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ガムを超えたお口のお供、グミのちょっと怖い話

TBSラジオ

噛むお菓子といえば何が思い浮かびますか?

長いこと王者として君臨していたのはガムでしたが、コロナ禍をきっかけに、2021年、グミが王座を奪還し、今や推計781憶円と言われるグミの市場規模。

グミはすごく虫歯になりやすいお菓子!

しかし、この大人気のグミに対し、警鐘を鳴らすのが歯医者さんです。静岡県の新美歯科オーラルケア・院長の新美寿英さんに聞きました。

新美歯科オーラルケア・院長 新美寿英さん

「グミってすごい固いので、よく噛む必要がありますから、噛むことによって顎が鍛えられるとか、脳の血流が良くなって頭がハッキリするとか、あとよく噛むっていうのは気分転換の作用もすごく強いので、そういう意味ではいい面もあると思いますが、歯にはすごい良くないお菓子なんじゃないかなと、どの歯医者さんに聞いてもそう言われるんじゃないかと、思います。

まず、砂糖の量がすごく多いということですね。砂糖は虫歯の直接の原因ですので。

で、あと、もう一点は、グミは(袋に)一応チャックが付いてると思うんですけど、あれ、ずっと持ち歩いて食べるっていうか、携帯して、ダラダラ食べることにつながっちゃいますから、お口の中の砂糖の滞留時間が長くなっちゃいますので、それもやっぱり歯に良くなかったりしますからね。

ちょっとみなさんには気にして欲しい食品だなと、前々から思ってました。」

よく噛む必要があるグミ。噛む力をつけて顎を鍛えたり、噛むことで脳の血流が良くなって頭がすっきりするとか、気分転換にも最適で、良い面ももちろんあります。

ただ、グミの主な原材料は砂糖と水あめで、ほぼお砂糖。これが虫歯になりやすい!

しかも、グミの袋は小さめでジッパー付きが多く、持ち歩きやすいですよね。グミは音もなく噛めるから、こっそりパクっと小腹を満たすのにも向いていますし、カバンに入れておくのも分かります。しかし、いつでもどこでも口に入れやすい、その結果、口の中の砂糖の滞留時間の長いお菓子となっているのです。

甘酸っぱさが、さらに歯に良くないんです!

聞けば聞くほど、虫歯になりやすそうで怖いですが、さらに怖い話が・・・。再び、新美先生のお話です。

新美歯科オーラルケア・院長 新美寿英さん

「グミって酸味がある、甘酸っぱい味のグミが多いと思うんですけど、酸っぱい味を出すのに、酸味料という、具体的に言うとリン酸とかクエン酸とか、そういった添加物が入ってまして、で、この酸が、歯を溶かします。

ですので、歯を溶かす酸と、虫歯にする砂糖がたくさん入ったグミは、もうダブルで歯に良くない。

虫歯になりやすかったり、あと、強い酸の含まれた食品を強く噛むので、そうすると歯のすり減りですね、上下で当たった時の歯のすり減りが、スゴイ早いので、酸蝕症と言って、歯が異常に早く溶けてしまって、染みる症状が出たりするような病気になりやすいのがグミかなっていう風に見てます。

これは、乳歯、子どもの歯は大人の歯よりも、酸によってすごく溶けやすかったりするんですが、子どものグミの食べ過ぎは大人よりも注意してもらいたいなと思ってます。」

酸と砂糖のダブルパンチ!甘酸っぱい味は美味しいくて食べ飽きないのですが、甘も、酸っぱも、歯には良くないんです!

しかも、最近はハードタイプのグミが人気で、これがまた危ない!強い酸の含まれた食品を、強く噛むことになり、歯がどんどん溶けてしまうことに。

グミ、大好き!大好き!!大好き!!!

特にお子さんは注意して欲しい、せめて永久歯になってから、と新美先生はおっしゃっていましたが、グミは子ども達に大人気のはず。まだ乳歯が残る世代のお子さんと親御さんに話を聞いてみました。

「4年生です。大好きです。一回食べたらほぼ食べちゃいます、一袋。
(お母さん、どうですか?)ちょっと食べ過ぎかなって感じはしますけど。気をつけた方が良いってことですか?分かりました!控えましょう!」

「1年生。好き。(一回に)4個?うーん、もっと食べる方がいい。
(父)あげたら食べるけど、我慢できるので。3個だけだよって言ったらちゃんとやめられます。いや、あんまり食べると良くないかなと思って。」

「1年生です。大好き!ぶどう。毎日10個。
(母)歯磨きは必ず、絶対食べた後に絶対っていう約束してます。なきゃ無理ですね、もうやっぱり好きなので。」

「2年生です。大好き。地球グミ。地球の形をしたグミです。毎日は食べない、我慢してる。虫歯になって、歯、抜いたから、だからもうグミ控えてる。」

やっぱりみんな好きですね~。よく食べてる!

親御さんたちは、みなさんちょっと気にしながら、でも子供が好きだから・・・という感じですね。

実は今、歯に良いキシリトール100%のグミもあり、ネットや歯医者さんで買えるのですが、ご存知の方がいました。

「6歳。全部好き。1番サイダー、2番目コーラ味。
(母)一回で食べ切っちゃうときもあるし、でもグミってあんまりいっぱい入ってないですよね。
(息子)グミ全然食べてないよ
(母)いやいや食べてるよ、しょっちゅう買ってるよ、週に5回はグミを買ってます。歯医者さんで言われました。虫歯になりますって言われて。(キシリトールのグミもあります)そう!高いんです!高いからキシリトール入りは選ばないの。ちょっとね、気になるけど、ちょっと金額がねえ、一回であげられないですよね、600円なんてねえ。マック行けちゃうもん。同じくらいだったら選びますけど、しょっちゅう食べてるからね。」

キシリトールは砂糖よりかなり値段が高いのですが、グミの原料はほぼ砂糖なので、それを丸ごと置き換えるとなると、一般的なグミの2~3倍の値段になってしまうんです。日常的にパクパク食べるお菓子に、その値段というのは、正直高いですよね、と。

今、ものすごく売れているグミ。その中身を多大きく変えて、値段を高くするというのは、メーカー側もなかなか悩ましい。

味は美味しいと子ども達は言ってましたが、歯に良いグミが主流になるのは、まだ先でしょうか。

ぜひ、みなさん食べる量やタイミングを考えながら美味しく食べて、虫歯にならないように気をつけてくださいね!

(私が購入したキシリトール100%のグミ 15粒入60gで674円でした。)

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:近堂かおり)

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