東京都墨田区「ノウドひきふね」│サードプレイスから見つける、暮らしたくなる街
コミュニティセンターや図書館、公園、カフェなど、家でも職場でもない、第三の居心地のいい場所「サードプレイス」。そんなサードプレイスに注目して、本当に暮らしたくなる街を見つける企画。
第2回となる今回は、東京都墨田区の曳舟駅からすぐの施設「ノウドひきふね」を訪問しました。
開放的な空間には卓球台やシェアカフェがあり、遊び心あふれるデザインと機能性が調和しています。勉強や作業に集中したい時も、遊びたい時も心地よく過ごせる場所です。
「ノウドひきふね」という施設名は、多様な人が交わる結節点“ node”になることを目指して名付けられたとのこと。
今回の記事では、実際に施設を訪れた感想やインタビューを交えながら、曳舟エリアの魅力に迫ります。
「ノウドひきふね」の基本情報
「ノウドひきふね」とは
「ノウドひきふね」は曳舟駅から徒歩1分ほど、駅の目の前に位置する開放的でおしゃれな施設です。2024年2月に、既存の建物の1階部分を活用して、子どもから大人まで自由に利用できるコミュニティスペースとして誕生しました。
この施設には、曜日ごとに店主が変わるシェアカフェ「みんなのカフェ」、イベントが開催できる「ピクニックスペース」、1箱単位で本棚を借りられる「みんなの本棚」など、直接的・間接的なコミュニケーションを活発にする仕掛けが盛りだくさん。
まるで広場のように、さまざまな目的を持った人々が気軽に立ち寄り、多くの出会いや交流が生まれる場所です。
ノウドひきふねの施設情報
施設名:ノウドひきふね
住所:東京都墨田区東向島2丁目29-13
アクセス:東武スカイツリーライン、亀戸線「曳舟駅」から徒歩約1分
営業時間:施設・ドロップイン利用10:00~19:00、カフェ8:00〜16:00(LO15:30)
定休日:月曜日
拠点運営:コトラボ合同会社
企画:UR都市機構
「ノウドひきふね」に行ってきました
「ノウドひきふね」の魅力を深く知るため、実際に施設に行ってきました。
最寄駅から「ノウドひきふね」までのアクセス
「ノウドひきふね」の最寄り駅、東武スカイツリーライン・伊勢崎線と亀戸線が乗り入れる曳舟駅の改札口から出発します。まずは改札を出たら左に曲がってください。
東京曳舟病院の入り口を左に曲がってください。
細い道があるので、ここを直進してください。
少し歩くと道路に出るので、ここを左に曲がってください。
少ノウドひきふねの外観し歩くと右手に見える白い建物がノウドひきふねです。
「ノウドひきふね」を実際に利用して感じた魅力
ここからは、「ノウドひきふね」を実際に利用して感じた魅力を紹介します。
曜日ごとに異なる店主が営業するシェアカフェ
「ノウドひきふね」に入ると、まず目を引くのが曜日ごとに異なる店主が営業するシェアカフェ「みんなのカフェ」です。ハーブティーやコーヒー、お菓子、ランチプレートなど、日替わりでさまざまなメニューに出合えるため、訪れるたびに新しい発見やワクワク感を楽しむことができます。
この日のお店では、香り高いハーブティーをおすすめしていただきました。スタイリッシュな透明のグラスに注がれたお茶は、ハーブ由来の自然な甘みを堪能できます。
優雅な香りに包まれると、勉強や仕事が一層はかどりそうです。
この日は米粉を使ったマフィンなど、作業の合間に食べられるものも充実していました。おやつを買いにフラッと立ち寄れるのも、「ノウドひきふね」の魅力です。
人と時間をシェアする、新しい学びの場
「リビング学習」スペースは、まるで自宅のリビングのように人の気配を感じながら、自分の時間をゆったりと過ごせる作業スペースです。カフェの人たちの話し声や子ども達が遊ぶ声などが聞こえてきますが、あえてそういう作りにしているとのこと。
ノウドひきふねでは「コリビング」の考え方を取り入れ、様々な目的の人が一緒の空間で過ごすことで、出会いがあったり、落ち着いたりするような居場所を提供しています。
リビング学習スペースにはWi-Fiやコンセント、フリードリンク、ナッツ類などがそろっていて、長時間快適に作業に集中することができます。
料金プランには、学校や仕事帰りにふらっと立ち寄れるドロップイン利用のほか、複数人で時間をシェアできる月額会員プランもあります。地域に開かれた憩いの屋外空間
「ノウドひきふね」の屋外スペースは、地域の人々が集まる憩いの場です。広々とした空間では、コーヒーを飲んだり友人と談笑したりと、様々な人が利用しています。
施設のシンボルのような存在である卓球台は、地域の「PING PONG PLATZ」という団体によって設置されており、子どもから大人までが世代を超えて交流を楽しむ、人気のスポットです。
さらに、盆踊りやキッチンカーの出店など、地域密着型のイベントも多数開催されていて、地域の活性化に大きく貢献しています。四季折々の空気感を肌で感じながら、地域の仲間たちと触れ合えるこのスペースは、多くの人にとって特別な存在となっています。
「ノウドひきふね」で話を聞いてみました
「ノウドひきふね」は、拠点運営を「コトラボ合同会社」、企画を「UR都市機構」が行っています。
今回は、コトラボ合同会社代表の岡部友彦さん、UR都市機構の大野友平さんのお二人に施設の詳しい話を聞いてみました。
「ノウドひきふね」誕生の経緯
―まずは「ノウドひきふね」が誕生することになった経緯について教えてください。
大野さん:元々UR都市機構では防災の観点から、曳舟や京島といった木造密集地帯の再開発を行ってきました。その中で、以前は居酒屋だったこちらの建物が、コロナ禍以降空いているということを伺って、街のためになる施設をつくろうということになりました。
具体的には、駅の前に広場のような人が集まれる場所があれば、曳舟の魅力が上がると考え、このような施設をつくりました。UR都市機構で建物を借りて、企画段階からコトラボ合同会社にも携わってもらっています。
「ノウドひきふね」ならではのこだわり
―施設のこだわりを教えてください。
岡部さん:どうやったら色々な属性の人たちが集まれるだろうかと考えて、施設を企画しました。 通常のコワーキングスペースでは静かなことが多いですが、ここではリビングのような空間づくりをしていて、子どもから大人まで様々な目的の人が一緒に過ごせるつくりになっています。 有料の作業スペースとは別に、無料で使えるスペースもあるので、カフェで買い物をしてフードコートのように利用することもできます。
曳舟エリアには若い子育て世代の方が多いのですが、子どもが大きくなると広い家を求めて郊外に移動することがよくあります。より長く曳舟に住んでいただくために、こういった施設が必要であると考えました。ですので「ノウドひきふね」には、家族単位で利用時間をシェアできるプランも用意してあります。
「ノウドひきふね」が変えた街の雰囲気
―施設ができて街にどのような影響がありましたか。
大野さん:この施設は駅の目の前にあるのですが、以前は少し雰囲気が暗い道でした。施設ができたことで、外でピンポンをしている音が聞こえたり、お菓子の焼ける良い香りがしたりと、通りの雰囲気が明るくなったのではないかと思います。
岡部さん:夏休みに行くところがない子どもたちの居場所になったり、盆踊りの練習場所になったりと、当初は想定していなかった形で街にコミットできているのではないかと感じています。
やってみたいを応援してくれる空間づくり
―「ノウドひきふね」ではどんなことができるのでしょうか。
岡部さん:シェアカフェの「みんなのカフェ」では曜日ごとに違った店が入るようになっていて、様々な人が飲食店にチャレンジすることができるようになっています。
また、「みんなの本棚」では一箱ごとにスペースを貸し出していて、おすすめの本や自作の雑貨を置いたりと、ビジネスや自己表現の場として活用いただいています。本棚にはメモを置いていて、本の感想を書いたりすることで間接的な交流も生まれています。
子どもから大人まで、つながる居場所づくり
―どのような方が施設を利用されているのでしょうか。
岡部さん:時期や時間によっても違うのですが、子どもから大人まで幅広い年代の方に利用いただいています。将来的には夜にバータイムをつくって、仕事帰りにフラッと立ち寄れるようにもしてみたいと考えています。
大野さん:「ノウドひきふね」で勉強していたり遊んでいた子どもが、大人になっても引き続き使ってもらえる施設になれば最高だと思います。
曳舟の魅力
―最後に曳舟の魅力について教えてください。
岡部さん:曳舟エリアの方々は、このような公共空間を積極的に活用し、街に活気を生み出してくれます。同じ施設が別のエリアにできたとしても、曳舟とまったく同じようには機能しません。人と人との距離が近く、コミュニケーションが活発な点が、この街ならではの魅力だと思います。
大野さん:東武スカイツリーラインは半蔵門線に乗り入れているため、大手町や渋谷といった都心へのアクセスが良い一方で、地域特有の温かみのある雰囲気が残っているのが曳舟の特徴です。そうした地域の個性や歴史を大切にしながら、時間をかけてまちづくりを進めていきます。クラフトビールが地域ごとに特性があるように、クラフト感のあるまちづくりを行っていきたいです。
「ノウドひきふね」まで徒歩1分の「曳舟駅」
「曳舟駅」の特徴・魅力
曳舟駅は、暮らしやすさと利便性を兼ね備えた街で、 曳舟駅と京成曳舟駅の2つの駅が利用でき、交通の便が非常に良いことが特徴です。東武スカイツリーライン・伊勢崎線を利用すれば浅草駅まで約5分、半蔵門線直通で大手町まで約20分と、主要駅へのアクセスも抜群となっています。
駅前には大型スーパーをはじめ、様々な商業施設が充実していて、買い物環境も抜群。有名チェーン店から個性的な個人経営店まで、飲食店も豊富にそろっているため、外食も楽しめます。駅直結の「東京曳舟病院」があるため、急な体調不良の時にも安心です。
京成曳舟駅前には80席以上の個人用学習席を備えた「墨田区立ひきふね図書館」があり、静かに作業をしたい方にもおすすめです。
また、徒歩15分ほどのところには隅田川が流れ、散歩やサイクリングを楽しむことができます。押上へもすぐなので、 スカイツリーを間近に見ることができ、自然と都会の両方を満喫できるエリアです。
静かにのんびりと過ごしたい方も、アクティブに過ごしたい方も、どちらも満足できる住環境が整っているのが曳舟エリアです。
「曳舟駅」の家賃相場
・ワンルーム 8.64万円
・1K 8.71万円
・1DK 10.48万円
・1LDK 15.42万円
・2K 12.47万円
・2DK 13.34万円
・2LDK 20.48万円
まとめ
今回は東京都墨田区の曳舟駅にある「ノウドひきふね」を紹介しました。
2024年2月にオープンしてから、地域の人々にとっての新たな生活の拠点として活用されています。シェアカフェでコーヒーを片手に読書をしたり、ピクニックスペースで友人と語らったり、本棚で新たな発見をしたり。「ノウドひきふね」はアイデア次第で、様々な過ごし方が可能です。
曳舟エリアは、下町情緒あふれる温かい雰囲気と、便利な生活環境が共存する魅力的な街です。さらに、「ノウドひきふね」のようなコミュニティスペースがあることで、新しく引越してきた人でも自然と地域に溶け込むことができます。
都心へのアクセスも良好でありながら、落ち着いた住環境が整う曳舟で、新しい暮らしを始めてみませんか?
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。