【茅ヶ崎 観光スポットレポ】茅ケ崎里山公園──静けさと季節が息づく、もうひとつの湘南
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茅ヶ崎といえば海辺の風景を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれども市の北側には、竹林や田畑、雑木林が広がる「茅ケ崎里山公園」があります。
素朴な小道を歩くと、土の感触や風の匂いが足元から伝わり、季節の気配が肌に触れるような感覚に。
この記事では、そんな里山の秋の風景を写真とともにご紹介します。
富士山が迎えてくれる、早朝の里山
10月下旬、日の出時刻の6時に北駐車場へ到着しました。空が淡く色づき始める中、遠くの富士山が桜色に染まり、思わず足を止めてしまうほどの美しさでした。
地形の影響か、富士山が驚くほど近くに感じられます。この日は10時ごろまで曇り空でしたが、11時を過ぎると雲が晴れ、光が差し込むと風景が一変しました。
空気がほどけるように柔らかくなり、歩く足取りも自然に軽くなっていきました。
コスモスの道と原風景の静けさ
素朴な小道をゆっくり歩くと、150mほどにわたって咲き誇るコスモスが風に揺れていました。風に揺れる花々の間を歩いていると、季節の気配が肌に触れるような感覚があります。
北側駐車場からパークセンターまでは徒歩で約15分ほど。その道すがら、こうした風景が静かに迎えてくれます。
東西は林に囲まれ、思っていた以上に原風景が残っている場所です。どこか懐かしい空気に、栃木の山奥に住む親戚の家を思い出しました。
歩道を進みながらふと、「ここを初めて訪れたお子さんは、もしかしたら探検気分を味わえるかもしれない」と思いました。林の間を抜ける小道や、どこかに続いていきそうな分かれ道。
そんな風景が、子どもたちの好奇心をそっとくすぐってくれるように感じました。
水辺と竹林、秋の気配
園内には小さな田畑が点在しており、もち米やサトイモなどが育てられています。
田んぼのすぐそばには、大きな葉を広げたサトイモが静かに育っていました。土の匂いと葉の陰が、里山の時間をゆっくりと進めているようでした。
少し歩くと、収穫を終えた稲が干されている風景に出会いました。かかしが見守るその一角には、季節の営みがそっと刻まれているようでした。
さらに進むと、芹沢の池が現れます。カモをはじめとする野鳥が羽を休めており、周囲にはススキが揺れていました。水辺の静けさと秋の気配が、歩く足を自然にゆるめてくれます。
芹沢の池の向こうには孟宗竹の竹林が広がり、陽の光を受けて立ち上がる竹の姿は見応えがあります。
枝先には、色づき始めた柿の実が静かに揺れていました。その重みと艶が、秋の深まりをそっと知らせてくれるようでした。
園内には栗の木の下にいが栗が転がり、柿の木には実がなり、どんぐりがあちこちに落ちていました。秋の訪れを五感で感じながら原風景の中を歩く時間は、どこか懐かしく、そして新鮮でした。
※公園内の動植物の持ち込み・持ち出しはご遠慮ください。
家族で楽しめる遊具と展望スポット
園内には、家族連れに人気のエリアもあります。
風のテラスには「風のすべり台」や「雲のトランポリン」があり、子どもたちの笑い声が響いていました。
ローラー式のすべり台は全長70mと距離が長く、見た目にも特徴的です。
すべり台へと続く階段は、子どもたちの期待を乗せて空へ伸びていくようでした。
見上げると、全長70mのローラーすべり台がゆるやかに弧を描いていました。
雲のようにふわふわとしたトランポリンでは、跳ねるたびに笑い声が弾けていました。
また、「湘南の丘」は小高い展望スポットで、ここからも富士山を望むことができます。
晴れた日には、空と山と里山の風景が一体となって広がります。
休憩施設と地域イベント
休憩施設としては、「谷(やと)の家」「里の家」があり、室内でゆっくり過ごすことができます。
「里の家」では、毎月第4土曜日に「里の家マルシェ」が開催されており、クラフト雑貨や地場野菜の販売、音楽ステージ、キッチンカーなどが並びます。
公園外縁の神社と直売所
この日、公園の外縁部にある「腰掛神社」にも足を延ばしました。小さな神社ですが、静かな佇まいが印象的でした。
近くには農家さんの直売所もあり、地元の野菜が手頃に買える様子でした。
公園の外側にも、地域の暮らしとつながる風景が広がっています。
みどころがいっぱい!──季節ごとの楽しみ方
春
桜(日本の野生種8種もみられる※珍しい)、ハナモモ(3月)、フジ(4月)、菜の花(4月)
夏
田んぼの稲穂、小麦畑、カブトムシ、クワガタ
秋
彼岸花(9~10月)、コスモス(10~11月)、紅葉(11月~12月)
冬
スイセン(1月)、ロウバイ(1月)、ウメ(2月)
※菜の花、コスモスは春(5月)と秋(11月)の「里山公園まつり」にて摘み取り体験(無料)を実施しています
里の家マルシェ
開催場所
「里の家」で開催
開催日時
基本毎月第4土曜日 10:00~14:00
2025~2026年度
11/16(日)、12/20(土)、2026年1/24(土)、3/28(土)
内容
クラフト雑貨、地元農家さんの地場野菜の販売、音楽ステージ、キッチンカー
公園の自然素材を使ったクラフト教室 など
まとめ──歩くことで見えてくるもの
茅ケ崎里山公園は、ただの観光地として訪れるにはもったいないほど、静かな時間が流れる場所です。季節の細部や空気の変化、地域の営みが、歩くことで自然に見えてきます。
写真を撮るときも、風景そのものではなく、そこに漂う気配を感じながらシャッターを切りました。その一枚一枚には、風景だけでなく、そのときの気持ちがそっと映り込んでいるように思います。
季節ごとに表情を変える里山の風景の中で、ふと立ち止まり、空を見上げてみる──そんな静かな時間を過ごしてみませんか。
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茅ケ崎里山公園倶楽部
茅ケ崎里山公園の風景は、地域の人々の手によって守られています。「茅ケ崎里山公園倶楽部」は、個人や家族で参加できる会員制のボランティア団体で、畑や田んぼ、竹林、雑木林での農作業を通じて、里山の保全活動を行っています。
指定管理者と協働しながら、里山保全管理に取り組んでおり、活動日は週2回(水・土)です。随時会員を募集中とのことです。詳しくは公式ページをご覧ください。
茅ケ崎里山公園
開園・施設利用時間
園内(散策)
自由
パークセンター
9:00~16:00
谷の家・里の家
9:00~16:00
アクセス
電車・バスで
茅ヶ崎駅から
JR茅ヶ崎駅北口から茅50系統小出二本松経由文教大学行き
「芹沢入口」下車・徒歩約5分
湘南台駅から
小田急・相鉄・横浜市営地下鉄湘南台駅西口から、
湘17系統文教大学行き「芹沢入口」下車・徒歩約5分
車で
圏央道でお越しのお車は、寒川北インターで降り県道46号線を茅ヶ崎・寒川方面へ、寒川役場前を左折し県道47号線を進んでください。(寒川北インターから約7km)
駐車場
開場時間
東駐車場
8:30~18:00
西駐車場
9:00~18:00
北駐車場
9:00~18:00
駐車料金
平日
普通車 200円/回、大型車 610円/回
土日祝日
普通車 410円/回、大型車 1220円/回
※年末年始(12/29~1/3)は土日祝日料金
※北駐車場は全日無料
地図
住所:〒253-0008 神奈川県茅ヶ崎市芹沢1030
TEL:0467 - 50 - 6058