ロボットが爆ぜる、逃げる、発砲する!壮大なスケールに目を奪われる『マーズ・エクスプレス』日本版予告編
フランス発のSFアニメーション映画 『マーズ・エクスプレス』が、2026年1月30日(金)より日本公開される。このたび、日本版オリジナル予告編が解禁となった。
23世紀の火星で、ロボットが脱獄する
『AKIRA』(88/大友克洋監督)、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(95/押井守監督)、『パプリカ』(06/今 敏監督)——“ジャパニメーション”という造語が生み出されるほどの衝撃をもって世界に迎えられた伝説のSFアニメは、今もなお海外の創り手たちに多大なる影響を与えつづけている。そんな日本アニメーション界の巨匠たちからインスピレーションを得て、彼らの系譜に挑む意欲作『マーズ・エクスプレス』を手がけたのは、本作で長編監督デビューを果たしたフランスのジェレミー・ペラン監督。太陽系の惑星の中で地球に最も環境が似ていると言われている火星を舞台に、“人間”と“ロボット”が共存するリアルな未来をオリジナルストーリーで描く。
「第76回カンヌ国際映画祭」公式招待を皮切りに、「アヌシー国際アニメーション映画祭2023」長編コンペティション部門選出、さらにアニメ界のアカデミー賞と呼ばれる「第52回アニー賞」では長編インディペンデント作品賞ノミネートを果たすなど、世界のアニメーション界を賑わせてきた本作。20年以上にわたり宇宙で活動をつづけている実在の火星探査機「マーズ・エクスプレス」の名を冠し、最新の宇宙研究に基づいた渾身のディストピア・サスペンスが今、幕を開ける。
ある事件が、人間とロボットの共存する世界を変えていく—
映像では、とある女子大生の失踪事件をきっかけに、これまでうまく共存してきた人間とロボットの関係性に亀裂が走っていく様子が、グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」の一篇「火星」にのせて優雅に描かれる。
地球での仕事を終え、探偵事務所がある火星に戻った主人公アリーヌ(人間)とその相棒カルロス(アンドロイド)。行方不明の女子大生捜索という新たな依頼を引き受けた人間とアンドロイドの探偵コンビは、聞き込みのため向かった大学寮の屋根裏で人間の死体を発見する。さらに調査を進める中で彼らが目の当たりにするのは、命令を聞かずに脱走するロボット、廃棄処分から免れようと抵抗するロボット、何者かにより無惨にも破壊されたロボット…合間にタイピング音と共に映し出される<ロボットは、人間に危害を加えてならない。><ロボットは、人間に服従しなければならない。><ロボットは、自己を守らなければならない。>という3つの文章は、SFの巨匠アイザック・アシモフが提唱した「ロボット工学三原則(※)」に基づく火星界の法令“サイバー法”であり、それが次々に破られていることがロボットたちの様子から伺える。火星の地で成り立っていた、人間とロボットが共存する理想的な社会の根幹が徐々に揺らいでいく——。
「23世紀」「火星」「脱獄」といった物語のキーワードと共に、アリーヌとカルロスを幾度となく襲う銃撃や爆発、様々な驚くべき形態のロボットたち、火星における斬新な技術など、壮大なスケールで描かれた印象的なシーンが目を引き、『マーズ・エクスプレス』の世界へ誘われる映像となっている。
本作について監督のジェレミー・ペランは、「『マーズ・エクスプレス』はサイエンス・フィクション(SF)——すなわち科学と虚構を描く映画です。古代の人々が神話を通じて普遍的なテーマに向き合ったように、SFは人類に共通する問いを描き出します。物語は厳密な科学的知見に基づいて構築されており、現在の我々の世界を一貫性をもって200年後に投影することで、大人も若者も楽しめるSF映画を目指しました」と明かす。
“絶望的に平凡な23世紀の火星”でアリーヌとカルロスが追う失踪事件の行方、そして人間とロボットが共存する未来の行く先は果たしてどうなるのか—。
(※)ロボット工学三原則
SFの巨匠アイザック・アシモフが提唱した、ロボットが従うべき行動規範を示した原則。原文は以下のとおり。
第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条:ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
——アイザック・アシモフ「われはロボット」(早川書房)より
『マーズ・エクスプレス』は2026年1月30日(金)より全国公開