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大人も子どもも夢中になる森の新しいアクティビティ「ツリーイング」

LEXUS

大人も子どもも夢中になる森の新しいアクティビティ「ツリーイング」

空を見上げて木に登り、葉擦れの音を聞いて、野鳥たちと同じ目線で森を眺めることができたなら、何を感じるだろう。そんな思いを抱きながら、近年注目されている木登りの進化形、ツリーイングを取材した。

※緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の解除後の外出をお願いします

木登りの進化形、ツリーイング

ツリーイングとは、専用のロープを使って行う木登りのこと。子どもから大人まで、インストラクターの指示のもとで安全、かつ簡単に驚くほど高い木に登ることができる。

今回訪れたのは、谷川岳の麓にある群馬県・みなかみ町。利根川を利用したラフティングやバンジージャンプ、谷川岳や尾瀬への登山など、アウトドアレジャーが盛んな町だ。そんな豊かな自然に抱かれた場所で、ツリーイングのツアーを開催しているのが「猿山-MONKEY MOUNTAIN-」の小林英夫氏。当日、関越道・水上ICから1kmほどの待ち合わせ場所で、装備器具を積んだ白いバンとともに出迎えてくれた。マスクをしていてもにじみ出る朗らかな人柄に、初めてのアクティビティに少し緊張気味だった取材班の気持ちも和む。

「説明するとおりにしていただいたら簡単に登れますから、安心してください。競うものではありませんし、安全を第一に、皆さんのペースでゆっくりと登って、木と存分に遊んでいっていただけたらうれしいです」

小林氏の言葉に励まされながら、ツリーイング用の特殊なハーネス(安全ベルト)とヘルメットを選び、いざ森の中へ。木漏れ日が差し、見上げると美しい緑の葉がきらめいていて、あの葉の近くまで登るのだと思うと心がにわかに浮き立ちはじめる。利根川の水の音を聞きながら10分ほど歩くと、すでにロープが取り付けられた立派なケヤキの下に辿り着いた。思わず皆で木に挨拶をする。頭上には、枝の間でハンモックがゆらゆらと揺れていた。

「ハンモックがかかっている枝までの高さは10メートルほどです。あそこまで頑張って登りましょう」

そうにこやかに話しながら、小林氏がハーネスの着用方法やロープの扱い方について、一人ひとり丁寧に指導する。降りる際の滑り止めとなる「スリップノット」の結び方を覚え、ロープを使って登り降りする練習を数回行うと、早速実践だ。

頭上のハンモックを目指し、子ども心が蘇る

始めは腕と足の使い方に慣れず多少難しく感じるが、コツをつかむとグングン上へと上がる感覚に夢中になってくる。特殊なロープの輪に足をかけ、立ち上がる力を利用するため、腕力がない子どもや女性でも簡単に登っていくことができる。

時にバランスを崩しても、ハーネスがしっかりと体をホールドしてくれるので安心だ。手を離しても落ちることがない。小林氏も、常にそばで様子を見守ってくれている。

息を整えるために、眼下の川の流れを眺めながら休息し、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んで、再びロープを引き上へ、上へ。ついにハンモックが目の前に現れると、想像以上の達成感に喜びが込み上げてくる。そのころにはすっかり日常を忘れて、子どものような無邪気さを取り戻していた。

見下ろすと地上は遠く、かなりの高さにいることを知る。しかし不思議と、怖さを感じることはない。

「最初は怖がって消極的だった人も、途中からは『楽しい!』と言って生き生きとした表情に変わるんですよ」

予約を入れる際に、電話口でそう語っていた小林氏の言葉を思い出す。不安よりも爽快感が勝るのだろう。

木の上で非日常を味わう

木の上のハンモックに揺られる心地よさは表現しがたいほどだ。枝の葉がまぶしく目に映り、風は優しく、鳥のさえずりが近くに聞こえる。眼下に流れる川の水の音が森中に響き渡る中、自然と渾然一体になり、心身が瞬く間に解放されていく。

「ゆっくり昼寝をしていただいてもいいんですよ」と、小林氏が笑う。

コロナ禍により今はやむを得ず中止しているが、通常はハンモックで過ごす時間をコーヒータイムと称して、木の上でコーヒーを入れるサービスを提供しているという。この日はパッケージに包まれた地元の店のチーズタルトをいただき、それはちょっとしたご褒美のようだった。

同行してくれた少年も、「ハンモックでの時間はメディテーションのようにリラックスできる」と言いながら、気づけばさらに上へと軽々と登っていき、地上から15メートルほどの高さにある枝の上をひょうひょうと歩いていた。その様子を眺めながら、“自然と遊ぶ”とはこういうことかと感じ入る。

ツリーイングに託された願い

ロープを利用した木登りの技術は、世界中のアーボリスト(樹木医)たちが樹上での作業を行うために利用されてきた。アメリカでその技術を体系化し、レクリエーションとしての木登りが誕生したのが1980年代のこと。日本では2005年に「ツリーマスタークライミングアカデミー(以下、TMCA)」が創立し、この技術をツリーイングと命名して普及に努めてきた。ツリーイングという造語には、対象である木(Tree)にingを加えて、「木に登る~Climbing」「木から学ぶ~Learning」「お互いに共有する~Sharing」の3つのテーマを重ねていると理事長の藤田和則氏はいう。

「TMCAでは、ツリーイングを木や森と親しむための一つの手段として捉えています。ですから単に木に登るという行為だけではなくて、『木と遊び、学ぶ』ことの大切さが伝わるネーミングを考えました」

TMCAが設立された当初、公園で木に登ることは禁止されていた。そのため思うような活動ができなかったという。しかし、同年の秋に埼玉県の国営武蔵丘陵森林公園からツリーイングの開催許可が下り、状況が一変。

「当時の担当者がツリーイングの安全性や、ツリーイングを通して子どもたちが樹木に関心を持つ大切さを理解してくださり、その後も定期開催ができるようになりました。今では全国の国営公園や都立公園、県営・市営の公園、民間のフィールドでツリーイングを楽しめるようになり、TMCAの会員数も2000名を超えています」

TMCAの設立目的は、ツリーイングを通して森や自然を大切に思う心を育むことだという。そのスピリットと正しい技術を伝える人材を育成するため資格認定講座を開催し、インストラクターの小林氏も資格を保有する。

木に感謝する

木の上を吹く風を感じながら五感が冴え、無心になって森を眺めていると、「そろそろ降りましょうか」と声がかかる。この至福の場から去ることに後ろ髪を引かれながら、少しずつ地上へと降りていくことに。その途中で、木と木の間に張ったロープを渡る「スラックライン」にも挑戦し、アスレチック気分も満喫。

地面に着くと、途端に体に重力がかかるのを感じて、ロープとハーネスのおかげで宙に浮くような軽やかさを享受していたことを実感する。名残惜しい気持ちでいると、「最後に『猿山』特製の“でかブランコ”に乗りませんか?」と促された。見ると振れ幅12メートルにもなるという巨大ブランコが木の枝につるされている。早速トライすると、利根川に向かって大きく飛び出す爽快さに、思わず歓喜の声が上がった。

ツアーが終わると、こんなにも私たちを寛容に受け入れ、楽しませてくれたケヤキの木に感謝せずにはいられなかった。そして森の木々が、たくさんの小動物の憩いの場となっていることを思い出し、この森を守りたい気持ちが自然と湧き上がる。

「木は優しいですよね。秋の紅葉も美しいですよ。四季折々の自然を体感しに、また遊びにきてください」

小林氏の言葉に、皆が大きくうなずいた。

TMCAの藤田氏は言う。

「私たちはツリーイングの技術をお伝えすることで、皆さんを森の入り口までご案内するにすぎません。扉を開けた先でどのように森と親しむのか、それは皆さんの受け取り方、感じ方次第です。ツリーイングで木に登り、森から学ぶことで、共に自然の恵みに感謝し、その感動を分かち合えることを願っています」

小さな子どもから大人までが夢中になれるツリーイング。五感を開き、森の木と戯れながら、家族で満喫してみてはいかがだろう。森の扉の先で、思いがけない自然との触れ合いが待っている。

猿山-MONKEY MOUNTAIN-
http://saruyama-tree.com

Tree Master Climbing Academy (TMCA)
ツリーマスタークライミングアカデミー
http://www.treemaster.jp

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