Yahoo! JAPAN

新演出で甦るミュージカル『オリバー!』への思いを、主人公オリバー・ツイスト役を射止めた4人が語る

SPICE

(左から)高畑遼大 小林佑玖 エバンズ隼仁 越永健太郎(写真撮影の時のみマスクを外しています)

『オリバー!』といえば、映画版も大ヒットした傑作ミュージカル。原作は19世紀英国の文豪チャールズ・ディケンズが書いた、ヴィクトリア朝イングランドが舞台の小説。救貧院から下働きに出された孤児オリバー・ツイストがロンドンに辿り着き、フェイギンという老人が束ねる子どもだけのスリ集団に取り込まれ……という物語だ。

キャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームによって、豪華絢爛で荘厳な超大作として生まれ変わった本作品の日本キャスト版が、2021年秋、新演出で31年ぶりに上演される。オーディションで主人公オリバー・ツイスト役を射止めたのは、エバンズ隼仁(えばんず はやと/10歳)、越永健太郎(こしなが けんたろう/11歳)、小林佑玖(こばやし たすく/11歳)、高畑遼大(たかはた りょうた/11歳)の4人(クアトロ・キャスト/※年齢は2021年9月17日時点)。10月からの公演に先駆けて、8月におこなわれた歌唱披露イベントに出演した彼らに、『オリバー!』への思いなどを聞いた。仲良し4人のキュートなやりとりにも、ぜひご注目を!

「お願いです、もっとください」(Please Sir I Want Some More) (Photo:福岡諒祠)

――歌唱披露イベントの手応えはどうでしたか? 素晴らしい歌声でしたが、自分に100点満点で何点くらいあげたいですか?

小林佑玖 楽しかったです。自分的にはよくできたなと思ったので、83点。まだまだたくさん練習して、もっとよくしていきたいなと思います。

越永健太郎 僕は楽しかったけど、気になるところがあったから67点。やれることがまだまだあると思うので、頑張ります。

エバンズ隼仁 96.7点。とても楽しかったし、今までの中ではよくできたと思います。でも、将来の自分にとっては0点にしたいです。今日の歌が0点だったと思うくらい、もっとどんどん上手くなりたいと思います。

高畑遼大 僕は86.753点くらい。楽しくて、気持ちがワアッてたかぶりました。カメラがたくさんあって、たくさんカシャカシャ撮ってもらって、すごく嬉しかった。緊張も全然しなかったです!

エバンズ 僕も歌ってる時は緊張しなかった。その後、(会見で)質問された時はドキドキしたけど。

越永 僕もそこだけ緊張した。すぐに答えられなくて、「ちょっと待ってください」っていうふうになっちゃって。

越永健太郎

――ライオネル・バートによる魅力的な楽曲が詰まった本作品。一番好きなナンバーは何ですか?

小林 「何でもやるよ(I’d Do Anything)」と「愛はどこに?(Where Is Love?)」です。「何でもやるよ」は、みんなで馬車を作ったり、船を作ったりするので、見ていてワクワクします。「愛はどこに?」は、ずっと前から練習してきたオリバーの重要な曲だから。オリバーの気持ちを込めて歌いたいです。

越永 「愛はどこに?」です。オリバーが、愛ってこういうものなのかな? 愛はどこにあるのかな?と真剣に愛を探していて、歌っていて心にすごくジーンとくるから好きです。

高畑 「信じてみなよ(Consider Yourself)」と「愛はどこに?」です。「信じてみなよ」はキャストがみんな出て、すごいハモったりして、聞いていてワクワクするので好きです。「愛はどこに?」は、初めて「愛はどこ?」って発した言葉とか、ぐっとくるところが好きです。

エバンズ 僕も「信じてみなよ」と「愛はどこに?」です。「信じてみなよ」は、たくさんのキャストさんの一人一人が街の人になって、一緒に演技をしていると19世紀のロンドンにいるような気持ちがしてきて、とても楽しいです。「愛はどこに?」は、オリバーがどういうキャラクターかわかる曲で、歌っているとオリバーの気持ちが自分の心の中に入ってくる感じがします。僕のお父さんはイギリス人なんですけど、『オリバー!』は、イギリスでは知らない人はいないんじゃないかっていうような作品で、「愛はどこに?」はとても有名な曲なんです。

エバンズ隼仁

――厳しいオーディションの末にオリバー役に決まって、お父様はさぞ喜ばれたのでは?

エバンズ 喜んで、泣いていました。泣きながら「やったー!」って飛び跳ねて、背中の関節がゴキッとなって、次の日、仕事を休んで病院に行ってました。

越永 うちの親も喜んで泣いていました。僕も嬉しくて、泣きながらずっと飛び跳ねてました。

高畑 うちのお父さんはガッツポーズしていました。僕も嬉しくて飛び跳ねたかったんだけど、お母さんとお父さんに止められました。「足くじいたら、どうするの! せっかくオリバーに決まったのに」って。

小林 うちは、お母さんがすごく「よかったね」って言ってくれて。お父さんは2階でリモートで仕事をしてたんですけど、喜んで1階の部屋に駆け込んできました。

小林佑玖

――自分がオリバー役に選ばれた決め手は、何だったと思いますか?

小林 うーん……歌の歌詞の一言一言に、気持ちを込めて歌えたからかなと思います。

エバンズ そうだと思う。佑玖くんの歌を聴いていると、とっても気持ちが伝わってきて、本当に泣いているんじゃないの?と思ったくらい上手だったから。

越永 僕も歌かな。2日目に「課題曲」を歌った時、「もう1回歌って」と言われて2回歌ったんです。それで、もうダメだ……と思いながら帰ったら、受かっていて、その次のオーディションでオリバーの歌が課題だったのでびっくりした。だから、歌がよかったのかもしれないなと思います。

エバンズ 僕は……お芝居かな。オーディションを受けに行ったら、みんなとっても演技が上手で、その真似をしながら一生懸命やったから、そこがよかったのかもしれないなって思います。

高畑 僕はうーん……。

小林 歌声じゃないの?

エバンズ 歌声だと思う。遼大はめっちゃ歌声がきれいだから。

越永 聴いてたらもう、天使だー!っていう感じになる歌声だよね。

高畑 じゃあ、歌で(照笑)。

高畑遼大

小林 『オリバー!』のオーディションは何日もあったから、それぞれのイメージとか性格をわかってもらえたんじゃないかなと思います。

――皆さん、もうすっかり仲良しなんですね。

エバンズ はい。オリバーに決まったときから、すごく仲良しです。

越永 というか、オーディションの時からじゃない?

高畑 そうだね。オーデションの時から、結構「オリバーに絶対なる」「絶対になろうね」って言い合っていて。最終審査のときには、みんなもう仲良しでした。

小林 稽古は2人ずつに分けてやることが多いので、たまに全オリバーが一緒の稽古があると、すごく嬉しいです。

――それぞれの性格を、お互いにどんなふうに思っていますか? まずは、小林さん、そして越永さんについて教えてください。

越永 小林くんは、優しいです。

エバンズ 穏やか。周りのことを考えるような感じで。

越永 自分のことより人のことのほうが大事っていう感じ。

高畑 なんとかスペック……何だったけ? あ、ハイスペック男子か! それだと思います。野菜を育てていたり、可愛いショートケーキみたいなのも作ったりして。

エバンズ ケンケン(越永)も、ぬいぐるみとか作ってるよね。

高畑 縫い物が上手なハイスペック男子!

エバンズ 小物作りがとても上手で、ムーミンを羊毛フェルトで作って、中に針金を入れて手や足が動くようにしたり。

越永 可動式にしました。今、ムーミンパパを作ってるんですけど、面倒くさくなってストップしてます。

小林 ダメダメ。上手なんだから完成させてよ。

エバンズ ケンケンは、ドローンのパーツも作ったんだよね?

越永 あ、はい。ドローンのパーツを1個自分で作りました。

――越永さんは、手先がとても器用なんですね。高畑さんとエバンズさんについてはどうでしょう?

小林 遼大くんはすごい真面目だけど、みんなに優しいよね。

エバンズ あと、元気!

越永 そう、元気だと思う!

高畑 僕も野菜を育てています。ナスとトウモロコシと、インゲン豆とトマト、あとピーマンとバジルも!

高畑遼大

小林 僕はオクラとナスを育ててる。隼仁くんは、ムードメーカーで面白いです。

越永 暗くならない。いつも明るいところにいる感じ。

高畑 カッコよくて賢い。イケメンだし。

小林 優しくて、相手を元気にするためなら何でもやりそう。

高畑 僕たち4人、性格は違うけど、苦手なことは一緒なんです。

エバンズ じゃあ、苦手なことを「せーの」で言ってみる?

小林・高畑 せーの

全員 ダンス!

――揃ってダンスが苦手でしたか。日本キャストに合わせた振付になっていると聞いていますが、覚えるのは大変?

エバンズ 大変です。でも、できた時は楽しい。

高畑 いつも佑玖くんが一番最初に覚えて、僕たちに教えてくれるんです。でも、佑玖くんにもわからないところがあったりするよね?

小林 うん、あるある。それぞれに、わかるところとわからないところがあって、それを全部合わせたら一つの曲になるから、4人で助け合ってやってます。

越永 ここって、こうだよね? とか、ここはこういうふうに変わったんだよとか、みんなで教え合ってるんです。

小林 たぶん、4人で助け合ってなかったら、ここまでできてないと思います。

小林佑玖

――稽古をしていて、改めて『オリバー!』のここが好きだと感じているところは?

エバンズ 愛を探しているストーリーが好きです。感動シーンもいっぱいあるし、たくさんのキャラクターが出てきて、たくさん気持ちが動いたりしていて、とても楽しい。

小林 オリバーは、最初は不幸で、そこから幸せになったり、また不幸になったり、愛してもらえる人ができるまでに色々険しい道のりがあるから、すごくワクワクするし、ドキドキするし、悲しくなるし、そういうところが好きです。

高畑 救貧院で怒られた時のオリバーの気持ちは、かなり低いんだけど、シルクハットとか衣裳を着させてもらってちょっと気持ちが上がったり、びっくりするようなことがあったり……。気持ちの変化がすごくあるところが好きです。

越永 わかる! 僕もそういうところが好き。でも、一番好きなのは歌です。楽しい曲がいっぱいあって、聞いていると明るい気持ちになります。

エバンズ 僕も歌は大好き! 自分では覚えてないんですけど、小さい頃から子守歌みたいに聞いていました。「ポケットからチョチョイと(You’ve Got To Pick A Pocket Or Two)」は4歳の頃から自分で歌っていた記憶がある。だから、どの歌もどのシーンも大好きです。

エバンズ隼仁

――稽古場で一番気になる人は誰ですか?

エバンズ 僕は、大人キャストさんたちと一緒に演技をするのが初めてなので、どの人も気になって見ちゃいます。みんな演技が上手いなあって。

小林 僕も、特別に誰かを見ているというのはないです。みんな大好きで、尊敬していて、この人も素敵だな、この人も素敵だなって思いながら見ています。

高畑 僕も同じ。でも、特に気になるのは市村(正親)さんかな。他の人がしないような演技をしているから。

エバンズ 市村さんは結構、自分で言葉を足しているよね。フェイギンらしさを足しているような感じ。

高畑 そうそう! そこが興味深いというか。

越永 僕もみんな大好きなんですけど、特に濱田めぐみさんが気になります。すごく歌が上手で、どうやったらあんなふうに歌えるんだろう?と思って。僕ももっと歌が上手くなりたい。

越永健太郎

――歌唱披露と会見の後に取材をいくつも受けて、さすがにエネルギー切れですよね。最後に、本番に向けて楽しみにしていることと、ここに注目して欲しい! というところを教えてください。

越永 大先輩の皆さんと舞台で歌って踊ることが、すごく楽しみです。迫力のあるダンスと歌を、ぜひ観て欲しいです!

小林 楽しみなことは、『オリバー!』の舞台でオリバーになれることです。早くオリバーになって、舞台を駆け回りたいです。注目して欲しいのは、歌と表情です。顔の全部の筋肉を使って、細かい、悲しさとか希望とか、楽しさとか、表現したいです。

高畑 経験ある役者さんたちと一緒に、大きな舞台に立てることが、すごく楽しみです。大勢のキャストさんがいるので、迫力のある舞台になると思います。

エバンズ ミュージカル『オリバー!』に出演できること全部が楽しみです。演技がとっても上手なキャストさんたちと一緒にお芝居をしたら、とっても楽しくて、気持ちいいだろうなって思います。オリバーは怒ったり、泣いたり、笑ったり、心がとても動くキャラクターなので、その一つ一つの心を大事に演じたいです!

取材・文:岡崎 香  写真撮影:福岡諒祠

【関連記事】

おすすめの記事