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「倉敷科学センター 科学展示室」ってどんなところ?自由研究ネタ探しにも最適!

岡山観光WEB

全国有数の製造品出荷額を誇るモノづくりのまち・岡山県倉敷市。その中核ともいえる水島地区の生涯学習施設「ライフパーク倉敷」には、プラネタリウムのある科学館「倉敷科学センター」があります。 空調も効いていて快適な「倉敷科学センター」は、子どもとのお出かけや夏休みの自由研究のネタ探しにも最適。身近な科学や宇宙のふしぎに触れることのできる展示の数々に加え、学芸員さんおすすめの展示についても聞いてきました。早速紹介します。

倉敷科学センターについて

倉敷科学センターは、水島地区にある生涯学習施設「ライフパーク倉敷」内にある科学館で、1993年に開館しました。全国有数の製造品出荷額を誇る水島コンビナートを抱え、日本初の民間天文台である「倉敷天文台」が設立された土地柄を反映してか、物理学、化学、天文学などの理工系の展示が充実しています。

館内は今回紹介する科学展示室と、中国地方最大を誇る直径21mのプラネタリウムの2エリアに分かれています。入口でチケットを購入し、早速館内に入っていきましょう。
(画像提供:倉敷科学センター)

館内のようす

開館以来、体験型の展示を中心とした分かりやすい展示構成で、科学の楽しさをわかりやすく伝え続けています。
天井にはエジソン、キュリー夫人、アインシュタイン…科学の歴史に名を刻む偉人たちの写真が、名言とともに掲げられていました。

ジェームズ・ワットの蒸気機関

館内に入ると目に飛び込んでくるおおきな装置、これは一体何でしょう。
これは18世紀に産業革命が起きたイギリスにて、技術者であるジェームズ・ワットにより開発された「蒸気機関」のレプリカです。蒸気機関とは、石炭などでお湯を沸かして水蒸気を発生させ、その水蒸気の圧力を用いて動力を発生させる装置で、自動車のエンジンのようなものです。

ちなみに、現在も各地でイベント列車などとして運行されている蒸気機関車(SL)には、この蒸気機関が使われています。

アルキメデスのポンプ

1階展示室には、触ったり操作したり、実際に体を動かすことで直感的に科学の面白さや楽しさにふれることができる「体験型の展示」が多数あります。こちらは入口付近にある「アルキメデスのポンプ」という手回し式のポンプ。現代でもコンクリートミキサー車などで使われているもので、ハンドルを回すと水が階段を上がるかのように汲み上げられます。

手押しポンプ

こちらは井戸水のくみ上げなどに使われている手押しポンプ。見たことのあるかたも多いのではないでしょうか。内部がスケルトンなので、構造がわかりやすくなっています。
ポンプを上下に動かすと、上部のタンクに水が汲み上げられていきます。

滑車で自動車を持ち上げてみよう

こちらはクレーン車などに使われている動滑車を使って、車を持ち上げることができるコーナー。
ロープを引っ張っていくと、子どもの力でも重い車が持ち上がります。

石橋(アーチ橋)を渡ってみよう

積み木の要領でブロックを組み合わせていくと…。歩いて渡れるアーチ橋が出来上がります。

日本の宇宙開発の歴史に名を刻む技術遺産「H-Ⅱロケット メインエンジン」

日本初の純国産大型ロケットとしてとして1994年に初飛行し、1999年に改良型であるH-ⅡAロケットが登場するまでのあいだ、日本の宇宙開発の最前線で活躍した「H-Ⅱロケット」。
そのメインエンジンである「LE-7」の実物が展示されています。これは純国産としてはじめて作り上げたロケットエンジンで、貴重な技術遺産でもあります。

実物にも触れられる「大型周期表」

円柱状にデザインされたこちらの周期表。内側には元素の特徴が書かれています。
(画像提供:倉敷科学センター)

裏側に回ると実物の金属サンプルが周期表の順番に並べられています。金、銀、銅、ニッケル、どれが一番重いかな。

あそびのひろば

1階展示室の一番奥にあるのが「あそびのひろば」。未就学児のお子さんにも配慮された小上がりの空間で、取材当日も大勢の子どもたちが手遊びなどを通して身近な科学に触れていました。
(画像提供:倉敷科学センター)

天文学のコーナー

2階には天文学に関する各種の展示があります。
一角にある「4次元デジタル宇宙シアター」。こちらでは土・日曜日の午後、学芸員さんの説明付きで宇宙の広大さを知ることができます。さながらミニプラネタリウムのようでした。
ちなみに、それ以外の曜日や時間帯では「宇宙シミュレータ」という天文シミュレーションのコンテンツを操作、体験することができます。
(画像提供:倉敷科学センター)

倉敷天文台と本田實についての紹介

こちらは、倉敷を拠点に活躍した世界的アマチュア天文家 本田實(ほんだ みのる)氏のコーナー。
本田氏は世界的に名の知れたアマチュア天文家で、新天体(誰にも見つけられていない彗星(ほうき星)、新星、超新星などの天体)を見つけ出すスペシャリストとして、天体観測職人と呼べるような高い能力を発揮しました。
特に彗星の発見に関しては一時期は世界記録も打ち立てるなど、アマチュア天文家として、国内外の天文愛好家の間では名の知れた存在でした。

こちらのコーナーには実際に観測に使用していた機器が展示されています。また、本田氏が長年にわたり観測の拠点とした日本初の民間天文台「倉敷天文台」は、開設から約100年を経た今でも活動を続けています。

旧倉敷天文台スライディングルーフ観測室(屋外)

来館の際にあわせて見てほしいのが、「ライフパーク倉敷」の駐車場南側にあるこちらの白い建物。

こちらは「倉敷天文台」でかつて使われていた観測室で、バリアフリー化のための建て替えをおこなった際に、「倉敷天文台」から譲り受け、移設・復元が行われました。

この観測室は2001年に国の登録有形文化財に指定され、2024年には日本天文学会の日本天文遺産にも登録されています。

倉敷の産業

2階の一角には「倉敷の産業」についてのコーナーがあります。倉敷美観地区に代表される観光都市としての顔以外にも、水島コンビナートを抱え、全国有数の製造品出荷額を誇る工業都市としての顔をもつ倉敷市。「地域の科学」として地場産業も紹介しているこちらのコーナーでは、国内外に名の知れる児島地区のジーンズや学生服などのせんい産業の紹介もあります。

空からみた倉敷市全域の大型航空写真もあります。どこに何があるか探してみるのもおもしろいですね。

学芸員の三島さんにインタビュー

「倉敷科学センター」の見どころとおすすめポイントについて、学芸員の三島さんに聞いてきました。

三島さん:
「倉敷科学センターでは近年、未就学児から小学校低学年の来場者が増えています。そのような背景もあって、2008年に館内展示をリニューアルする際に、未就学児から小学校低学年でも楽しめる「体験型の展示」を充実させました。子どもたちに“なんかこれ面白そうだぞ、触ってみたいぞ”と思ってもらい、興味や好奇心を感化させるような展示物をたくさん選んで展示しています」

三島さん:
「また、館内の展示を見渡すと、夏休みの自由研究のヒントになるものがたくさんあるんですね。毎年夏休みが近くなると、そういった目的で当館に足を運びになるかたも大勢いらっしゃいます。たとえば、大正時代に倉敷市玉島地区に落下した「富田隕石」のコーナーは、毎年自由研究にかかわる調べ物によく使われています」

三島さん:
「展示室2階の手作りおもちゃコーナーにある工作は、夏休みの工作のヒントとしてよく使われていますね。それ以外の展示にも、夏休みの自由研究や工作に使えそうなものもあるので、探してみてもらえると幸いです。また、夏休みの前後には科学講座も多数企画されるので、このようなイベントにご参加いただくのもおすすめです」
(画像提供:倉敷科学センター)

三島さん:
「併設しているプラネタリウムとともに、「倉敷科学センター」で楽しみながら科学にふれる時間を過ごしていただけると幸いです」
(画像提供:倉敷科学センター)

おわりに

いかがだったでしょうか。夏休みの自由研究のネタ探しはもちろん、空調が効いた快適な屋内空間で、楽しみながら科学にふれることができるスポットでもある「倉敷科学センター」。
倉敷美観地区からも車で約20分程度、少し足を伸ばせば鷲羽山や瀬戸大橋にもアクセスしやすい場所にありますので、倉敷観光に組み込んでみてはいかがでしょうか。
(画像提供:倉敷科学センター)

【倉敷科学センター】
所在地:岡山県倉敷市福田町古新田940(ライフパーク倉敷内)
TEL:086-454-0300
営業時間:9:00~17:15(入館は16:45まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
駐車場:あり

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