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兄弟2人で切り盛りする、素材を生かした料理が絶品のビストロ《福岡市中央区》

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福岡市中央区で昔ながらの趣きを残す「唐人町商店街」。その歴史は古く、江戸時代に遡るといわれています。前に訪れたのはいつか憶えていないほど久しぶりにこの商店街を通り、一本筋違いにある「仏蘭西料理 ときかわ」を目指しました。

オーナーの時川祐輔さんは、フランス各地で修業した料理人。2016年、東京のフランス料理店で修業した弟の大毅さんとともに、長年両親が営む居酒屋の2軒隣りに店を構えました。当初は「BISTRO TOKI」として営業していていましたが、2020年から現在の店名に変更。「ビストロの業態は変わりませんが、自分たちのフランス料理をさらに高めていきたい」と、食材のセレクトから味つけの細部に至るまで、誰が食べても美味しいと思えるフランス料理を目指しています。

オーダーした料理は、毎日黒板に書かれるアラカルトから。前菜の定番「田舎パテ」(1580円)は時季によって素材が変わります。今回は熟成させた鴨肉を使い、付け合わせも自家製のピクルスとオリーブにマスタードのシンプルな盛り付けです。厚めにカットされたパテは、「最小限の塩とほのかなスパイスで味付けしています」と、鴨の肉々しい旨味を引き出した野趣溢れる一皿。季節によっては鹿などのジビエや糸島豚も食べられます。

次に頼んだのは、「パセリ爆弾」(880円)という少々物騒なネーミングの料理。祐輔さんの中学時代の同級生という糸島「おきファーム」の沖祐輔さんが栽培するイタリアンパセリは葉の緑色が濃く、肉厚で歯ごたえのある食感です。こちらもビネガーにニンニクとナッツを加えたドレッシングのシンプルな味つけで、パセリ独特の苦味から徐々に甘みが広っていきます。

「リヨン風ソーセージ白インゲン添え」(2400円)は、祐輔さんがフランス修業時代にリヨン出身のシェフから伝授された料理の一つです。100年以上続くという伝統的なレシピを忠実に守りながら地元の糸島豚を使って再現したもので、ナイフがスッと入るソーセージはまるで絹を思わせる柔らかな食感。ふっくらと煮た白インゲン豆との相性も素晴らしく、素朴ながらも味わい深いフランス郷土料理の真骨頂を感じさせてくれます。

「料理はすべてワインに合うように作っています」というように、ワインのセレクトも抜かりがありません。日本ではあまり紹介されていないワイナリーのボトルを旧知のインポーターから仕入れ、料理に合わせて提案してくれます。

食材のセレクトや料理のレシピは2人で話し合いながら、主に料理は大毅さん、サービスは祐輔さんが担当。14席のこぢんまりした店を2人で切り盛りしながら、「同じ価値観を共有できるお客さまにご来店いただきたい」という時川兄弟。そのフランス料理に懸ける真摯な姿勢に賛同するリピーターを徐々に増やし続けています。

《仏蘭西料理 ときかわ》
福岡市中央区唐人町3-2-1
092-734-5525

※掲載しているメニューや価格は取材時のものです。訪問する際にはお店のSNSや電話等でご確認ください。

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