旅行が脳を活性化・若返らせる理由|『初めて』の出会いがドーパミンと場所細胞を目覚めさせる
脳は新しいものとの出会いが好きって、本当?
見知らぬ土地への旅行が脳を活性化させる
たとえば、これまで行ったことのない土地に旅行するとします。そのとき、脳にはどんなことが起こるでしょうか。 旅行の魅力といえば、見るもの、聞くもの、食べるもの、出会う人など、新しい出会いです。 新しいものとの出会いは、脳の好奇心の回路を活性化させ、ドーパミンなどの多幸感を伴う神経伝達物質を大量に分泌させます。 実は、脳の神経細胞に同じ刺激を何度も与えると、1回目にとりわけ大きく反応することが知られています。2回目、3回目と回数を重ねるごと、反応は次第に低下していきます。 その点、見知らぬ土地への旅行は、「初めて」の宝庫ですから、脳を大いに活性化してくれることは間違いありません。 また、脳の記憶を司る海馬には「場所細胞」といわれるものがあることがわかっています。これも、未知のところへ移動すると活性化します。さらに、旅行の計画を立てるときは、脳の前頭葉が活性化します。 一方で、いくら綿密な計画を練っても、旅行にはアクシデントがつきものです。旅行は、必然と偶然の間にある「偶有性」に身をさらすことになります。 脳は偶有性に対応する前提で設計されていますから、旅行は人間の脳本来の潜在能力を発揮するにも非常に有効ですし、突然の出会いや偶然の幸運を意味する「セレンディピティ」も脳を活性化してくれます。 このように旅行は、脳を活性化させますし、さらには脳を若返らせる作用も期待できるでしょう。 【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』著:茂木健一郎