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東京1時間でギガアジ⁉ 西湘サーフが熱すぎる理由

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東京1時間でギガアジ⁉ 西湘サーフが熱すぎる理由

都心から1時間圏内の西湘海岸で40〜50cmの大アジが狙える⁉ 春の夜に爆釣するサーフアジングの魅力を徹底解説!

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写真と文◎編集部

全長30㎞の夢空間

アジングを楽しむ方なら、一度はギガアジ、テラアジといった言葉を聞いたことがあるだろう。畏敬の念を込めて、40㎝オーバーのアジをギガアジ、50㎝オーバーはテラアジなどと表現するわけだが、そこまで巨大なマアジが岸からのルアー釣り、つまりアジングでねらえるところは長崎県壱岐に代表される西の離島や岬の先端であることが多い。

ところが、東京から1時間ほどの至近距離で40㎝オーバーが頻繁に顔を出すフィールドがある。それが神奈川県の西湘海岸である。

小田原生まれの小田原育ちで、現在の西湘のサーフアジングの盛り上がりに深く関わってきたのが、蘆原仁さんだ。

「僕が西湘サーフでアジングを始めたのは2017年からです。その前からも一部のコアな地元アングラーがやっていたようですが、僕が知る限りではここ10年の間で誕生した釣りですね」

西湘海岸では、昔からバケ仕掛けをキャストしてサビいてくる投げサビキを楽しむファンはいるが、夕マヅメ限定で日没の前後の釣り。対してサーフアジングも日没後からの釣りだが、朝マヅメまで夜中ずっとチャンスがあるという。現在はアミコマセをカゴに詰めたサビキ仕掛けで大型アジをねらう人も増え、いつの間にかすっかり大アジの聖地と化していたというのだ。

では、そんな大アジがねらえる西湘サーフとはどの範囲を指すのだろう。

「ざっくり言えば小田原から平塚にかけての約30㎞区間です。その間に早川、山王川、酒匂川、森戸川、中村川、花水川、相模川の7河川があり、いずれも天然のアユやウナギが行き来しています。その7河川以外にも小規模河川がたくさんあって、真水が入ることでプランクトンも湧きやすい。それから海岸線に非常に近いところを走る西湘バイパスの明かりもベイトを寄せる要因になっています。ちなみにメバルは闇夜がいいんですがアジは月夜でも問題なく食います」

 

   

これがアジなのか⁉

蘆原さんがサーフアジングを始めたきっかけは「夜のサーフでアジがライズしている」と釣り仲間から聞いたことで、ジグ単でも届く距離というので堤防のアジングタックルのまま挑戦した。

「行ってみると、凪なのに一部だけ白波が立っていて、すぐにライズを発見しました。ライズに届かせるため通常より重い3gのジグヘッドをセットしました。ワームはいろいろ試しましたが、2・5inのシャッドテールが非常に効きました。ライズのあったところの近くに着水させて巻き始めたらドンッと食ってきて、しかもデカい。これがアジなのか⁉と」

今にして思えば、シーズン初期のハクパターンの典型で、アジが活性を上げていた。波動の強いシャッドテールはメバルでは定番ながらアジにはもっと細身のピンテール系が多い。

「でもサーフの岸寄りの浅場にハクを追い詰めているアジにはシャッドテールが効くんです。釣ったアジを捌くと、胃の中からはハクのほかシラスウナギ、稚アユ、シラスといった稚魚と、アミなどの甲殻類、イカ・タコの幼生、動物性プランクトンなどなどたくさんの種類が出てきます。いずれにしても潮目などに漂ったり固まっていることが多く、これを捕食しているアジにはジグ単またはフロートリグという、いずれも急速に沈まないリグがマッチしました」

サーフということで遠投した先でも水深はさほど深くない。そのため、止めると沈むメタルジグやキャロライナリグよりも漂わせるようにスローに誘っても極端に沈んでいかないジグ単やフロートリグがマッチする。

「アジはボトム付近というイメージが強いですが、サーフのアジはライズするくらいなんで泳層が浅く、目線も上にあることが多いです」

 

   

フロートリグである理由

サーフということでロッドは8.5ftクラスが扱いやすい。リールはスピニングの2500番。

「流用するならエギングタックルが近いですが、エギングロッドだとちょっと反発が強いからアタリを弾いてしまいやすい。でもバランス的には問題ないです」

メインラインはPE0.5号。リーダーのフロロカーボン2.5号(約10ポンド)をラインツイスターを使ってMIDノットで接続する。ジグ単の釣りであればここにジグヘッドを結ぶだけ。

フロートリグの場合は、この先にワンランク細い2号(約8Lb)のフロロカーボンをファイティングリーダーとして結ぶ。リーダー、ファイティングリーダーともに長さは1~1.5m。これは各自のロッドの長さやガイドの干渉ぐあいに応じて決めればいい。

蘆原さんのフロートリグは大きくわけると2種類。フロートとメインラインに枝スを介するものと介さないものだ。

「枝ス式がメインですね。このメリットはフロートを直接操作するのではなく、枝スを介した先にあるスイベルを動かすことでその先のジグヘッドを細かく操作できること。アタリも明確に出ますし、ワーム付近にフロートがないので魚に警戒心を抱かせにくい。ただし、11~12月のシーズン初期で、ライズも頻繁に見られるときはフロートを直結にして巻いてくる釣りで普通に釣れます。ワームの先のフロートの波動も邪魔していない感じで、アジが深いときはディープタイプのフロートに変えるなど、キャロ感覚のフロートリグですね」

フロートリグにセットするジグヘッドは0.3~1gをメインに、フロートの残存浮力を消して沈ませたいときはさらに重くするなど細かい工夫を入れるのもライトゲームの妙。

「アジングですからライトゲーマーの心をくすぐるライトなタックル、微妙な操作感があってこそなんです。いくらアジがデカくても、とにかく遠投、ヒットしたら一気に寄せるようなパワーゲームだと萌えない。その点、サーフアジングは基本的に静の釣り。ところがヒットするや動へスイッチ。その振り幅の大きさがハンパない。実際、40㎝台は珍しくないですし、50㎝オーバーも毎年出ています」

残念ながら取材をした3月上旬はアジ自体が卵を持ち始め、ナーバスになりかけているタイミング。しかし3月後半になれば産卵後に食いが立つアジもいれば産卵前の魚もいて、5月いっぱいはチャンスがあるという。

 

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