輪島塗の名工との不思議な縁 写真家・相澤實さん
茅ヶ崎市松浪で「アイザワ写真館」を営む相澤實さんの自宅には世界的に活躍した漆芸家・三谷吾一(1919〜2017)の作品「魚」が大切に保管されている。輪島塗の沈金技法を極め、文化功労者にも選ばれた名工との不思議な縁とは。
肖像写真を撮影
2人が出会ったのは、1990年頃。相澤さんは当時、優れた芸術家を顕彰し活動を支援する日本藝術院で会員の肖像写真をテーマに撮影しており、日本画家の小倉遊亀、片岡球子、小説家の司馬遼太郎、井上靖ら多くの芸術家、文化人をフィルムに収めてきた。
そうした会員の1人が三谷で「プロフィール用写真を」と依頼され、飛行機で輪島市へと飛んだ。撮影場所は三谷の自宅。「その人らしさを表現することを大切にしている」という相澤さんは、椅子の背もたれに顔を乗せてもらい撮影した=写真。「三谷さんの温かい人柄が表現できたと思う」という1枚は周囲からも好評で「お礼に」と贈られたのが前述の「魚」。交流は三谷が亡くなるまで続いた。
人気番組でも使用
この肖像写真が人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系列)の2月18日(火)の放送回に使用される。三谷の故郷・石川県輪島市への出張鑑定企画に登場するという。