介護現場のOJT完全ガイド|3年目職員が新人を育てる実践ポイント
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本日のお悩み:介護のOJTの目的や注意事項を知りたい
働き始めて3年目を迎えます。4月から新しく入ってくる職員のOJT担当となりました。OJTの目的や注意事項などを教えていただきたいです。
現場3年目を活かした「OJT研修」
執筆者/専門家
羽吹 さゆり
https://mynavi-iryofukushi.jp/media/users/7
現場3年目でOJT研修を担うのは、質問者様が周囲から信頼されている証しです。本当にすばらしいことですね。3年目というのは、現場の実務に慣れ、仕事の全体像も理解できるようになる時期。一方で、新人の頃の気持ちをまだ鮮明に覚えている時期でもあります。中堅と新人、両方の視点を持てるという強みを生かせば、より実践的で温かみのあるOJTが実現できるのではないでしょうか。期待しています。
法定研修とOJT研修の役割の違い
さて、介護の現場には介護保険法に基づく運営基準があり、事業所はこれを守る必要があります。運営基準は厚生労働省が定めており、組織としての安全確保・法令遵守を目的に、法定研修も義務付けられています。この研修は全職員が、「知識」「ルール」「体制」を理解するためのものです。
一方、新人のためのOJT研修は、「実際に一人でケアできる力を身につける」ことを目的としています。言葉を変えるなら、新人が現場で自立して動けるようにするのがOJT研修です。
■現場で力を育てるOJT研修
OJTというのは(On-the-Job Training)の略称で、「実際の業務を体験しながら仕事を覚えてもらう育成方法」です。私自身は、新人にとって欠かせない研修だと位置付けており、とても大切にしています。
OJT研修の流れについて
OJT研修は、次のような流れで実施するのが一般的です。
1.Show(やってみせる)
実際の業務をやってみせるのが、研修の第一歩です。業務全体の流れをみることで、仕事のイメージをつかんでもらいます。
2.Tell(説明・解説する)
次に、やってみせた業務について詳しく説明します。仕事内容だけでなく、「なぜこの仕事があるのか」「目的は何か」まで、きちんと伝えることが大切です。
3.Do(やらせてみる)
実際にやってもらいます。その際、間違いがあっても責めたりせず、「どこでつまずいているのか」を観察する姿勢が重要です。
4.Check(評価・指導する)
フィードバックを行います。ここでは、良かった点と改善点を具体的に伝えるのが効果的です。また、評価をもとに、次の指導計画を立てます。
これら4つのステップを丁寧に繰り返すことで、新人は業務への理解を深め、着実に成長していきます。業務ごとにこの手法を用いながら、必要な知識・技術を段階的に習得してもらいましょう。
なお、OJT研修は、新人の成長段階に応じて行う実践中心の研修です。実務を通じての研修は理解速度が速いため、効率的に「実践力」と「職場適応力」が身につきます。
指導時の注意点について
新人のOJT研修の内容や担当者の関わり方は、今後の現場の方向性(良い方向へ導くか、逆に不安定にしてしまうか)を左右するといっても過言ではありません。だからこそ、指導時の注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
新人の不安と向き合う指導者の視点
新人の中には、介護現場が初めての方も多く、不安と期待が入り混じっています。指導するにあたっては、まず自分自身の新人時代を思い出してみましょう。その上で、良かった指導は上手に取り入れ、嫌だった指導は改善して伝えていくことが大切です。
現場3年目という立場は、新人にとって共感しやすい存在であり、「目標となる先輩」になり得る貴重なポジションです。そのメリットをしっかり指導に生かしてください。
信頼関係を築くための指導のポイント
指導の際、特に配慮したいのは以下の3点です。
•質問しやすい雰囲気をつくる
•小さな成功を見逃さずに認める
•失敗を成長過程として励ます
新人は常に緊張の中にいるため、こうした関わりが信頼関係を築き、心理的安全性を高めます。
理由を伝えることで身につく指導
また、新人は目の前の情報を処理するのに精一杯なので、知識や手順を一度に詰め込みすぎないことが重要です。個々のペースに合わせて、段階的に指導していきましょう。加えて、「根拠」を説明することも大切です。理由がわかると、技術や手順がより定着しやすくなります。
間違いを指摘するときの配慮
間違えたときは、できている点を伝えた上で、間違いを指摘してください。新人にも自尊心があるので、指導者の関わり方次第では、恥をかかされたと思って自信を失いかねません。その結果、離職につながることもあるので注意しましょう。
新人は「何を教わったか」以上に、「どう扱われたか」を覚えているものです。ネガティブな感情を抱いてしまうと、いくら指導をしても内容が頭に入ってこなくなるかもしれません。
ピグマリオン効果の実践
私が研修をする際に意識しているのは、「ピグマリオン効果」です。これは、期待をかけることで相手が成長しやすくなる心理効果で、「褒めて育てる」というやり方に似ています。
実践のポイントは次の通りです。
1.前情報でレッテルを貼らない
2.期待を具体的に伝える
3.失敗を能力と結びつけない
4.自分の無意識の態度に注意する
5.小さな成功体験を積ませる
忙しい中での研修では、ため息で無言の圧をかけたり、仕事を取り上げてしまったりということも起こりがちです。しかし、それでは成長の機会を奪いかねません。「この人は伸びる」と信じて関わり、その可能性を広げていきましょう。
3年目だからこそ担えるOJTの役割
OJT研修は、単純に業務を教えるための時間ではなく、人を育て、現場の未来を育てる時間です。そして、相談者様のような3年目という立場は、新人にとっての「身近なお手本」になりやすい存在です。その強みを最大限に生かして、温かく根拠のある指導を行い、次世代の介護の担い手を育てていってください。
また、後輩を育てる経験をすることで、ご自身も成長されると思います。ぜひがんばってください。ご活躍を心から応援しています。
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