遊びの中で必要なルールを守れない子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
遊びの中で必要なルールを守れない
遊具の順番待ちができないなど、自分勝手な行動を取ることで、遊びが止まったり成立しなくなったりしています。
例えば、こんな状況
園庭のすべり台に、数人の子が並んでいます。ところがQくんは、その子たちを押しのけて割り込み、一番にすべり台を使ってしまいました。
あなたならどうする?
1.一緒に列を見て「あと〇人だよ」と教える
2.「割り込む子は遊べません」と使用を禁止する
【解説】おすすめは1!
「順番を守る」「協力し合う」といった約束事、つまり目に見えない「ルール」という概念を理解するのは、子どもにとって簡単なことではありません。守れない子を罰するよりも、自分だけの世界にある「myルール」から抜け出し、みんなで協同するための「ourルール」を習得できるようアシストしてあげたいですね。
考えられる背景
「絶対に絶対に、あのすべり台で遊びたいんだ!」
「すべり台で遊ぶ」という目的にしか目が向いていないため、待っているほかの子に意識が向かず、割り込んでしまった可能性があります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
「順番」を理解することから始めよう
子どもが覚えるべきルールの中でも、目で確認しやすい「順番」は比較的分かりやすいと考えられます。待っている人に注目させた上で、「あと〇人だよ」「Qくんは〇番目だね」といったように、見通しを言葉にしましょう。順番という考え方が分かれば、「貸し借り」や「かわりばんこ」などについても理解が進み、ほかの子との協同遊びもスムーズになっていくはずです。
考えられる背景
「どうして、待っていないといけないの?」
まだ「ルール」という概念がよく分かっていないため、我慢しなければならない場面があっても、自制が難しい状態かもしれません。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
日常生活の中でもルールの習得を意識
遊びやゲームの場だけでなく、日頃からルールを意識できるような働きかけをしましょう。例えば、「〇時になったら片付けをしよう」など、その子にとって分かりやすい約束事をするといったことです。
同じものを並べたり分類して箱に入れたりする「異同弁別」を取り入れた遊びをしたり、保育者と順番の要素があるゲームをしたりすることも、ルールへの意識を高めます。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・かわりばんこだよ
・一人ずつ使おうね
・交代で遊んでみよう
・〇〇ちゃんの後ろだよ
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史