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電動車椅子とは異なる移動手段!出かけたい気持ちにさせてくれる近距離モビリティ「WHILL Model C2」

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電動車椅子とは異なる移動手段!出かけたい気持ちにさせてくれる近距離モビリティ「WHILL Model C2」

シニア層をサポートする近距離型モビリティを手がけるWHILL社が、電動車椅子と用途は同じながら、目を引くルックスに高い走破性を備えた「WHILL(ウィル)」シリーズの新モデル「WHILL Model C2」を発表。2020年9月21日から予約販売が開始されるほか、介護保険適用者に向けてのレンタルも行われる。そんな新型WHILLを発表会で見てきたので紹介しよう。また、一般販売はされていないが、すでに空港や病院に導入されている自動運転モデルも披露されたので、その動きも見ていただきたい!

一般的な電動車椅子が苦手な路面も走破でき、小回りも効く乗り物

2012年に創業して以来、高齢者や障害者に役立つモビリティを展開し、現在では世界12つの国で販売しているWHILL社。ある車椅子ユーザーの「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」という言葉をきかっけに開発を決意し、誕生したのが2014年に発表されたパーソナルモビリティ「WHILL Model A」だ。個性的なデザインに独自のテクノロジーを搭載し、一般的な電動車椅子とは一線を画する操作性と格段に高い走行性能や走破性を実現。筆者は過去にWHILL Model Aに試乗したことがあるのだが、その乗り味は革新的で、まさに新しい乗り物であると感じさせられた。

2015年に開催された東京モーターショーにも出展し、注目を集めた「WHILL Model A」は4輪駆動。7.5cmまでの段差や悪路も走破できる走行性を備える。最高速度は6km/hで、傾斜角10°までの坂道も登ることが可能。価格は995000円(非課税)

スタイリッシュなルックスに目を引かれがちだが、採用されている技術もユニークで、特に「オムニホイール」と称される前輪タイヤは革新的。一般的な電動車椅子よりサイズは大きいものの、左右にひとつずつ装備されている点は変わらない。しかし、よく見ると複数の小さなタイヤで構成されており、それぞれが横方向に動くようになっている。この機構により、一般的な電動車椅子のように少し進みながら方向を変えなくても、WHILLは舵角を与えることなく曲がることが可能に。その場で回転もできるほどなので、小回りはかなり効く。また、砂利道のような路面や段差の走破性が高いのも特徴だ。

10個の小さなタイヤを組み合わせたオムニホイール。下の動画のように、それぞれが横方向に動くようになっている

オムニホイールを備えたWHILLは、その場で回転することも可能(下の動画参照)。半径76cmを1回転できるようになっているので、エレベーターの中で方向を変えることもできる。

そして2017年には、駆動方式を2輪駆動にした「WHILL Model C」をリリース。Compact、Comfortable、Carryといった意味を込め「C」と名付けられた本モデルは、重量がWHILL Model Aより64kg軽い52kgとなったほか、分解して自動車などに積んで運ぶこともできるようになったのが特徴だ。満充電の状態で走行できる距離は16kmとなり、段差乗り越えも5cmまでとなるが、価格も450000円(非課税)に抑えられた。なお、砂利道などの走破性や10°の傾斜まで対応する登坂力は四輪駆動のWHILL Model Aと変わらない。

快適性と使いやすさを向上させた新モデル

今回発表された「WHILL Model C2」は、WHILL Model Cの後継モデルとなる。WHILLらしいルックスは継承しつつ、細部にわたり設計や素材などが見直された。なかでも、もっとも大きな進化点はリアにサスペンション機構が追加されたこと。前輪のオムニホイールのおかげで悪路や段差の乗り越え性能が高い分、段差の大きなところや荒れた路面を走行した際にシートや体へ伝わる衝撃も大きくなってしまう。サスペンションが衝撃を吸収することで、そうしたシーンでの快適性が向上した。また、満充電の状態から走行できる距離も前モデルの16kmから18kmに伸びている。

サイズは985(全長)×554(全幅)×745~945(全高)mmで、重量は約52kg。前モデルとサイズは若干異なるものの、重量は同じだ。耐荷重は115kgなので、かなり大きめの体格の人でも乗車できる。価格は473000円(非課税)
肘掛けアームのカラーが異なる10色のカラーバリエーションを用意。この部分は取り替えできるようになっており、ほかのカラーを別途購入(価格は7800円/税別)すれば、着せ替えて楽しめる
リアサスペンションを装備することで、走行時の衝撃を吸収。こうした機構を追加しながら重量を前モデルと変えないよう、素材などが見直されている。なお、車体後方に配置されたキャスターは、登坂時や段差を乗り越えた際に後ろに転倒するのを防ぐためのもの
バッテリー容量は変えないまま、航続距離が2kmアップ。走行効率を向上させることで、同じバッテリー容量ながら距離の延長を可能にしたという。ちなみに、バッテリーは車体に搭載したままでも、取り外してでも充電可能。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで約5時間かかる

乗り心地や走行性能だけでなく、使いやすさも向上している。前モデルはコントローラーと速度などを変更するボタンが左右に分かれていたが、新モデルは片方に集約。バッテリー残量や速度が表示される液晶モニターも装備され、状況も判断しやすくなっている。また、サイドからも乗り降りできるように肘掛けアームが上方向に可動するのだが、その回転軸を後方にズラすことでアームがじゃまにならない位置まで動くように。開口部を広く確保することで、より移乗がスムーズに行えるようになった。

コントローラーを含む操作部は、左右どちらに配置したいか選択可能。また、ジョイスティックタイプのコントローラーは、前モデルより軽い力で操作できるようになっている
コントローラー近くにあるボタンで、4段階で切り替えできる走行速度の設定や電源のオン/オフが行える
試乗してみたが、コントローラーによる操作はかなり直感的。コントローラーを横に倒せば、その場で回転するように方向が変わるので、取材陣やスタッフで混み合う会場内でもぶつかりそうになることもなく走行できた
肘掛けアームを写真のように上げれば、真横からもアクセスできるようになる
新モデルは肘掛けアームの回転軸の位置が後方に移されたことにより、乗り込みやすくなった
使いやすさを語るうえで、収納は重要なポイント。前モデルとは形状が異なるが、同サイズ(容量20L)のバスケットが装備されている
後方にバックパックなどが引っかけられるようになっている点も継承。新モデルでは、バックパックをかけた状態でも視認しやすい位置にテールライトの配置されている

分解できる機構は従来どおり。工具なしで5つのパーツに分けられるので、自動車のトランクに収納することもできる(550(幅)×985(長さ)mmのスペースに車載可能だが、形状により収納できないこともある)。

スタッフは1分くらいで分解してしまったので、慣れれば同じくらいの時間で分解できるようになるだろう。組み立ても同様にむずかしくない(下の動画参照)

このほか、WHILL Model Aから継承されているスマートフォンとの連携機能も完備。専用アプリ(無料)をダウンロードしたスマートフォンと本体をBluetooth接続することで、WHILL Model C2を遠隔操作できるのだ。ベッドやソファなど離れたところから呼び寄せられるのはもちろん、介助者がアプリ上でコントロールすることもできる。ただし、介護保険の適用を受けた人がレンタルするモデルにはスマートフォンとの連携機能は搭載されていない。

アプリ上に表示されるコントローラーを使って、WHILL Model C2を走行させることができるほか、走行できる距離やバッテリー残量なども確認可能。また、本体にロックをかけることもできる
ちなみに、スマートキーも付属しているので、スマートフォンを使わなくても本体をロックすることは可能

自動運転モデルも披露

最後に、空港や病院などの施設向けの自動運転モデルを紹介しよう。このモデルは前方にカメラ、後方にレーダーを搭載し、施設内のマップを内蔵させることで、自車の位置を把握しながら目的地まで自動で走行できる。走行中に歩行者や障害物を感知すると自動で停止し、左右に避けて走行。目的地にたどり着いたあとは、もとの場所に戻る機能も完備されているという。なお、日本国内では羽田空港に導入されているほか、慶應義塾大学病院で行われている実証実験にも提供されている。

自動運転モデルのWHILL。基本的なデザインは共通だが細部が異なる
前方を監視するためのカメラは左右に2つずつ合計4つ装備。後方からの接近はレーダーによって感知する
アーム部に搭載されたモニターを操作すれば動き出す。空港などの施設では、行きたい場所を選べるようになっているという。あとは乗っているだけで、目的地に連れて行ってくれる

歩行者や障害物を避けるということなので、試しに、自動運転で乗車している人を送り終え、帰還中のWHILLの前に立ってみた。下の動画がその様子なのだが、筆者の手前で停止し、横に避けようとしている。そこで、WHILLの進行方向に回り込み、さらに進路を妨害してみたところ、停止したうえで「前を開けてください」と音声で呼びかけてきた。こういう機能も用意されているのは、ありがたい。

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