野菜ソムリエが徹底比較!みょうがを味噌汁に入れるタイミング
みょうがを味噌汁に入れるタイミング、いつが正解?徹底比較!
みょうがの味噌汁を作るとき、「みょうがを入れるタイミング」について悩む人は多いのではないでしょうか。「みょうがの香りを楽しみたい!」「シャキシャキッとした食感を残したい」など、好みはさまざまですよね。
この記事では、野菜ソムリエが味噌汁にみょうがを入れるタイミングを5パターンで作り、比較検証します。どのタイミングがお好みか確認していきましょう!
【検証方法】
実験の公平性を示すため、ベースとなる味噌汁の材料、分量、みょうがの切り方は同じです。みょうがは半分に切ってから縦に薄切りにし、サッと水にさらしてアクを抜いておきます。そして、みょうがを入れるタイミングを「水から」「煮立ってから」「味噌を加える直前」「火を止めてから」「盛りつけてから」の5つで比較検証します。
分量▼
・みょうが(薄切り)……1個
・だし汁…300cc
・味噌……大さじ2/3杯
入れるタイミング▼
1. 水からみょうがを入れる
2. 煮たってからみょうがを入れる
3. 味噌を加える直前にみょうがを入れる
4. 火を止めてからみょうがを入れる
5. 盛り付けてからみょうがを後のせする
検証結果まとめ▼
入れるタイミング / 色 / 香り / 食感 / 苦味 / 汁にみょうがの味が移っているか
水から / なし / なし / 弱い / ない / あまりない
煮たってから / なし / なし / ほどよくある / ない / 多少移っている
味噌を加える直前 / 薄い赤 / 薄い / ある / 少しある / 多少移っている
火を止めてから / 赤 / しっかり / しっかり / しっかり / 移っている
盛り付けてから / 濃い赤 / しっかり / しっかり / しっかり / 移っていない
みょうがを入れるタイミング1:水からみょうがを入れる
水からみょうがを入れると、みょうがのきれいな赤色はまったくなくなってしまいます。縦に薄切りにしている分、食感は若干残っていますが香りは消え、みょうがの苦味はなくほんのり甘味を感じます。味噌汁自体にもみょうがの風味は残っていません。
みょうがを入れるタイミング2:煮たってからみょうがを入れる
煮たってからみょうがを入れると、できたては少しだけ赤っぽい色が残っているような状態でした。少し時間が経つとすぐに赤色はなくなります。みょうが全体に火が通りつつもシャキッとした食感は残っている印象。ほろ苦さを多少感じる程度で嫌なえぐみはありません。味噌汁自体にみょうがの風味は香りませんでした。
みょうがを入れるタイミング3:味噌を加える直前にみょうがを入れる
味噌を溶き入れる直前にみょうがを入れて再度火をつけて仕上げると、みょうがの赤色がほのかに残っていました。みょうがには火が通った状態で、シャキッとした食感とほろ苦さが感じられますが、香りは薄いです。味噌汁にはみょうがの風味がほんの少し残っていて上品な味わいでした。
みょうがを入れるタイミング4:火を止めてからみょうがを入れる
味噌を溶き入れて温め、火を止めてからみょうがを入れます。みょうがに軽く火が入り、香りとシャキシャキッとした食感を楽しめます。特有の赤色も全体的に残っていてさわやかな風味が味噌汁自体にも広がっていますよ。みょうがの苦味も味わえます。
みょうがを入れるタイミング5:盛り付けてからみょうがを後のせする
味噌汁を盛りつけてからみょうがを後のせすると、みょうがの赤色が鮮やかに残ってとても美しいです。みょうがはほとんど生の状態。香りが強くシャキシャキッとしてみずみずしさも感じられます。味噌汁にはみょうがの香りは移っていませんが、みょうが自体にパンチがあり苦味もしっかり味わえますよ。
結論!みょうが味噌汁のベストタイミングはこれだ
入れるタイミング / 色 / 香り / 食感 / 苦味 / 汁にみょうがの味が移っているか
水から / なし / なし / 弱い / ない / あまりない
煮たってから / なし / なし / ほどよくある / ない / 多少移っている
味噌を加える直前 / 薄い赤 / 薄い / ある / 少しある / 多少移っている
火を止めてから / 赤 / しっかり / しっかり / しっかり / 移っている
盛り付けてから / 濃い赤 / しっかり / しっかり / しっかり / 移っていない
みょうがはカットしてから時間が経ったり火を入れたりすると香りが飛びやすいです。みょうがならではの赤色の美しさも、火が入ると消えてしまいます。香りや特有の赤色を楽しみたいなら、なるべくグツグツ煮ないほうがよいです。
切り方にもよりますが、多少煮てもシャキッとした食感が残るのが大きなポイント。後のせはほとんど火が通っていないので、みずみずしさが残り一番食感を楽しめました。またみょうがの苦味やえぐみは火を通すことで和らぎ、甘味が感じられるようになります。みょうがの苦味が苦手な方は火を通すのがおすすめです。
【香りを重視】「盛り付けてから」がおすすめ
もっともみょうがの香りが引き立ったのは、「盛り付けてから後のせ」したものでした。みょうがは火が入るとどうしても香りが薄くなります。香りのパンチを感じたいなら、盛り付けてからトッピングするようにしましょう。
【シャキシャキ感を重視】「火を止めてから」「盛り付けてから」がおすすめ
実際に食べてみると、どのパターンも食感は残っていました。みょうがは繊維に沿って縦にカットすると、シャキシャキとした食感がより楽しめるのが特徴です。水から煮たものは、さすがにしんなりしていますが、そのなかでもシャキッとした歯ごたえは楽しめましたよ。シャキシャキ食感が好きなら「火を止めてから」や「盛り付けてから後のせ」するのがおすすめです。
【きれいな色を重視】「盛り付けてから」がおすすめ
みょうがの赤色をきれいに残したいなら、「盛り付けてから後のせ」するようにしましょう。みょうがは火が入ると、どうしても色が抜けてしまいます。火を止めてから入れたものでも、盛り付けてから少しの間は残っていますが、徐々に抜けていきますよ。
野菜ソムリエの総合的なおすすめは「火を止めてから」
以上の比較検証をおこなったうえで、野菜ソムリエがおすすめするタイミングは「火を止めてから」。ある程度きれいな赤色をキープでき、ほのかに香りも残ります。味噌汁の熱でみょうがに少し火が入って、いい塩梅のシャキシャキッとした食感とほろ苦さも楽しめますよ。味噌汁自体にみょうがの風味も移っていて存分に味わえる点も大きなポイントです。
味噌汁にみょうがを入れるタイミングは好みでチョイス!
比較検証して感じたのは、みょうがの色と香りは飛びやすいということ。これまで何度も作っていましたが、これほどまでに短時間で飛んでしまうことに驚いてしまいました。
みょうがの味噌汁を作るにあたっては、「香りを活かしたい」「食感を残したい」「苦味が気になる」など好みがありますよね。比較検証した結果を参考に、それぞれの特徴を活かすタイミングをチョイスして好きな味わいの味噌汁に仕上げてみてくださいね。
※掲載情報は記事制作時点のもので、現在の情報と異なる場合があります。
ライター:稲吉永恵(野菜ソムリエ / ローフードマイスター / オーガニックコンシェルジュ)