地域で狙いにくくなるものの、夏の終わりから秋にかけては、その年に生まれた「新子」と呼ばれる小型のアオリイカが狙える。この時期のイカは、堤防の際や障害物周りに群れていることが多く見つけやすいうえ、好奇心旺盛なので餌木への反応もいい。サイトフィッシング(目視での釣り)で楽しめるのも魅力で初心者にもうってつけだ。

使用するエギは、2.5号から3.5号を状況に応じて使い分ける。大まかな目安として、大型が狙える春は3.5号、数釣りが楽しめる秋は2.5〜3号を主体にすると良い。カラーは、アピール力の高いピンクやオレンジといった定番色に加え、スレたイカに効くグリーンやブラウンなどのナチュラル系も揃えておくと万全だ。

エギのカラーは定番のピンク、オレンジのほか何色か用意していくとよい

エギングの釣り方

釣り方の基本は、エギが着底したのを確認してから、竿を大きく2〜3回しゃくり上げてエギを跳ねさせ、再び着底させる「リフト&フォール」の繰り返しだ。これを足元まで丁寧に探ってくる。ただし、秋なら表層に群れていることが多いので、誘い方は同じでいいが必ずしも着底させる必要はない。

一方、春の大型狙いで特に有効なのが、シャクリを入れない「ずる引き」だ。産卵を控えた大型は、海底付近をゆっくりと回遊していることが多いため、ボトム(海底)の形状をなめるようにエギを引いてくる。根がかりを防ぐため、着底後すぐに引き始めるのではなく、一度軽く竿を煽ってエギを少し浮かせ、その状態からリールをゆっくりと巻き始めるのがコツだ。ただし、海底の起伏が激しい場所では根がかりが多発するため、多用は禁物である。

アタリは、まるで海藻が引っ掛かったかのように、一瞬だけ竿先に重みが乗るのが典型的だ。シャープにアワセを入れると、生命感のある「グーングーン」というアオリイカ特有の引きが伝わってくるだろう。

アオリイカのエギングはタイミングが合えば数も望める

日中は、テンビン仕掛けでシロギス狙い

さて、太陽が頭上近くになると回遊魚やイカたちの活性は低くなるが、活発にエサを食べる魚もいる、それがシロギス。特に夏から秋は数釣りが楽しめる絶好のシーズン。エギをテンビンオモリに付け替えるだけと準備も簡単だ。

しかし、本格的な重いテンビンオモリや、長さのある投げ釣り仕掛けは使えない。そこで登場するのが、釣具店に並ぶ「チョイ投げ仕掛けセット」。短めの2本バリ仕掛けに、5~8号のテンビンオモリも同封されていて、これひとつあれば、すぐにチョイ投げが楽しめる。

小型テンビンと仕掛けがセットになった市販仕掛けが便利

また、小型のテンビンと仕掛けを別で用意してもよい。仕掛けはシロギス専用で50本の枝バリが連結されたアイテムが使いやすい。ここから2、3本ほどのハリ数本をカットしてテンビンに結び付ければいいだけ。

幹イトに50本の枝スが連結された市販仕掛け

エサはアオイソメやジャリメなどのイソメ類をハリ付けするのだが、生エサが苦手だったり、時間的に買い求められないようなら、「パワーイソメ」や「ガルプ」などの人工エサや、水で戻す乾燥イソメなども利用できる。エサの大きさはハリの大きさプラス1cmぐらい。あまり大きく付けすぎると、アタリはあるもののハリ掛かりしないので注意。

ハリ付けするのはジャリメやアオイソメ

シロギスの釣り方

ポイントは堤防の上から海を見て判断したい。黒く見える藻場&岩礁帯と、白い&青い砂地がハッキリ見えるはず。アオリイカでは黒く見える海藻帯の際へキャストしていたが、シロギスを釣るなら、青白く見える砂地を狙うのだ。

青白く見える砂地へ向けて仕掛けを投入。スプールをフリーにしてオモリの着底を待つ。底に着けばイトの出が止まるのですぐに分かる。そこから、ゆっくりと仕掛けをサビいてくる。サビくとは底を感じながらテンビンオモリをズズッと引いてくること。リールを巻いて動かしてもいいが、サオ先でズズッ、スズッと動かしたい。こうすることで、海底のようすをサオ先で感じ取れる。

もし、ズズズッというテンビンの動き方が、ズーンと重くなったら、ヨブと呼ばれる砂浜の起伏がある証。そんな場所にシロギスたちは付いている。ヨブやカケアガリなどの変化のあるところを見つけたら30 秒ほど仕掛けを落ち着けて、魚の食う時間を作ってやるのも効果的。アタリがなければ、またズリズリとサオ先で仕掛けを動かす、この繰り返しだ。

アタリは明確で、サオ先を大きく震わせるがアワセは不要。掛かった時にテンビンの作用でハリ掛かりさせるからだ。何投かしてアタリが遠くなったら、左右にズレて探ってみると、またアタリが続くはず。

高水温期のシロギスは数が楽しめる

そして夕マヅメのチャンスタイム到来となれば、投げサビキでアジをねらうもよし、じっくりエギングで大型アオリイカに挑むのもよし!タックル1つと、サビキ仕掛け、餌木、チョイ投げ仕掛けセット&イソメエサ……これだけで堤防フィッシングを1日堪能できるし、クーラーにはうれしいお土産も詰め込めるはず。ぜひ、お試しいただきたい。

なんでもいいから魚を釣りたいときは胴付き仕掛け!

アジも回遊せず、アオリイカの姿もない。どういうわけかシロギスも音沙汰なし。自然を相手にしているだけに、そんな場合もあり得るのだ。なんでもいいから魚を釣りたい!そんなオデコ逃れの術をお教えしよう。

まず、障害物などを隠れ家にするのが魚の習性。となれば、堤防自体が魚の付き場と考え、その周りをねらうのである。堤防の際には海草やエビ、カニなどの甲殻類、貝類などが付着している。それをエサとする魚たちは必然的に堤防の際へと集まってくる。堤防の際は、岩礁帯の海底と同じ役割を持っていると考えてよい。

そんな魚たちを手にする方法がイソメをエサにしたドウヅキ釣り。キツネバリ1~2号クラスの小バリを使ったカワハギ用の胴付き仕掛けをバッグに忍ばせておくとよい。

市販されているカワハギ用のドウヅキ仕掛けがおすすめ

釣り方は、堤防の際に仕掛けを沿わせて上下のタナを探るだけ。底近くでアタリが出ることもあれば、中層でアタリが集中することもある。メジナやメバル、カワハギにカサゴなど多彩なターゲットが期待できる。

堤防の際ギリギリに落とし込んで海底から宙層までを探ってみる

まとめ

今回は、エギングロッドやシーバスロッドといった竿1本と、わずかな仕掛けで手軽に楽しめる堤防釣りを紹介した。

朝夕のマヅメ時は「投げサビキ」でアジをアジの気配があれば「エギング」でアオリイカを日中は「チョイ投げ」でシロギスをどうしても釣れない時は「胴付き仕掛け」で足元の魚を

このように、時間帯や海の状況に合わせて仕掛けを変えるだけで、1日中飽きることなく釣りを楽しめる。

もちろん、季節や訪れる堤防の特性によって狙いやすい魚は変わるため、必ずしもこの全てが釣れるわけではない。しかし、複数の仕掛けを使い分けることで、堤防釣りの楽しさと可能性は大きく広がるはずだ。安全対策を万全にしたうえで、クーラー満タンの釣果を目指してみてはいかがだろうか。

※この記事は『つり人』2018年7月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。

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